この試合が、相対的に放送時間の短いDynamite!でフルに放送されたというのは感慨深い。
体重差を考慮すれば、所選手が大健闘、大殊勲であったことはいうまでもないのだが、純粋に動き、展開でいうなら(ホイスの責任だが)グレイシー流の「セルフ・ディフェンス」による動きの少ないものだった。
それを、あれだけ長く放送しようとシビアな樋口潮氏に決断させたのは、「ホイスにこうなることが凄いことだとお茶の間にも伝わるはず!」というより「所君はもう、そのキャラクターで数字が取れる!」という計算だったと思う。
そして、それはさらにすごいことだ。
ブログのコメント欄もますます盛況で、一部の格闘ファンの中には、あまりに対アイドル的な視線の書き込みに反発もあるようだが、私は之でぜんぜん問題ないと思う。
この中から、まかり間違って今成正和選手や佐藤光留選手に流れる女性ファンだっているかもしれないではないか。
http://blog.livedoor.jp/zst_tokoro/
にしても、題名には「ホイスの黄昏」と書いたが実際には黄昏を通り越し、いよいよ日没になりかけたという寂しさはある。そりゃそうだ。テロップで見ると39歳だもんな。
「高齢だけどがんばってるなあ!」といつも言われるムリーロ・ブスタマンチやマリオ・スペーヒー、ランディ・クートアとほぼ同世代に属するのだ。思えば1993年のUFCを起点とする総合格闘技の歴史も昨年ですでに干支が一回りした。
時の流れは、かくのごとく。
ついでに、第二回KOKにあの年齢で出てきた、1961年生まれのヴォルク・ハンのすごさもあらためて思い返す。
さて所英男、ますますHERO'Sに欠かせない存在になってしまったわけですが。
いくら「ホームリングはZSTです」と本人が言っても、できることとできないことがある。
今後HERO'Sがどんなペースで大会を打つようになるのか知らないが、MAXのてこ入れ総合だってあるだろうし、ZSTに所英男がどういう形で登場するのかむつかしいねえ。
グラップリングマッチを定番とするのも、この際アリかな?
【註】タイトルの「位打ち」とは朝廷が源義経にやったような仕掛けで、どんどん位を授け、地位を高めることで結果的に本人やその人の属する組織をガタガタにすることです。