今日も二本打ったそうで、すげえ話やね。
で、今の記録はシーズン257安打か。
世の中には野球記録マニアが数多く存在しており、たちどころに記録を脳内から引き出したり、新しい概念をいろいろつむぎ出して光を当てたりする。
「マジックナンバー」「猛打賞」なんかも名物記録記者が考えた概念だそうで、そういう蓄積がナショナル・パスタイムたるゆえんだろう。
最近ではイチローの「連続打席三振なし記録」を発見したシトが偉いと思う。
んで。
その記録の話で、これを思い出す人は何人いるか知らんけど・・・
http://www.shirakami.or.jp/~eichan/oms/omsxx/oms60.html
ルース=アーロン・ペア(01.02.18) 参考:放浪の天才数学者エルデシュ(草思社): 1974年4月8日午後9時7分、ベーブ・ルースが1935年に作った通算ホームラン 記録714本を破るアーロンの通算715本目のホームランにどよめいた。 当時若き助教授だったポメランスは、714と715の積が最初の七つの素数の 積に等しいことに気づいていた。 714×715=2×3×5×7×11×13×17 ポメランスの同僚が受け持っていた学生のひとりが、714と715の興味深い 性質をもうひとつみつけた。714の素因子の和が715の素因子の和に等しいの である。つまり 714=2×3×7×17,715=5×11×13 2+3+7+17=5+11+13 ポメランスはこうした性質を持つ、相続く二個の整数を「ルース=アーロン・ペア」 と名づけた。こうしたペアはきわめて珍しかった。コンピュータを駆使して20,000 以下の数を調べたところ、最小のものが5と6、最大のものが18,490と18,491で、 わずか26組しかなかった。数が大きくなるにつれて素数と同じようにペアの分布 も薄くなるが、ポメランスはルース=アーロン・ペアは無限にあると予想・・・
とりあえずド・素人の立場から突っ込ませてもらうが、
野球の記事を見てそういうことをまず考えるのか、数学者という人種は。
気づくな。
気づいたからなんだというのだ。
興味深い性質をもうひとつみつけた。714の素因子の和が715の素因子の和に等しいのである
興味深いですか。どこがだ。
まあ、それはともかくだ。
こんなどーでもいいことをポメランスは論文にして投稿しやがってな。
俺だったら「 気 に す る な 」で終わらせてるところだが、ここでさらに混乱させるオヤジが出てくる。それが「数学界のジプシー・ジョー」ことエルデシュ博士だったと。
ベベベン。ここから梶原一騎調。
ボール・エルデシュ!!!
- 作者: ポール・ホフマン,平石律子
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2011/10/04
- メディア: 文庫
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整数論と・グラフ理論において数々の金字塔を打ち立てたこの老ユダヤ人は、元はといえば東欧はハンガリー出身!!
戦乱と混沌の支配する激動の時代を生き抜いたエルディシュは、家も持たず家族も作らず、その類まれな頭脳を占めるのは、ただ数の謎を解くことのみ・・・!
おんぼろ鞄の中にあるのは替えの下着とノートと鉛筆、税関ではパスポートと照らし合わせ「これだけ世界を回っているのに、荷物が少なすぎる」と尋問されたともいう。
靴の紐の結び方すら知らず。神様は「SF」、小さな子どもは「エプシロン」と勝手な造語を作って話しかけるこの男は、奇人ぞろいの数学者の中ですら異彩を放った!!
生涯に書いた論文は1500!
そして彼とともに論文を執筆した学者は・・・485人!!
彼が同じハンガリーの数学者・レーニイと共にものした論文は「ネットワークはいかにして形成されるか?」という問題に、史上初めて挑んだもの。1959年に発表されたその論文は、現在のインターネット整備の基礎となった!!
彼はなぜ、そんなに共著論文が多かったのか?
彼は知識・発見の独占や、一番乗りの名誉を競うことにはまったく興味がないタチで・・・賞金を奨学金にして学生に援助するなどし、若者とともに難問を解決していくことを無上の喜びとした。深夜、数学者がドアのノック音に気づき扉を開けると、そこにいるのは世界の数学王・・・
その訪問者が「君の頭は、営業中かね?」と尋ねれば、ホストにとってこれほどの栄光はないわけで・・・かくしてこの客はあちこちの数学者宅を居候して渡り歩き、数々の難問を解決!
そして、その数倍にわたる新たな問題を提示して去っていった!!彼と共同論文を書いた人は「エルディシュ番号」を与えられ、それは数学者の間ではフィールズ賞にも劣らない名誉だったという・・・
【参考リンク】
http://www.shibataism.com/mt/archives/000158.htmlhttp://www.soshisha.com/books/0950.htm
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794209509/10000kmnokana-22/250-6244233-4971454
だいぶハッタリをかましてしまったが、ともかくこの奇人学者が・・・
ポメランスは、一度も面識のないエルデシュから連絡をもらった。数論の巨匠は ポメランスの予想を証明した。ついては証明をしてみせたいから、アトランタへ 招聘してほしいと言ってきたのだった。しばらく後に顔を合わせたふたりは共同 研究を始め、その成果は21本の論文にまとまられた。
んで、何がどうなったのかしらんが、ホームランを打ったハンク・アーロンが・・・
エルデシュとアーロンはエモリー大学から名誉学位を授与された。(略) ポメランスはホームラン王にルース=アーロン数について説明した。「アーロンは 穏やかな人だった。そしてかれが成しとげたことが一介の数学者の人生も変えたと いうわたしの話に辛抱強く耳を傾けてくれた」ポメランスはエルデシュとアーロン に、野球のボールに一緒にサインしてもらった。「だからね、ハンク・アーロンは エルデシュ番号1なんだよ」
取りあえず、アーロンはいい迷惑でしたな(笑)。王貞治の記録が数学的に意味がなかったのは幸いでした。
イチローが挑む記録保持者は1920年に記録を達成したジョージ・シスラー。
シスラー=イチロー・ペアを数学者が発見できるかしらんが、ま、彼らにチャレンジする機会を与えるためにも新記録を達成してほしいもんです。
【あとがき】実はこれ、ほんの最初のマクラだったのにどんどん長くなってしまった。
アシモフ博士の作品も映画になったことだし、科学のことを9月はいろいろ書いてく。
ただし、絶対に間違いは多いはずだ。えへん。