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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

奈良事件と「ミーガン法」

容疑者が逮捕されたわけだけど、新聞はサイド記事で大体がその前科に触れている。
やじうまワイドでも凡庸コメンテーター・三田園さんが「普通の人というけど、前科がある以上普通の人ではないはず」とちょっとヤバイことを言ってました。

そこで「ミーガン法」についての関心が今後高まることが予想される。
ここは反対の立場からであるが、よくまとまっているよ。
http://pine.zero.ad.jp/~zac81405/megan.htm

ミーガン法の94年州法案では、2回目に有罪となった性犯罪者を登録、釈放後10年間は定期的に監視、地域社会に戻るときは州政府が警察に警告するよう義務づけた。1996年5月に連邦法に昇格し、さらに警察による住民への通告も要求した(州の裁量による)。現在では内容に若干の差があるが、ほぼ全ての州が法整備を完了し、厳しいところでは仮釈放中の性犯罪者の名前・住所・写真を、警察が出向いて住民・学校・施設などに連絡しなければならない。

この問題は、「情報」はだれのものか?という視点、そして情報をすべてさらしていいのか?という点があって相当な問題を含むはずだ。
つまり「警察がAを逮捕した」「Aには○○という前科がある」という情報も、役所の情報である以上=納税者のものである、ということになる。
それを市民が共有して何が悪い、ということになりますよね。
しかし、今は前科というものは一級のプライバシーとして、あるともないとも公共機関は答えない、というのは森喜朗首相vs噂の真相裁判で判った(これは例外なのかな?)
http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/baisyunngiwaku.htm

あとは、子供への性犯罪受刑者の再犯率の高さ、という問題。
いろんな犯罪があって、再犯もどこでもいろいろあるのだろうけど、数学的・統計的に(←ここ重要)XXの犯罪の再犯率は高い!!ということになれば、「一度犯行を起こした人間の情報を、地域や各機関が把握すれば、対抗策を取ることができるので犯罪被害は減少する」・・・というのは、合理的な論理展開に な っ て し ま うわけだよ。
そして有効な対策があるのに、なぜしないんだという話にもなる。

もともとこれも「監視カメラ」や「空港チェック」と同じく、社会の安全と人権はゼロサム・ゲームなんだよなあ。大難問だ。

あと、小児愛犯罪者がもし際立って再犯が多いとすれば・・・いまやタブーの「犯罪と生得的資質・医学的な兆候」についても議論しなければならなくなるかもしれない。
それはかなりしんどい話に、さらに成りかねないが。


今の段階ではSF的ネタだがね、「小児愛犯罪者に共通の遺伝子を発見しました!それは簡単な検査で、すぐわかります。あれば犯罪をやるとは限らないが、犯罪者からの発見率はほぼ100%です」となったら、社会はどうなる?
笑い事や冗談、妄想ではないひとつの悪夢への対策として、想像力ある人は考えておく価値はある。


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【補足】http://d.hatena.ne.jp/rna/20041231#p1
■ [社会] 再犯率、加害者の人権
以前『犯罪白書』で調べた時は性犯罪の再犯率が特別に高いということはなかった(id:rna:20040608#p1)のですが、新聞やテレビでは既成事実化されています。テレビでは大澤孝征が「(アメリカでは)科学的にはっきりしている」というような事を言ってたし、テリー伊藤は40%という数字を挙げていました。そのうち新聞や雑誌なんかでも色々出てくるだろうけど信頼できる数字はどれなのか。性的な動機とされる猟奇殺人では何度も繰り返すタイプの犯罪者がいるのは事実だろうけど、これは性犯罪一般とは違うと思うのだけど。