- 作者: 三崎亜記
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2005/01/05
- メディア: 単行本
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ある日届いた「となり町」との戦争の知らせ。僕は町役場から敵地偵察を任ぜられた。だが音も光も気配も感じられず、戦時下の実感を持てないまま。それでも戦争は着実に進んでいた―。シュールかつ繊細に、「私たち」が本当に戦争を否定できるかを問う衝撃作。
第17回小説すばる新人賞受賞作
(「BOOK」データベースより)
まだ読んではいないまま、あちこちの書評を見ただけだけど、かなり面白そう。
ただし、自分の受け取り方としては・・・これってもう一昔前の感覚だろうネエ、
「最盛期の筒井康隆の作品っぽいから、面白そうだ」というかたちの評価です。
「僕たちは、戦争というような大ごと、重要なことも結局実感もなにもなく、メディアや日常の些事を通してしか感じられないんじゃないのか?」という問題意識は、別に湾岸戦争やイラク戦争で始まったわけではなく、ベトナム戦争などを通じて発生していた。
そして筒井康隆は
「48億の妄想」「ベトナム観光公社」「東海道戦争」などなど、「擬似イベントもの」というジャンルを日本SFに定着させることに成功し、いまだにその系譜は漫画界などにも息づく。
この新人の作品のあらすじだけきいて、最初に思ったのは筒井の「通いの軍隊」って作品だ。(なにに収録されているかな?)
「軍だ戦争だといっても、当事者じゃないとリアリティがないよね」という問題意識は、「新世紀エヴァンゲリオン」の中にも漂っているかも。あの作品には、大災害ややや強権的な危機管理体制の割には「物資欠乏」は存在していない、という指摘をだれかしていた。
「となり町戦争」の書評や紹介はもっといいのがあったと記憶しているので、あとで探してみます。はてなの中でも、探していけば結構あるでしょうけど。
映画化されそうだな、これ・・・・。