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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

知識を伝えるということ−嫌韓流やら「探偵ガリレオ」やら

所さんの目がテン!」

今、日本テレビの「所さんの目がテン!」をみながらこれを書いている。今回はヒガンバナがテーマだ。この花は種ができないけど、先祖の名残で花が咲き、枯れることを通じて初めて葉が出るんだそうだ。またヒガンバナの球根がきらいで、ネズミよけになるとか。
これも長年続いている教養教育番組だが、毎回面白いよね。電気事業連合会の一社提供で、CMで毎回原発は安全だと必死にPRしているのだが(笑)、それはそれだ。
なんと来週で800回を迎えるんだそうだ。

「本屋にはないマンガ」と内山安二

前から自分は、この種の教養番組を含めた「子供や一般の人々に、知識を分かりやすく啓蒙して伝えるもの」の存在を高く、重く評価し考えてきたし、そういう文章を書いている。
というのは自分の雑多にしてムダな知識の多くが、その種の啓蒙漫画(おもに「学研まんがひみつシリーズ」)によるものだったり、それを最初のきっかけにしたものだからね。
だから私が手塚治虫藤子・F・不二雄に負けずとも劣らず崇拝する漫画家は故・内山安二先生だ。

この前、「本屋にはないマンガ」という本が出たそうで、宗教PRや原発PRのマンガなどを集めているという。

本屋にはないマンガ

本屋にはないマンガ


http://d.hatena.ne.jp/chakichaki/20050912#p1

私も学生時代に色々なへんてこな漫画を読みましたが一番衝撃を受けたのは、井上サトルの「バリバリ君」ではないでしょうか

公明党にはF票という、信者では無いが信者から義理がらみで依頼されて票を投じる有権者の集団があるというのは有名だが、創価学会機関紙「聖教新聞」にもF票ならぬF購読というのがある。小学生時代、祖母がどうしても頼みを断れない義理がある人から頼まれ、この新聞を3カ月ほど購読していた、いや購入したが読まずに捨てていた(笑)。
この時、4コママンガがマイブームだった俺は、捨てるならと読んでみたがサッパリ意味が判らない。
親に聞いてみたら「この新聞は読まなくていい!!」と血相を変えて言われた(笑)。


おお、順調に脱線してきた。




話を元にもどすと、この本の中では内山安二先生にも一章を割かれているんだそうで。
それじゃあ読まないとね。
http://www011.upp.so-net.ne.jp/lac/m_/utiyama/utiyama.html


内山氏の最高傑作は学研まんがひみつシリーズ
「できる・できないのひみつ」か「コロ助の科学質問箱」か、悩むところであるが、どちらにしても非常に練り上げられた面白さだ。
彼は現場取材も何度も行っていて「私の場合は、マンガは手でなく足でかく」とひそやかに誇っている。


http://www.arch-type.net/

http://www.arch-type.net/Himitsu/index.html

(続く)

昔、まだ内山さんが存命のころに書いた文章をちょっと丸ごと引用する。
上と重複するところはお許しください。

人生に必要なこと(と、不必要なこと)はすべて「学研まんが」で学んだ。


少し昔のことであるが、ワタクシ小・中学校時代は非常に成績がよかったんですね。その後馬齢を重ねて今はその影もないですが(笑)。実は当時うちで教科書やノートを開いたことなんてゼンゼンありませんでした。それなのになぜ学校の勉強ができたかというと、これは間違いなく「学研漫画ひみつシリーズ」のおかげなのです。これは掛け値なしの事実。


だってな、例えば藤木輝美の「からだのひみつ」というのを見てみよう。
なんか、その辺のあやしげな雑誌にアリそうなやな題名(笑)だが、いたって内容は健全、―どころか非常に高度な内容を分かりやすく説明するのだ。血液を構成している赤血球、血漿、白血球、血小板をそれぞれ擬人化して、それぞれの性質をうまく職業化している。
 その血液君たちを体内に抱えた子は、ガキ大将とケンカすることになり、酸素を補給する赤血球(赤君)や栄養を運ぶ血漿(水君)が大忙し。しかし白血球(白君)や血小板(チビ君)は何もすることがなく待機するばかり。赤君たちはそんな彼らをバカにするが、ケンカのあとその子はヒザをすりむき、出血する、すると血小板のチビ君は身を捨てて傷口で凝固し、出血を食い止めるのだ。そしてそこから侵入してきたバイキンたちには、白血球が一人一殺の特攻作戦!赤君も水君も彼らを軽んじていたことを悔やみ、戦死した彼らに涙を注ぐ…というなぜか愛国的展開になったりする(笑)。のだが、ここで赤血球の酸素運搬機能、白血球の殺菌免疫作用、血小板の止血作用などの根本をしっかり教えているのである。
これを小学校にも上がっていないガキがすべて覚えてしまっているのだから「小学校?ぬるいわ!」となるのも当然なわけである。


この作品とは別だが、学研まんがのエースとして不動の位置を占めている人物が内山安二先生である。といっても名前じゃ分からんか。絵とおなじみのキャラクターをみればすぐわかると思う、これ。

(ここにカットが入ってた。)



コロ助の科学質問箱」「できる・できないのひみつ」「世界の国々びっくり旅行」など、数々の名作を残しているが、そのバラエティと大きな問題を徹底的に分かりやすく咀嚼する力は、他の著者の作品と一段も二段も格が違っている。


驚くべきは彼が「○年の科学」という学習雑誌にも連載を持って、そこでアップ・トゥ・デートな科学トピックスを扱っていたことだ。例えば私が小学生のとき、このマンガで初めて「針のいらないレコード」---つまり「CD」の存在を知ったのだ。従来のレコードが“溝”だったのに対し、ミクロ単位の凸凹にレーザー光線を反射させ、その信号を元に音を再生する、そのため音が劣化しない、クリアである……という説明は今考えてもきちんとポイントを押さえていたと思う。


また「未来史閲覧」という産経新聞が総力を挙げたともいえる企画に、記事で「超高層ビルの限界は」というテーマがあったがこれも「できる・できないの秘密」でもう20年近くも前に内山氏は論じきっているのである。物理的な限界はいくらでも克服できそうだが、日照権などの問題や「高いビルほどエレベーターの必要数が増え、それでビルの使用可能なスペースが逆に減る」(笑)といったソフトの問題を解決しなければならない、というある意味逆説的な、人間と技術の関係を内山氏は完全に消化しきって、子供むけ読み物にしているのだ。


このほかにも絶対零度という概念による低温の限界、摩擦という力が宇宙に与える影響、化石からどのように恐竜の生態を推理するか・・・などなどを、当代一流の学者から実現性のあやぶまれる怪しげな研究をしているマッドサイエンティスト(水中で呼吸できる「人工エラ」なんて、今でも実現してないじゃん)までに取材したこれらの作品、まさに「情報=インテリジェンス」の宝庫としかいいようがないのである。


「フツウの漫画家とちがうのは、ワタシの場合足で描く」との彼の言葉は謙遜でもあり、また自負なのだろう。


そして、彼らの後継者であるということを自他ともに認めた人が、「宇宙家族カールビンソン」「ワッハマン」などで知られるあさりよしとお氏だ。ふつうの商業マンガでも活躍した彼が、一見地味ともみえる情報・学習マンガに挑戦した理由は余人は知らず、少なくとも私はわかるような気がする。そこには面白さと難しさ、そして未来の科学者を生み出す力があるのだから。
もっともこの人だから、学習マンガの「お約束」をセルフパロディすることもわすれちゃいない(笑)。

で、嫌韓流につながるのだが

ここで、イデオロギーや主張の賛否はさておいての、情報まんがとしての「コミック嫌韓流」を見ていきたい・・のだが、さすがに前フリ部分でこれだけ分量を使っては読むのも疲れるだろう(笑)。
後日の宿題としておきます。すぐ書くよ。
まずその前に、さすがにこれだけ素手素面で無名出版社からベストセラーになったゆえに、そろそろメインストリームの人々も無視できず論評が出てきている。
諸君!に大月隆寛(「麹町電脳測候所」執筆者・・・であると勝手に断定)が長文を書いているのはまあ分かるとして


朝日新聞論座」には若手評論家・東浩紀氏(誤字修正)が


「『嫌韓流』の自己満足」


という2Pの評論を書いていたし、まさに今日、朝日新聞読書欄「ベストセラー快読」にて取り上げられたのですよ。


タイトルは「『素直さ』がはらむ問いかけ」。




執筆者は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうです、唐沢俊一。まあ社内の人間に書かせない方がいいし。多分もうすぐ、インターネット上で読めると思うよ。