ゴング格闘技は今月、パンクラスの会場に置き忘れたため2冊買う羽目になった。
さて、技術論で読ませるゴン格は今回、”THE 俺様”エディ・ブラボーにインタビューを敢行。聞き手はすっかりエディ番となった堀内勇氏。
テーマは、ガードポジション、グラウンドについて、もっとも語るべき材料が菊田早苗vs滝本誠と並んであったところの「ホイス・グレイシーvs所英男」だ。
そこから先は、。ラバーガードやら新必殺技「バンプ」「ピラミッド」のほか、いくつもの戦略を披露しているのだが、それより心に残る、エディの言葉がある。
ただ、最初に言っておきたいことがある。君が俺のところに、ホイスの試合についてインタビューをしにきたことが、彼のガードワークにあることは分かっている。そして俺も、ホイスのガード戦略には大いに失望した。
それでもホイスが伝説の男であることには変わりはないんだ。それに俺はMMAはやっていない。だが、ホイスは今も戦い続けている。彼はウォリアーで、俺は単なるマンデーモーニング・クオーターバック(日曜のフットボールの試合について、月曜の朝にいろいろ批評する人)さ。戦わずに批評するだけだ。そのことは、ゴング格闘技の読者の人にも最初に言っておきたい。
・・・・・な、なんだこの謙虚さは。ジャイアンが映画版で別人格になったかのように。
まあ、それは冗談で、こういう部分はエディ・ブラボーは以前から持ち合わせており、だからこそ宮武外骨よろしく「過激にして愛嬌あり」の毒舌男として知られるようになったのだろう。
マンデーナイトロ、じゃなかった、マンデーモーニングQBについては、かつてジェレミー・ホーンやエンセン井上、ガイ・メッツアーもネット上で語ったことがある。「SRS・DX」にも掲載され、ネットでもhttp://www.geocities.co.jp/Athlete-Sparta/3410/interview.htmlで読めたのだが、今は読めない。
「ゲーリー・グッドリッジへのネットの低い評価は理解できない。やつらは「なぜ、GGがPRIDE-GPに出られるんだ?」とかいう。教えてやるよ。やつはライオンの心を持っているからだ。どんな敵にも臆せず立ち向かうからだ。それをネットおたくが批判している・・・」みたいな感じ。
日本ではいわゆる「見る側・やる側」論というのに収斂されており、だいたい議論も方向性は見えている。マンデーモーニングQBは、ことにプロのスポーツ競技において「必要」「不可欠」な存在であるという点で、論理的な部分ではほぼ確認が出来ているといえよう。
ただし、「心情」というか「美意識」の中では、マンデーモーニングQBに実際のフットボーラーが何も感じない、ということは未来永劫なくならないだろう。そこは、そういうものなんですよ。
【参考】http://tanautsu.duu.jp/the-best04_02_08_a.html
ところでエディ・ブラボーに話を戻すと、インタビューの末尾に・・・
堀内 「2006年にはぜひMMAのリングで」
エディ 「ん?いや、そんなことよりも俺がどこかのレコード会社と契約できることを願ってくれよ。(略)そうだ、ゴング・マガジンの読者に俺のデモCDをプレゼントしよう」
俺も読者だが、すくなくとも俺はいらん。
どこかの国王も、絵の才能とは別の理由で宮廷画家を任命し、同国の文化史上に取り返しのつかない一大汚点を残したではないか。
しかし、「音楽家になりたい」はもはやエディ・インタビューの定番オチとなってしまった。このお約束がないと、何とはなしに落ち着かない。
エディ・ブラボーの、弟子たちを前にしたリサイタル(会場・空き地のはらっぱ)が想像できるな。「♪ホゲ〜〜〜ェ」