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未読の人も多いと思うので、楽しめると思います。
二・二六事件を巡る一奇想・・・明智小五郎vs北一輝
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20050227#p1
日本革命歌史に残る作品
http://www16.ocn.ne.jp/~byakuren/uta.html
一、 泪羅(べきら)の淵に波騒ぎ 巫山(ふざん)の雲は乱れ飛ぶ
混濁の世に我立てば 義憤に燃えて血潮湧く
二、 権門上に奢れども 国を憂ふる誠なし
財閥富を誇れども 社稷(しゃしょく)を念(おも)ふ心なし
三、 嗚呼国栄えて民滅ぶ 盲(めし)たる民世に踊る
治乱興亡夢に似て 世は一局の碁なりけり
これは本当は226事件ではなくその前の515事件で作られたそうだが、この時期にも好んで歌われた。かなり漢語、中国古典の知識をちりばめているので難しいが。「青年日本の歌」とも称される。
三島由紀夫とその編集者
何度も書いていますが、新興保守系雑誌「WILL」は、特集のほうはその下品さや強引さが時折鼻につくものの、伝説的編集者・堤堯の「ある編集者のオデッセイ」が抜群におもしろい。
彼は編集者として三島と親交があった。あるとき、三島が226事件をめぐり「大御心に待つ、自身のことは省みない。まさに純粋なる日本的革命心だよ」と縷々述べたが、別のことでこの事件を取材していた堤氏は、「いや、反乱軍はそれほど純粋でもなかったですよ。ちゃんと権力奪取のことを考えていましたよ」と反論、えらく三島の機嫌を損ねたという。
三島流の美学は、現実や事実もそぐわない部分もあり、またそれを美学に沿って強引に変えるだけの構成力というか筆力があった。
ジャンルは違えど、彼もまた「心の梶原一騎」がいたのだろう。