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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

会場を押さえるということ(拡大・完全版)

後楽園ホールは一月末から・・・
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2/5 ヤノタク復帰、謙吾おもしろ試合

2/11 前田吉朗vs今成正和TAISHO三島☆ド根性ノ助


郷野聡寛がタイトルに挑戦する全日本キックもはさみ、全くふざけた集中(しつつ微妙にずれている)をしている。このへんは、談合とかはできないのかね、と言いたくなるけど、それだけ興行が増えているということでありましょう。一説にはDSEは2004年(度?)において、新日本プロレスの興行収益を上回ったとも聞くが、PRIDEからパンクラ修斗デモリスマックまで、「総合格闘技」全体の観客動員数も着実に上昇しているのではないか。パイ一切れの大きさはともかく。

しかし何だかんだといっても、後楽園ホールというのはいい会場ですね。アクセスの良好さと、見やすいスケールおよびひな壇。文句をつけると、安い席より少し高くなっても、あまり臨場感は変わらないのに逆に背もたれがなくなって居心地がよくないことと、その安い席中の最前列と最後尾は同料金でもお得感が違うことかな。でも、それが「同じことならチケット早めに買わなくちゃ!」と思わせるものがありますから、そういう点でも心にくい話だ。

しかし、後楽園ホールはそれなりに早めの予約と手付金が必要らしい。なにしろ条件がいいので、できれば使いたいという団体は多いし、笑点も収録しなければならない(笑)。また、これは会場に自分も行くようになって、詳しい人から言われて気づいた話ですけど、同じ会場が満員と言ったってリングサイドの椅子の置き方でまるで変わってくるもんだと。

さらに言えば「条件のいい場所と日時は、相応の代価が必要になる」という”等価交換の原則”もあるわけです。たとえば休日の後楽園を借りるのと平日のそれとでは一説には50万円違う、と。
つーことは、休日でも平日でも会場が満杯になるぐらいの客が見込める、という団体は平日に開催したほうが得なわけですよね。リングサイドを一人1万円として、「幻の50席」ぶんの実券が売れるのに匹敵する。

【補足】あらためて調べると、後楽園ホール使用料の曜日差は
使用時間区分   平日   土・日・祝日 
 10:00〜16:00   700,000円   750,000円 
 16:00〜21:00   750,000円   800,000円 
 10:00〜21:00   1,050,000円  1,150,000円 

程度。そんなに差があるわけではないのだろうか・・・・?

また、後楽園よりやや小さいディファ有明もありますね。しかしあれは都心からの遠さもご存知の通りで、行くまでの大変さを考えるとあきらめるという客層もある。
このへんの複雑な方程式を解いた上で、会場と開催日というのは決定される・・・よね?


でかい会場を押さえるというのはたいへんなことで、
かつて長州力が新日vsUインターの東京ドーム大会を、記者らの目の前で高田と電話でやりあった後、「東京ドームを押さえろお!!」と営業に一喝、即座に”偶然”空いている東京ドームを予約する・・・という豪快無比なアングルで盛り上げたこともありましたね。
しかし、今観戦記ネットに北海道の地方興行を中心に投稿されている「桜井長五郎」さんは、このとき発売されたUインターと新日ライオンマークの両方が入った白パーカーを愛用していたんだけれども「これは俺が知っている業者が納入したんだけど、2か月前に発注されてたぞ(笑)」と言っておりました。
しかしまあ、あれは今だに全てのドーム・イベントで上位5本の指に入る入場者数を記録した、伝説の興行にふさわしい演出だっったといえましょう。

で、最初の話・・・PRIDEと新日のビジネス規模の競争に戻るけど、DSEが「さいたまスーパーアリーナ」を聖地としたのは、東京ドームを実質的な本拠地とした新日に比べて、非常によろしいと思う。
東京ドームは使用料が

スポーツイベント
【基本料金/7:00〜24:00】17,500,000   【準備日特別料金/1日】 6,700,000

と聞くし、元のつくりが球場であるためのいろいろな制限や、余計な費用が掛かる。
さいたまスーパーアリーナのほうは興行規模によって変えられるが、一番大きなバージョンにすれば東京ドームには及ばないものの、今格闘技・プロレスで集まる上限ともいえる4万5000人-5万人には対応できる。
そして、その会場使用料は東京ドームよりだいぶ安いらしいのだ。
(この肝心な部分の論証が伝聞で申し訳ないが・・・)
 

もちろん、東京ドームとたまアリを比較すれば、後楽園とディファ有明と同様、「ドームなら近いから行くけど、さいたまじゃ遠いから行かない」という形のマイナスはあるだろう。しかし、実際にほぼ満員がつづくPRIDEにとっては、それらを含めても旨みは大きいらしい。
こういう部分でのアドバンテージというものが、将来じわじわと差がつく一因になるのではないか。


後楽園やディファ有明のような新会場が、もう東京に登場する見込みはないのだろうか。
DDTは、昔この近くのなんて会場だっけ? とにかく今までプロレスをやれるなんて発想が全く無いところを会場にして、定着させた歴史を持つ。
「今まで会場じゃない建物を会場として使用する」というのは、場外乱闘込みのプロレスより、一応リング内だけで終始する格闘技のほうがやりやすいかもしれない。
この前、まったく別の催しで「臨時テント」を見たんだけど、今はテントってのもすごく造りがしっかりしてるねえ。これなら駐車場とかでも、できるんじゃないか?と思いましたね。
この前パンクラスがどこかのイベントとタイアップして、野外で公式戦を行うはずだった(その後、イベント自体がポシャッた)けど、あれもさらに小さいプロモーションならアリかも。


もし、今後お金持ちが「格闘技に自分も関わりたいなあ」と思ったら、団体を経営するより、あらゆる点で格闘技・プロレスの興行に配慮したつくりの、最大1000・・・いや800人ぐらい入る会場をぶっ建てるか既存の建物を改造し、非常に安い価格で貸し出せばいいかもしれない。
これだと、複数の団体と関わることもできるしね。


場所はどのへんまで、近郊から離れても大丈夫なのかな。
TAKAみちのくWWEの稼ぎをすべてはき出して、数千万で千葉にKAIENNTAI DOJO(兼事務所)を作ったが、あのへんが限界か。
ま、「ぼくの考えたゆめのまち」みたいな、酔狂な夢想に過ぎません。当分はPRIDE、K-1以外の格闘技団体は後楽園やディファ、下北沢などを中心に回っていきそうです。


もっと会場費と興行の関係を書くにふさわしい人はネット上でも
多々いるのだが、まずは試論として書いてみました。