朝日新聞家庭面に、著名人が父親を語る「おやじのせなか」というコーナーがある。
本日06/13付には、料理研究家の小林カツ代が登場し父親を語っているが、その内容がすさまじい。
「父の芯の強さを知ったのは、亡くなる直前です。がんに侵され、自宅療養していた時、背広姿で出てきました。聞くと、『戦友会に行く』。
母は『戦争が嫌いな人がなぜ毎年行くんですか。ましてそんな体で今年も行く必要があるんでしょうか』と詰め寄りました。すると、父はもう最後だと思うからと初めて理由を話してくれました。
戦争で中国にいた時、中国人に非常に残虐な行為をした上官がいたそうです。その人は帰国後、罪にも問われず、財をなしました。かつての仲間は祭り上げて借金を申し込んだり、子供の就職の世話を頼んだりしたそうですが、父はその人を許せずにいたそうです。戦友会に出ては彼の隣に座り、『あんた、自分のやったことを忘れたんか』『命ごいしたおばあさんや赤ちゃんの顔忘れたんか』と言い続けてきたそうです・・・」
果たしてどんな事実関係なのか、またこの回想に自己弁護や家族の美化が含まれているのではないか、そういう部分も考えなくはない。
しかし、「男の星座」ふうに言えば「こ・・・これはこれで、一人のサムライ!!」と呼んでいいのではないか。