http://www.nhk.or.jp/etv21c/update/2005/1210.html
忍法帖シリーズで知られる小説家・山田風太郎の日記が発見された。1950年から1993年に至る43年間の日記である。すでに「戦中派不戦日記」等が刊行されているが、今回発見された日記はその後の未公開のもの。特徴的なのは、廃虚から復興を遂げてゆく日本を見据えるしんらつな眼であり、戦後数十年を経ても消えぬ戦争へのこだわりである。
流行作家となってからも、「ある意志を持って」戦史を読み続け、その数は1000冊を超えた。そして、「勝てるかも知れぬと思い込んで」戦争を始めた人々の責任を厳しく問い続けるのである。
山田風太郎は、戦後の日本をどのような想いで見つめたのだろうか。原体験の戦争が、その後どのような影響を及ぼしたのだろうか。
番組では60年安保、三島自決、浅間山荘事件、オイルショックなど戦後史の大事件に対する風太郎の独自の批評を紹介。妻と二人の子どもへの細々とした愛情をつづった作家の人間像を明らかにする。自らを「傍観者」と規定した山田風太郎が見つめた戦後日本を描く。
山田風太郎は10年ほど前だろうか、関川夏央が「戦中派天才老人」なる尊称をささげたてまつり、ロングインタビュー集を刊行したこともあってリバイバル人気を得たが(もっとも、この人と杉浦茂は、ほっておいても定期的にブームが来るのだが)、最近は「バジリスク」が大好評を博するなどまたまた人気再燃。
この人は「勝ち抜きトーナメント方式物語」開祖、
「実在・架空人物のスクランブル伝奇小説明治版」の帝王
「特異体質」「超能力」の一言で説明する擬似SFの発明者
などなどいろんな顔を持つが、日記文学の書き手としても名高い。
上の紹介文にもあるが、浅間山荘事件、三島由紀夫事件をリアルタイムで知ったときの日記の内容が公開される。三島由紀夫はとくに、「XXさんは、三島由紀夫(の自決)をどう感じたか?」それ自体が興味を惹く題材なので楽しみだ。
また、たぶんこの番組を見るであろう中野翠(山田風太郎崇拝者)が、来週いや再来週にどういうコラムを書くかも注目。浅羽通明も、風太郎リスペクトでは人後に落ちない存在なのだが・・・
おおクライマーズ・ハイ⇒山田風太郎がみた日本⇒パンクラス11/4大会
じゃあ、見るほうも体力いる。つうか途中で寝ちゃうな、たぶん。
それにしても、毎朝や夕方に丹念にテレビ欄を見る、という簡単な話だけでエントリを充実させるというのもちょっと良心がとがめる・・・というのは冗談でな。
一時は粋がって「テレビはほとんど見ない」という感じだったし、実際に見てない時期が長かったのだが、こうやってあらためて網羅すると、見たい番組がないというのは単に好奇心や知識欲の磨耗だったりする面もある。