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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

塹壕の時代

朝日新聞(2004,6/15)の国際面。どうもアメリカの現代社会がわれわれの興味を引くのは、あらゆる形で「近代」の正負がはっきりと浮き出るかららしい。
米大統領選挙のルポで、
アメリカでは今、保守とリベラルがはっきり分かれて「没交渉」化してしまい、コミュニティや触れるメディアも二層に分化してしまった。お互いに自分の仲間内だけで議論や主張をしているだけ・・・」という話だ。


コメントしているカス・サンスタイン教授(シカゴ大)が「ブッシュ政権の本質に根ざしている」というのはどうかと思うが(クリントン政権発足時や、その後のギングリッチ共和党下院革命」から同様の傾向があった)、そもそもメディアがあふれるほどあるから、ってのが原因じゃないのかね。フォクスでもCNNでも、自分にぴったり来るメディアを選べるならば、そうなってくると思うが。

たしか自民党がスカパーで自分の放送局をつくる、なんて動きもあったかと思うが、それが実現するかはともかく、ここ数年で「自前(放送)メディア」をつくるコストはさらに低下するから、日本でも多少はそういう傾向が出てくるだろうね。


ただし、日本が丸々こうなっていくかといえば、それはあるまい。
なぜなら「政治の話なんてご近所の中でするもんじゃない」という、大きな「世間」の制約があるからだ。
どこの家庭も民主支持か共和支持か、保守党か労働党か丸分かりというオープンなアングロサクソン政治文化がない以上、日本ではこんな日は訪れまい。
それが健全か不健全かはともかく。


しかし、こいういい記事があるのに、早野透の「ポリティカにっぽん」のようなしょーもないコラムがあるとぶちこわしだな。ほぼ同じスペースで、別の日には船橋洋一が連載しているが、その差は歴然。
でも朝日の平均的読者は早野のコラムのほうが受けるんだろうな。うむ、日本の分断も案外進んでいるのかもしれない(笑)