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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

金平茂紀、ダン・ラザーに殉死す(笑)・・・論座より

前にも書いたように、TBSの金平茂紀氏が最新号の雑誌「論座」に、ダン・ラザーの辞任の一件を書いた文章を寄稿している。
http://www.smn.co.jp/kanehira/
にて、自分のHPを持つことを「正直言って、僕は、インターネット空間での情報流通自体にも、大いに疑問を持っているような旧世代の人間だ。にもかかわらず・・・」といってるぐらいの方ですから、今回の寄稿文も、要は自分が愛するダン・ラザーさんが、悪辣なる保守メディアとブロガーどもの不当な攻撃を受けてやられてしまった、という被害者意識がとっても強くにじみ出た文章です。

CBSは報道(註:ブッシュ軍歴疑惑)の主要な根拠として、独自に入手したテキサス修平当時の上官ジェリー・キリアン大佐(故人)の4通の補完文書を番組内で提示した。
手元にコピーがあるが、ちょっと見ただけでは真贋は全く判別できない

その1ページ後に

放映直後から、問題の独自入手文書の信憑性に疑義が提出された。CBSの調査報告書によると、放映直後からブログとよばれるインターネット上のサイトから「信憑性」について疑問が申し立てられたという。・・・放映後、わずか4時間で報道内容に疑問を呈する声が7000件以上殺到したという。疑問の声は短時間のうちに幾何級数的に増幅した。

・・・どうも「ちょっと見た」だけでも判断できてるような気が(笑)。はいここで、金平さんが「信憑性」とわざわざ「 」をつけていることに皆さん注目。

ちなみに、それぞれの態度への用語の選択を見てみましょう。


CBSは・・・”真っ向から反論”し


ダンラザーは「報道は十分な裏づけがあり正確なもの」と”一蹴した”。


これを報じるダン・ラザーの”表情がいつになく怒気をはらんでいた”ことを私はよく覚えている


ダン・ラザーの”強気の反論”

批判側は

インターネット・メディアの”暴発的ともいえる”情報の増幅作用


保守系メディア(例えばFOXテレビ)は一斉にCBSダン・ラザー”攻撃”を展開


”反CBSキャンペーン”


共和党系のブログ(FreeRepublic.com)が文書の信憑性を”攻撃”した


これらのブログの主張に反論を唱えたブロガーはブログ内で”徹底的に脅迫”され


(CNN報道局長がオフレコ発言の責任を問われ辞任したことについて)
この時も保守系ブログが”暴発”した

いやはや、どっちが正しかったのかわかりませんね(笑)

ちなみに、調査報告書は、ダン・ラザーが現在でも『文書の内容は正しい』との姿勢を崩していないことを記している

という一節は、結局ラザー氏が長いこと番組アンカーマンとして君臨することで、自己無謬化による「裸の王様」となったことを象徴しているようだ。




しかしこれもすごい部分。
「活字メディアの中でもっともCBS問題を精力的に報じ続けたのは、ワシントン・ポスト紙のハワード・カーツ記者である。」と紹介した、このカーツ記者がCBSに手心を加えてあげなかったことを「このカーツのCBS追及はすさまじかった。」とし

カーツの記事を読んでいて私は、正直この情熱はどこから来るのだろうかといぶかった

とおっしゃる。
しかし、そのわずか1ページ後に、CBSが報告書で誤報の原因を特ダネへの「近視眼的な熱意(Myophic Zeal)」と結論付けたことに対し

熱意のないところに特ダネなど生まれるはずはないことも事実である

とラザーを擁護するのって・・・
単に書いた文章を見直してないのではないか、と思わせるものがある。



まあ、なぜここまでダン・ラザーを擁護するかというと、自分のボス(筑紫哲也)が同じように長年ひとつの番組でアンカーマンをし続け、言論と主張の硬直が著しいという共通点がある。

また、CBSのラザーゲートとその後の迷走が、TBSのオウムビデオ事件に酷似しているということもあるでしょうな。ラザーの弁護は、そのまま自己正当化につながるわけですから必死なことも無理はない。

あえて言えば、組織の自己防衛と無謬性神話の結合である。
それは私自身、経験則として知っていることがらだ。


ふむ。できればもうちょっと具体的に書いてほしいよね。
ついでにいえば、それは「今、そこ(「筑紫哲也ニュース23」)にある話じゃないのか?それに対して異議を唱えたりはしてないの?」とも言いたくなるけど。



いやいやそれ以上に重要というか、直接的な話もある。
当時、米国大統領選がらみの膨大な情報の中で、情報・ニュースの取捨選択権をもつ金平氏はこのCBS報道に飛びつき、大きく報道し続けたのである。(半面、放映後4時間で7000件に達したほどの疑問点は、少なくとも軽視した)
だからラザーと一蓮托生なのも判るのだが、それ(自分の報道)についての言及が無かったのは残念でした。どういう経緯であったのかも、大変知りたいのに。


当時のラザーゲートと金平氏の言説に関しては、旧「むなぐるま」ブログを参照
【補遺】現在同サイトは移転しています。こちらからどうぞ
http://munaguruma.air-nifty.com/blog/2004/09/index.html

むかし、私がラザー問題について書いた文章は
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20040923#p1
だが、ここのリンクはちょっと古い