タイトルは間違いじゃありません、野党指導者じゃなくて与党指導者(ヤヌコビッチ首相)の"暗殺未遂"事件について産経新聞の12/17コラムが報じている。筆者は内藤泰朗。
(前略)
ユシチェンコ氏が一服盛られたと発表した後のこと。与党の対立候補、ヤヌコビッチ氏が遊説先で何かが胸部に当たり、苦痛に顔をゆがめ、意識を失って倒れる「事件」が起きた。身長2mはあろうかという首相の巨体が崩れ、警護官に支えられて現場を離れる模様はテレビで全国に放送された。
当局は直後、「首相が重い鈍器のようなモノで攻撃された」と発表したが、結局、若者が強い反感を抱く首相に卵を投げつけたことが後でわかった。若者は後できついお灸を据えられた。でも、なぜ、百戦錬磨の首相がたかだか卵で倒れこんだのか。
「ライバルが毒殺の危機からよみがえり、人々が同情を寄せるのを見て、何かしなければと思ったんじゃないか。ただ、当たったのが卵だったのは番狂わせだったのさ」
首都キエフのスーパー店主はフンと鼻で笑い、店頭の卵に『重い鈍器のようなモノ』と表示をつけた・・・・
笑った笑った。この人間喜劇というか、せこく、みみっちいブラックユーモアは、まさに一服の戯画と申しますか。
清水義範の傑作「バールのようなもの」を思い出した人もいるはずだ。