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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

ハリガネムシ讃歌。〜この偉大なる、そして悲しき生き物よ。

まず、これをみてちゃぶだい。

こでだけで、フェイスブックを使っている人なら
「いいね!」ボタンを連打するところだろう。この記事にある、写真である。

ハリガネムシが出たあとのカマキリの心境は如何なものか
http://d.hatena.ne.jp/kazuyo1014/20121014/1350167535

このように一気に活力を失うカマキリがいる一方、元気に走り回るようなカマキリもいます。

そして、ハリガネムシは何かに絡まっておきたいという性質があるので(ツル植物を想像してくださいね)、その土台にカマキリをチョイスしたという画。カマキリを襲っているわけではないです。

表題はすぐれて、哲学的な問いでもある。


少し、わき道にそれたい。(※また司馬遼太郎調かよ・・・)
筆者の、経験である。
当時、自分は自転車に乗って、庭を走行していた。
その際、一匹のかまきりを、轢いた。
当時は、それほど、庭にかまきりがいて、一種の独立王国を形成している。
自然、かまきりとの交通事故は日常的であった。
 
しかし、その中でも、そのかまきりは、ひときわの巨体で、特に腹が膨らんでいる。
 
「これは、しまった。卵を産む前の、雌であったか」
 
それ自体は、他の条件から見ても、妥当な判断だった。
しかし、腹のふくらみに関しては、また別の理由があった。
 
にゅるり
 
というのは擬態語だが、たしかにそういう音が聞こえた、と記録するものもいた。
それほどの衝撃だったろう。
20世紀の当時――すくなくともその当事者においては、かまきりというものは極めて身近で、何度も飼ったことがある虫であったが、その腹に、このような奇怪なる生物が居る、ということは想像の、いわば、らち外であった。幼い知識では「みみず」であると考えた。しかし、それにしては細い。
このときの、いわば民族的な衝撃が、ハリガネムシへのイメージとしては固定されている。



だから司馬遼太郎風はやめだ!!能率悪いわ!!
まあそんなわけで、ハリガネムシはたまたま自転車でひいたかまきりの腹から出てきて、さしものわがはいも、かなりびびったのです。

しかし、馬齢を重ねた今は、もっと客観的にハリガネムシを語ることが出来る・・・というかリンクを紹介することができる。
しかし・・・パネエぜ。

Nematomorpha ネマトモルファ (類線形動物ハリガネムシ

http://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili/keitou/mizika/seesk-others/harigane01.html

ハリガネムシとは?:
 寄生あるいは自由生活を行う、非常に単純な形態をした動物で、成体は一本の線でしかありません。まさに針金虫です。体はクチクラに覆われていて、触るとかなり堅めな感触です。ビニールにぱんぱんに水が詰まっている、そういう感じでしょうか。ちなみに堅いとはいっても金属みたいな堅さではありません。体は自由に曲がりますが、(筋肉の配置による制限もあるらしいのですけど)伸び縮みができません。ウネウネと動き回るだけです。というか”あちこちに曲がったりする”と言った方が良いでしょう。ミミズのように前進したりはしません。ただもがくだけです。

 正直いってあまり気分の良いものではありません。

 寄生するハリガネムシの宿主はカマキリなどの昆虫で、その体内に寄生します。ハリガネムシは水中で産卵するので最終的に宿主から脱出しなければいけません。

 例えばカマキリに寄生している種類の場合、宿主が水に接触すると、うにゅうう〜〜〜っとお尻からでてきます。 脱出すると(運が良ければ)水中に入り、越冬。翌年に産卵して死にます。孵化した幼生は水を介して宿主にたどりつき、宿主の体内で成長します。

http://umafan.blog72.fc2.com/blog-entry-458.html

最大クラスで1メートルぐらいにもなるそうですが、ふつうはそんなに長くありません。10センチから30センチぐらいでしょうか。
ハリガネムシは、水中生物ということもあり陸上は苦手です。体が乾いてくると、触ってもほとんど動かないため、生きものにすら感じません。体も硬くなって、本物の針金のようです。
動かないからといって死んでしまったわけではありません。動かないハリガネムシを水に入れると、再びものすごい勢いで動き始めます。この動きがかなり気持ち悪いです。
泳いでいる、とか、前進している、とかそういった意志や目標はまったく感じられず、いわゆる「のたうち回る」といった動きです。

〜 マインドコントローラー? 〜

目的の昆虫に寄生したハリガネムシはどんどん大きく成長し、やがて成体となります。

成体に成長したハリガネムシには口がありません。これ以後、交尾して死ぬまで何も食べません。つまりもう寄生している必要がないということです。

今すぐにでも宿主の体から抜け出し、繁殖シーズンに備えたいものです。しかし、一か八かで出て行ったとしても、陸生の昆虫の暮らしているところですから、おそらく高い確率で草むらなどに出て行くことになるでしょう。

カマキリのおしりから顔をのぞかせ、周囲をチェックしたりします。「やっぱ無理か」といったおももちで頭を引っ込めます (そんな感情はないと思いますが)。

そこでハリガネムシは考えました、宿主を水中におびき出せばいいじゃないかと。ハリガネムシはただ昆虫の体を間借りしていただけではなかったのです。寄生している間に脳も乗っ取っていたのです。(注:1)

ハリガネムシが成体になる頃、宿主は自分の意志とは関係なく水辺に引き寄せられます。そして、決して生きていくことが出来ない水中に向かってダイブするのです。昆虫の自殺です。

待ってました!とばかりにハリガネムシは昆虫の体内からニョロニョロと這い出てきます。体を間借りされた上に、脳を支配され、最後は腹を突き破られて無惨な死を・・・・・・(略)

寄生する側が、寄生先の相手を肉体的にも、精神的にも完全に支配下に置き、最後は死を強要することさえできるようになる・・・そんなことは可能なのか。可能だ、ということをこの前、人間界も教えてくれた。

生態系まで彼らが支える。京都大の研究。

http://it.slashdot.jp/story/12/06/20/0146238/

■森林-河川の生態系、ハリガネムシ類が大きく関与していた
 

京都大学のお知らせによると、森林-河川の生態系に、ハリガネムシ類が大きく関与していることがわかった。

ハリガネムシはカマドウマやキリギリスといった陸生昆虫に寄生して成長し、水中で繁殖する。水中への移動時、宿主の昆虫を操って水に飛び込ませるのだが、それが渓流魚の年間摂餌量の 6 割を占めるという研究結果が出た (DOI: 10.1111/j.1461-0248.2012.01798.x)。

森林からのエネルギー (餌) が渓流に供給されることで、魚に食べられる水生昆虫が減り、落葉の分解を早めているという。寄生生物が、森と川という異質な生態系をリンクさせている主要な存在であることを示した世界初の研究結果だそうだ。

その偉大なる生に、驚く。

そもそも、である。
まず水のハリガネムシが、水生昆虫に寄生する。
そこまではいい。
その昆虫がウスバカゲロウで、それがかまきりに食われたとき、かまきりの中で育つ。
そして、かまきりを水中に誘導し、再度水に出る。
こんなことが、進化の中で可能なのだろうか。
とても信じられないが、現実が結論だ。
だとしたら、本当に「奇跡の生物」と呼ぶしかない、であろう。


思わず詩を詠んでしまった。

ハリガネムシ讃歌】
みよ 細長き 鉄の虫
鋼の体に 正義の心
空をとぶ 水をゆく 大地を駆ける
かまきり企む 大破壊
腹を破って平和を守る

おお はりがね
ああ はりがね
ぼくらの ハリガネムシ

ハリガネムシとかまきりの関係は。


イチローは、かつてこう語った。

「自分の打撃がベストであるためには相手投手のベストも必要になります」
http://mbp-tokyo.com/karate/column/18561/

同じことが、両者にも、おそらく言えるのではないだろうか。
ハリガネムシがベストであるためには、かまきりもベストであることが必要であり、その逆もしかり。