INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

二匹の鮫が、出会う場所。…2010K-1GP、またの名を「シュルトvsアリスター」。

初期UFCを彩る伝説の言葉として、ホリオン・グレイシーが「トーナメントを盛り上げるには、4匹の鮫と4匹のゴールドフィッシュ(金魚)がいればいい」と言ったという話はあまりにも有名。
日本語にこのあと、かませ犬とか生け贄と同様の意味で「金魚」と書けるという新しい用法が加わった。
 
ただ有名だけど、鮫の数についてはタイトルのように「2匹」と言った、あるいは「1匹」だったという説もある(笑)


そして今回のK-1における.セーム・シュルトアリスター・オーフレイム。この二匹は総合格闘技の大洋からやってきた、確かに鮫だ。他が何の魚かはわからない。
唯一心配された、ゴールデングローリー同士の試合は慣れあいや遠慮の要素が入るんじゃないか?という話も二人の談話で払拭された。
さあ、鮫が決勝にて、噛み合う。

http://tv.yahoo.co.jp/program/317021/?date=20101211
2010/12/11 21:00〜23:10 の放送内容 フジテレビ

土曜プレミアムK-1グランプリ 決勝戦 2010

第18代世界王者が今夜決まる!シュルトが前人未踏5度目の王座に輝くのか?それとも脅威の筋肉おばけ・アリスターシュルトの長期政権に引導を渡すのか?

 世界最強を決める事を目的に誕生したK-1グランプリの決勝戦!  10月2日に韓国・ソウルで開催された「K-1 WORLD GP 2010 IN SEOUL FINAL16」でK-1ファイター8人が勝ち残った。その選ばれしファイターたちが過酷なワンデートーナメントで激突する。  優勝候補筆頭は前回覇者で既に4度K-1を制しているセーム・シュルト。史上初の5度目の優勝を狙う。注目は打倒シュルトに燃えるアリスター・オーフレイムK-1に本格参戦して2年目。総合格闘技出身で“外敵 と呼ばれるアリスターだが、確実に技術を身につけてきた。組み合わせ上、シュルトとあたるのは決勝しかなく・・・

本日DEEP、松本vs昇侍も。松本「昇侍はメジャー志向でDEEPを下に見るのが許せん!」いやそうだけどさ・・・

というわけでマカオ侵略も控え、松本晃市郎vs昇侍というこれもなかなかの試合でK-1の向こうを張るDEEP。このメインの因縁付けに、こういう話があった。
http://gbring.com/sokuho/news/2010_11/1105_deep.htm

舌戦を展開したのは松本晃市郎今田道場)と昇侍(KIBAマーシャルアーツクラブ)だった。

 昇侍が「ようやく復活できたのに連戦で、波に乗りたかったけれど、いきなりチャンピオンと対戦することになりました。きついけどチャンスでもある。調子はパンクラスでチャンピオンになった時くらいにいいし、練習も出来ているので、自分の成長した実力を測れる凄くいい相手だと思います」と挨拶したあと、松本は「昇侍選手が大塚と闘う時に会見で“どうして僕がDEEPに上がらないといけないんだ”と言ったようですが、絶対に許せません! 今でも根に持っています。このリングがDEEPだということを分からせてやる」と怒りを露わにした。

「そんなことを言った記憶があります。こんなところで言われるとは……気をつけます」と苦笑いした昇侍だが、「そういうのをモチベーションにして闘ってくれるので、そこは言った者として絶対に負けないようにしっかりやります」と対抗意識を燃やす。
(略)
・・・「本当に根に持っている。いつかマジでやってやろうと思っていた」と怒りが収まらない松本。

いや、ごもっともではあるし面白い挑発だとは思うが、パンクラスにはネオブラッドトーナメント準優勝を最後に参戦しなくなった松本が、パンクラスにはライト級王座を獲得後。一回も防衛せず返上、参戦しなくなった昇侍に言った言葉だと思うとまた味わいがあるなあと。

レーガン元大統領が認知症(アルツハイマー)を告白し、米国民に贈った最後のメッセージ

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20101210#p4
にて「看護助手のナナちゃん」という作品を紹介しました。その流れで、この作品の大きなテーマのひとつになっている「認知症」に関連し、レーガン元大統領がアルツハイマーを公表したメッセージがある、という話をしました。そして「これの原文が無いだろうか」という風に募集したところ、コメント欄で紹介いただきました。有難うございます。

多くを翻訳オンラインソフトと、発表当時の翻訳文の記憶に負ったのですが、なんとか訳してみることができました。以下、紹介します。
 

ロナルド・レーガンアルツハイマーを国民に公表したメッセージ。

アメリカ国民の皆さん。
私は現在、アルツハイマー病に悩まされるアメリカ人――何百万人もいます―― そのうちの一人だと告げられています。
 
私たちは、この知らせを聞き、私は妻のナンシーと、これを一私人の個人的な問題として留めておくか、あるいは公共の場にこれをニュースとして知らしめるべきかどうかを話し合いました。
 
かつて、ナンシーは乳がんに苦しみ、私もがんの手術をしました。私たちはそれを隠さず、広く開示することによって、国民のがん予防への意識を高めることができたと思います。結果として、多くの人々ががん検査をしてくれたことはたいへん幸せなことでした。彼らは初期の段階でがんを発見し、治療を受けて健康的な生活に戻ることができました。
 
ですから今回も、この問題を、あなたたちと共有することが重要だと思います。私たちがこのことを公にすることで、人々のこの問題に対する意識をいい方向に改善する可能性があると思います。おそらくそれはこの病気への理解を、その人自身やその家族、大なり小なりの関係がある人に促進してくれるのではないでしょうか。
 
現時点では、私はまだ大丈夫です。私は、神が私にそうさせようと思うことを行いながら、地上で私に与えてくれた年月の、残りの部分を生きていきます。私は、最愛の妻ナンシーと、私の家族と一緒に、人生の旅を続けます。私はそこにあるありのままの人生を楽しむために、私の友人や支持者とこれから連絡を取り合っていこうと思います。
  
残念なことに、アルツハイマー病が進行するにつれて、家族にのしかかる負担や責任は重くなっていきます。私は、ナンシーのこの苦しみをなんとか和らげることができるよう望んでいます。時が来ればあなたがたの助けを借り、彼女は信仰と勇気をもって、そんな事態に向き合ってくれるだろうと、私は確信しています。
 
最後に、私はあなたがたアメリカ人に感謝したい。あなたがたの大統領として仕事をすることができたことは私にとって、とても大きな名誉でした。主が私を御許に招いてくださるとき、私は、この国の未来に対して大いなる楽観と愛を携えながらそこへ向かうことでしょう。
 
私は今、人生の黄昏へ向けた旅に出発します。
その黄昏の向こうに、常にアメリカの明るい夜明けがあることを知りながら。
 
わが友人たちよ、ありがとうございました。そして幸いあれ。

原文
http://www.pbs.org/wgbh/amex/reagan/filmmore/reference/primary/alzheimers.html

Alzheimers Letter
My fellow Americans, I have recently been told that I am one of the millions of Americans who will be afflicted with Alzheimer's disease.

Upon learning this news, Nancy and I had to decide whether as private citizens we would keep this a private matter or whether we would make this news known in a public way.

In the past, Nancy suffered from breast cancer and I had cancer surgeries. We found through our open disclosures we were able to raise public awareness. We were happy that as a result many more people underwent testing. They were treated in early stages and able to return to normal, healthy lives.

So now we feel it is important to share it with you. In opening our hearts, we hope this might promote greater awareness of this condition. Perhaps it will encourage a clear understanding of the individuals and families who are affected by it.

At the moment, I feel just fine. I intend to live the remainder of the years God gives me on this earth doing the things I have always done. I will continue to share life's journey with my beloved Nancy and my family. I plan to enjoy the great outdoors and stay in touch with my friends and supporters.

Unfortunately, as Alzheimer's disease progresses, the family often bears a heavy burden. I only wish there was some way I could spare Nancy from this painful experience. When the time comes, I am confident that with your help she will face it with faith and courage.

In closing, let me thank you, the American people, for giving me the great honor of allowing me to serve as your president. When the Lord calls me home, whenever that may be, I will leave the greatest love for this country of ours and eternal optimism for its future.

I now begin the journey that will lead me into the sunset of my life. I know that for America there will always be a bright dawn ahead.
Thank you, my friends.

Sincerely,

かつて雄弁家としられ、また一方で不勉強や無教養を揶揄されたこともある大統領の、公に発した最後のレターである。
アメリカ国民への感謝で、レーガンの別のやり取りを思い出した。冷戦終結直後に功績をたたえられ、
「あなたは最も偉大な指導者だと言われていますよ」
と告げられたレーガンはこう答えた。
「いいえ、最も偉大な国民の、指導者でいられたのです」

…といういい話なのだが

海の向こうの島国に、いしいひさいちという男がいた(笑)
かれが当時描いた四コマ(記憶による)

1、レーガン「みなさんに告白があります」
2、「わたしはアルツハイマーを患っています」
3、記者たち「おお、なんと率直な!」「感動した!」
4、レーガン「発病は20年前(大統領在職中)でした」。記者団ずっこける。

・・・・ははは、いやいやこれが自由民主主義国の強みだ。一方で政治家は美文と格調の限りをつくして国民に訴え、風刺漫画家は機知と冷笑の限りを尽くしてそれを揶揄する。
そんな表現がつながりあって一体なのだ。
ということで、下のエントリにもちょっとつながる。

表現規制問題、大手出版社が一致してアニメフェアボイコット。その一方でナチパロディ商品が”自粛”

したそうな。
http://www.47news.jp/CN/201012/CN2010121001000801.html

アニメフェアへの参加拒否 講談社ら出版10社が声明
 
 講談社集英社小学館など漫画を刊行をする主要出版社で構成する「コミック10社会」は10日、石原慎太郎東京都知事が実行委員長を務める来年3月開催の「東京国際アニメフェア」への協力、参加を拒否するとの緊急声明を発表した。
 声明は、子どもを対象にした過激な性描写の漫画やアニメの販売を規制する都青少年健全育成条例の改正をめぐり、「石原都知事および都当局の、漫画家・アニメ制作者たちに対する敬意に欠けた姿勢に強い不信感を抱かざるを得ない」と主張。アニメフェアへの協力・参加を「断固、拒否します」としている。

テーマ以前に「行政vs有力企業の連合体のがっぷり四つの対決」ってのがなかなか珍しいなぁ、とか思ってたら、よく考えたら石原は外形標準課税で銀行と喧嘩してた(笑)。
漫画などに関心が高い層(ネット利用者はこれとかぶるから難しい)とは別の、本当に「ザ・平均」の有権者や都民がどう感じるかは正直つかみがたい。例えば海外メディア(英文が主流)は、「ノーといえる日本」時代からのISHIHARA嫌いやは多数いるし、「軍国主義の反省をしてない日本のライト・ウイング政治家にアジアが警戒」という記事や日本アニメという話題にはたしかに食いつきがいい。
その一方で「日本のマンガやANIMEにはこんなにどぎつい性表現が!!女性差別の後進性の表れデスネ」という文脈での報道にも、たいへん食いつきがいい(笑)、またそういう切り口は「マンガと縁が無い」ということで実は海外では高級紙ジャーナリズムと親和性が高いのだ(笑)。うそだと思ったらニューヨークタイムズの過去の記事(N.クリストフ記者など)みてみい。

コミックマーケットの会場について

格闘技ファンのみなさん、戦極に行くとき混むぞう、と高みの見物で脅かすだけならいいんだが、この会場では性表現のある同人誌も多数売られていて(「編集王」「げんしけん」参照)、しかも会場が半公営(都営?)だという話を、今回ネットサーフィンしてるときに見た。
次の一手で、規制派はここを会場として貸していること自体を問題視するのでは」と、そこは心配してたな。規制派はそこまで知らないし、条例の通過がまずは第一で気にしてないんだと思うけどどうなりますか。

一方で「ナチ表現」が”自粛”された。

http://www.j-cast.com/2010/12/08082975.html?p=1

「反ユダヤ」的な動きに対して厳しい抗議活動を繰り広げることで知られる米人権団体が、ディスカウントチェーン大手の「ドン・キホーテ」(東京都目黒区)に、製品の販売を取りやめるように求める文書を送っていたことが明らかになった。

矛先を向けられているのは、ナチスドイツのシンボルだとされる「かぎ十字」がプリントされたパーティー用コスチューム。人権団体側は、「かぎ十字は今でも、アジア人を含む全ての『非アーリア人』への憎しみの象徴だ」と主張。ドンキ側は指摘を受け、「社会的責任に配慮した」として、即刻回収した・・・

「くだらなく見える表現、どぎつい表現、悪に見える表現にも意味がある」という視点から今回の反対論を見るとき、私は以前のエントリにも書いたけど「差別表現」とか「宗教冒涜表現」とかとセットにして考える傾向があるので、上の記事もひとつのアレがね。規制がね。

もちろん「規制とは法律・条例でお上が決めることではない。内部の自主規制で対応できる」という議論の組み立て方をするなら、ドンキの自主撤去は逆にひとつの追い風、証拠としても扱えることは承知している。それならいいのだが。実際「ヘルシング」も「ブロッケンマン」も海外向けは「市場」によって自主規制が既にされているわけですから。


たぶん、自分が「コミケ」について知ったのが、週刊朝日に連載されていた「夏目房之介の学問」というエッセイ漫画(擬似的に学問風に装うスタイル)。で、ここで夏目氏、ドイツ人だがイスラエル人だかを「日本にはこういう漫画のマーケットがある」と会場に連れて行ったら、80年代か90年代はまだおおらかだったのかしら、軍事関係の部門?にナチスだかドイツ国防軍だかのコスプレの人がだね(笑)。
青年は目ん玉丸くして「汝、いかなる理由でこれを着るや?」とすごい勢いで質問したんだという。”糾弾”にならなかったのは幸いだった。

今はそのへんの制限、どうなっているのかしら。
検索してみた。
http://www.comi-navi.com/contents/html/archive/cosp66.htm

○著しく一般常識を逸脱したもの、不快感を誘う服装の制限
 他人に著しく不快な思いをさせる可能性のある服装は、各自の判断で自粛してください。
※他にも、極端に差別的なものを禁止する場合があります。
(略)
海外からの取材も多くなっています。中にはコミケットを理解していなかったり、誤解している所もあります。
 たとえば、現在コミケットでは「ナチス」のコスプレを禁止してはいません。しかし、世界のいくつかの国ではその制服もドイツ式敬礼も、公共の場では禁止されています。海外で放送された場合、どのようなイメージで受け取られるのか、そのことによってコミケットがどう思われるか、慎重に考えてください。例だけではなく全ての場合において、メディアで発言することが、どのような影響を及ぼすか、取材を受ける際には注意してください。

なるほど、
逆にこのへんを自主規制や自粛で乗り切っているからこそ「条例による規制」を反対できるのかもしれない。


まあ、この「ナチ表現」って、個人的には法哲学的な「表現の自由」理論を構築しようとするさいにかなりの”異物”となってしまう、正直なところ。
あまり持ち出すと戦術的に良くなかったりするのだが、まあこそりと考えてみた。

人はそれを”霞ヶ関文学”と呼ぶ・・・この叙述トリックを見よ!!

河野太郎ブログ
http://www.taro.org/2010/12/post-867.php

国土交通省の資格等のヒアリングが今日も1日続く。

「では、各実施機関への天下り人数をそれぞれ教えてください。まず、社団法人日本倉庫協会」
「はい、公務員OBの数は役員に2人、職員はゼロです」
(略)
独立行政法人国際観光振興機構

「はい、公務員OBは役員、職員ともにおりません」
天下りはいないの?」
「公務員OBは1人もおりません」
 
背筋を冷たいものが走った。彼の「公務員OB」という発音に、少しだけ、そう本当にほんの少しだけ、違和感を感じたのだ。

「ひょっとして、現役出向がいる?」
一瞬の間があいて、

「現役出向は13人、役員に1人、職員は132人中12人です」

これまで「公務員OB」などという熟語はあまり使われてこなかった。それがやけにみんな口をそろえて、「公務員OB」「公務員OB」と言っていた。つまり、OBと現役をわけて、「公務員OB」はこれこれですというように・・・

古畑任三郎だったら、大文字のところでテーマ曲が流れ始めるところだ(笑)。この叙述トリック(※厳密には違うけど)は、それで減るのが俺たちの税金じゃあなければあっぱれと褒めたいところなんだけどね(笑)。

これを「霞ヶ関文学」と呼ぶ。
詳細はこの本などに詳しい。

霞が関の逆襲

霞が関の逆襲

官邸敗北

官邸敗北

官僚との死闘七〇〇日

官僚との死闘七〇〇日