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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

へんないきもの


この本、売れているようである。
うれしい話だ。
ビジネスの役には立たないだろうし、ご家庭の資産の利回りを増やす意味も無い。
それでも、未知の世界、自分の知らない知識を身につけたいという、やくたいもない好奇心を持ち合わせた人々は、やはりちゃんといるのだ。
これが、回りまわって「国力」になる、と個人的には信じている。たぶん。


http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/gakugei/dokusho/archive/news/2004/10/24/20041024ddm015070128000c.html

・・・「男の存在意義なるものについて」という副題のついたボネリムシは、中でも壮絶である。幼生は雌雄未分化だが、成体は全部雌。雄はどこに行ったのだ? 実は、成体にたまたま出会った幼生は、成体に吸い込まれてしまい、その子宮の中で雄になる。雄は、栄養を雌から体表を通してじかに与えられるので、消化器官さえない。かろうじてある口状のものは精子放出器官だという。こうして雄は、雌の子宮の中から出ることなくその一生を終えることになる。このムシについて、著者の一言は「幼生にとって、成体に見つかるか見つからないかどちらが幸福なのかは、わからない」。

 このムシの雄の存在意義に感じ入っていたのは、私の若い知人である、バリバリ仕事をこなすキャリアの女性達である。未婚既婚の差はあっても、彼女達は一様に「男ってそういうものよね」と納得しあっていた。

この種の、生き物の生態を人間に当てはめるのは基本的には邪道。
しかし大仁田厚のFMWのように、邪道ゆえに楽しい(笑)。


ま、それ以上にこれは「大人の怪獣図鑑」ですな。作者は、現代に蘇った大伴昌司というわけだ。
じっさい、ここに載っている(実在の)生き物の形状と生態は、人間の想像力を遥かに超えている。
しかも、それは一々、それぞれの環境の中での合理性に基づいている
題名は「へんないきもの」だが、それも逆説的題名というもので、ぜんぶ「ふつーのいきもの」なのかもしれねえ。人間も含め。


へんないきもの

へんないきもの