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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

あらためて台湾格闘技事情を紹介(まとめ)

このブログを以前から読んでくださっている方には耳にオクトパスなお話ですが、あらためてひとつのエントリにまとめます。なぜならどこの格闘マスコミでもこの件に関する、まとまったレポートが無いはずだから。


それは、「台湾における総合格闘技事情」についてです。
なぜずっと興味があるのかと言うと、これも何度も述べたとおり
「アジアで民主主義と資本主義が成立すれば、基本的にサブカルチャーの好みは共有されるし、現にそうなっている。」
「ならば、日本、韓国で起きている格闘技ブームは台湾にも影響を与えているのでは?」

という仮説です。で、
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20050525#p6


http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20050715#p4
というエントリを書いたことがあった。しかしながら、台湾にゲゲボツアーですら行ったことがない私(意味が判らない人は軽く読み飛ばせ)が、あれこれ雑誌やらの断片情報だけで、ことに現地のサブカルチャーの動向に関して分かるわけがない。
そこに、下エントリコメント欄で貴重な情報が送られてきたのでござる。
今回はこれをきちんとまとめるという側面が大きい。

# bass & co. 『お初にコメント差し上げます。台湾在住者です。PRIDEですが、日本放送版ではなく米国放送版の輸入です(バス・ルッテンが解説)。ただし、3~4年かそれ以上古い内容です。あと PRIDEだけでなく、 UFCや KOTCもやってますよ。』



# gryphon 『む!貴重な情報有難うございます。
なぜに英語版輸入?ひょっとしてDSEがビジネスでドジ踏んだのでは?
鉄腕アトムがそうだったように、売ったアメリカのチャンネルが転売権を握っているなんてことはあるまいな。
なんにせよ、直接、今現在の映像を流していないということは、まだまだ台湾に総合格闘技ブームが根付く気配はきわめて小さいのでしょうなあ。』



# gryphon 『K-1は、台湾ではどうですかね?ハーリー族の女の子も魔裟斗には注目してないのかしらん』



# bass & co. 『PRIDEですが、日本のプロレスを1日中やってるチャンネルのプログラムの一つとしてやっているので、総合の根付いて居ない台湾では、スタイルの違うプロレスぐらいにしか思われて無い感じがします。実際、私の周りでは分かっていません
というか、プロレスがワークであるという認識が薄いですね。ひと昔前の日本と同じで。その状態でいきなりテンポラリーな総合をみせられても、理解できなくて只の塩い試合としか思われて無い可能性あります。どこでもマニアは分かってて見てるんでしょうけど。ちょうど、暗黒時代のシューティング(≠修斗)みたいな感じで。それよりは、マシな状況か?』


# bass & co. 『K-1は、放送していないです。もし流行らそうと思うなら、日本の「プロレス」をやっているチャンネルではなく、日本の「ドラマやバラエティ」等の一般的な番組を流しているチャンネルで、日本で流行っている「格闘技」ではなく「TVプログラム」として提供しなければならないと思います。日本は、何だかんだ言って格闘技好きなんですよ。大体、大晦日なんていう文化的に最も大きなイベントの一つ日に、2局も3局もプライムタイムに格闘技やってる国なんてないですよ(笑) 例えば北米で3大ネットワークが、年に一度の家族団欒のクリスマス・イブに UFCと PRIDE、さらに両者から選手を引き抜いて無理やり新しいイベント組んで放送するとか、ありえないでしょ(笑)』


# gryphon 『うーむ、よっく分かりました。これまで商業活字も含めて、台湾のUP TO DATEの総合格闘技事情がこれだけよく分かる情報はありませんでしたよ!
あとで引用、まとめなどいろいろさせて頂きます。』


# bass & co. 『お役に立てて、幸甚です。ちなみに補足しておきますと、台湾はCATVが根付いており、好きこのんでチャンネルを合わせる文化があります。日本の番組を放送するチャンネルは3つあり(プラスNHK)、その他に別途上述のプロレスチャンネルが存在します。ということで、ハーリー族の小姐たちでも、好きこのんでチャンネルをあわせ PRIDEをみることはありません。しかもそのチャンネル、ついこの間まで深夜になると日本のAVを流していましたから(ただし、B地区や結合部は巧みにカットの非実用的なもの)、バイオレンス以外にも敬遠される要素アリです。更に日本の釣り番組もやってますし、動く東スポ状態です。』

そして、はてなダイアリー内で、台湾からの考えさせられる論考を送ってきて下さる
id:tinuyamaさんのエントリ。彼は偶然私と関わってしまったのが運の尽き(笑)で、ききょうやさんや将軍さまにからまれた一休さんのごとく無理難題を吹っかけられている(そのたびに、鮮やかに切り返すところも一休さんであるが)


上のコメントを展開しつつ、こちらも独自の切り口で。


http://d.hatena.ne.jp/tinuyama/20050807#p2

プログラムがひどい。時系列、団体に関係なく、一試合ごとのぶつ切りをランダムに(?)流してゐる上、日本語の実況・解説に無茶苦茶な字幕をつけただけの映像なので、台湾の視聴者には「ストーリー」「流れ」などといつたプロレスに欠かせない要素は全く理解できないと思ひます。・・・このチャンネルには、苦い思ひ出があります。・・・・・・第一回の「PRIDE」の放送予告があつたのですね。高田対ヒクソンです。もちろん結果は知つてゐたのですが、映像も見たい(実際の試合の数ヵ月後くらゐだつたと思ふ)。で、放送を心待ちにしてゐました。放送日、一時間枠のやうだつたので、ダイジェスト放送かと思ひきや、番組開始後も全く試合映像が出ません。写真さへ出ません。画面に映つてゐるのは、台湾人のコメンテーター一人。タイガーマスクのマスクを被つたこの男が、延々とこの試合の因縁やら、ヒクソンの強さなどを語つてゐるだけです。そのまま何と五十分ほどが過ぎました! そして、最後の最後に高田対ヒクソン戦が一試合だけ放送されたのです。一試合分しか買えなかつたのか……。
で、現在の「PRIDE」の放送なのですが、やつてゐるのは確かなのですが、時間帯が・・・・

という次第である。そこのプロ格闘マスコミの皆さん、知らなかっただろう。
彼らに原稿を要請するなら早めに。

あと、やっぱり榊原信行社長はホラ吹きや、と(笑)。いや嘘は言ってない、ウソを言ってはいないのだが・・・ねえ?
「消防署のほうから来ました」。


で、結論は前と同じで、「ならば興行にしろ道場にしろ、今後開拓できる分野、地域ではないだろうか」ですね。
池袋で大暴れしていた荒らくれものの弟子に、「破門の変わりにリヤカー一つ引っ張って台湾へ行き、そこで支部をつくれい!」と命じる大物道場主はいないか。

ただし、八極拳蟷螂拳の道場は避けて通るように。
ゆめゆめ「ねえ、ケンカ買わない?」「それ、もしかして拳法?」とか言わないように。