この作品は、雑誌連載とかを読んではいませんが、かつて、漫画評論サイトでの紹介が面白かったもので、取りあげたことがありました。
■「男子高校生の日常」という漫画の内容紹介コラムが傑作。。これも一種の「取りつくろいもの」?
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100626/p4
丸1年半ほどたって、人気はさらに高まっているらしい。で、最新刊の5巻に、”外伝”というか「女子高校生の日常異常」という回があった…番外編なんだろうが、書き下ろしなのかとかはよく分からない。
さらによく分からないことに、なぜか格闘技論になっている(笑)。
どこまで張っていいかはちょっと躊躇するけども…。
私はいまどきの女子高生の流行とかは少々疎いんだけど、やっぱり女の子の間では、こういう話題で盛り上がることなんかが多いのかね?
結局「だれが強いか、決めやがれ」という闘いが始まろうとしている・・・
しかし、「じゃあどんなルールにする?」ということを決めようとしたとき、さっき嫌がっていた子が、だな・・・
この一言に込められた、底知れぬ闇!!そしてそれと同時に併せ持つ、透明なリアリズム!!!
これは「餓狼伝」でも「喧嘩商売」でも「ホーリーランド」でもない…。どこにでもいる女子高生の、誰もが経験する日常会話の一こまを描写したものだ(※ホントかよ!)。
しかし、6、7ページの短編の中に最強論、競技論、強さの意味論など、上に紹介したような長編漫画が長い時間とストーリーを通じて追い求めたテーマが、ぎゅっと凝縮されている。
上に貼ったコマから、ふたたびストーリーは急転直下で進行していくのだが、最後のオチ、結末はその格闘技論が必然的に導くものでありながらも、背筋を凍らせる緊張感のある、「仕掛け」がある。
そんなわけで、2011年は格闘技関連書籍・漫画は非常に豊作であったが、それに引けをとらない一編でありました。
- 作者: 山内泰延
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2011/12/22
- メディア: コミック
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