3/28付の、産経新聞企画記事「メディア買収 私はこう見る」に呉智英が登場。
なにしろ一方の当事者だから、この連載企画はずっとライブドアとホリえもんに批判的な人ばかりなのだが、やはり少し違う。
・・・メディア買収を画策するライブドアが取った手法は『合法的』なものだった。。。倫理に依拠して交戦しようとしても、法治社会においては最終的には法が勝つ。法には国家権力という後ろ盾があるが、倫理は権力を持っていないからだ。倫理に頼らず『合法的』に闘うしかないことを、フジサンケイグループの首脳は肝に銘じるべきだ。
としつつ、ネットの議論というものをこう否定的に評価する。
「それぞれが勝手に自分の意見を述べるなら、あらゆる議論は矮小化され、アトマイズ(原子化)される。・・・議論はある秩序、システムの中で行われない限り、実りあるものにはならない。
ネット社会を評価する人もいるようだが、既存のメディアがネットに敗北するなら、われわれは荒涼とした衆愚社会を生きることになるだろう」
「人種の差も、階級の差も、身分の差も人類にはない。あるのは『賢者と愚者』の差だけである」を持論とする呉智英氏らしい論だが、「『同和利権の真相』の深層」でのインタビューと同じく、一見インタビュー側のほうの弁護をしているように見えて、よく読むと本質的なところで批判していると言う話法は相変わらずだ。