したそうな。
http://www.47news.jp/CN/201012/CN2010121001000801.html
アニメフェアへの参加拒否 講談社ら出版10社が声明
講談社、集英社、小学館など漫画を刊行をする主要出版社で構成する「コミック10社会」は10日、石原慎太郎東京都知事が実行委員長を務める来年3月開催の「東京国際アニメフェア」への協力、参加を拒否するとの緊急声明を発表した。
声明は、子どもを対象にした過激な性描写の漫画やアニメの販売を規制する都青少年健全育成条例の改正をめぐり、「石原都知事および都当局の、漫画家・アニメ制作者たちに対する敬意に欠けた姿勢に強い不信感を抱かざるを得ない」と主張。アニメフェアへの協力・参加を「断固、拒否します」としている。
テーマ以前に「行政vs有力企業の連合体のがっぷり四つの対決」ってのがなかなか珍しいなぁ、とか思ってたら、よく考えたら石原は外形標準課税で銀行と喧嘩してた(笑)。
漫画などに関心が高い層(ネット利用者はこれとかぶるから難しい)とは別の、本当に「ザ・平均」の有権者や都民がどう感じるかは正直つかみがたい。例えば海外メディア(英文が主流)は、「ノーといえる日本」時代からのISHIHARA嫌いやは多数いるし、「軍国主義の反省をしてない日本のライト・ウイング政治家にアジアが警戒」という記事や日本アニメという話題にはたしかに食いつきがいい。
その一方で「日本のマンガやANIMEにはこんなにどぎつい性表現が!!女性差別の後進性の表れデスネ」という文脈での報道にも、たいへん食いつきがいい(笑)、またそういう切り口は「マンガと縁が無い」ということで実は海外では高級紙ジャーナリズムと親和性が高いのだ(笑)。うそだと思ったらニューヨークタイムズの過去の記事(N.クリストフ記者など)みてみい。
コミックマーケットの会場について
格闘技ファンのみなさん、戦極に行くとき混むぞう、と高みの見物で脅かすだけならいいんだが、この会場では性表現のある同人誌も多数売られていて(「編集王」「げんしけん」参照)、しかも会場が半公営(都営?)だという話を、今回ネットサーフィンしてるときに見た。
「次の一手で、規制派はここを会場として貸していること自体を問題視するのでは」と、そこは心配してたな。規制派はそこまで知らないし、条例の通過がまずは第一で気にしてないんだと思うけどどうなりますか。
一方で「ナチ表現」が”自粛”された。
http://www.j-cast.com/2010/12/08082975.html?p=1
「反ユダヤ」的な動きに対して厳しい抗議活動を繰り広げることで知られる米人権団体が、ディスカウントチェーン大手の「ドン・キホーテ」(東京都目黒区)に、製品の販売を取りやめるように求める文書を送っていたことが明らかになった。
矛先を向けられているのは、ナチスドイツのシンボルだとされる「かぎ十字」がプリントされたパーティー用コスチューム。人権団体側は、「かぎ十字は今でも、アジア人を含む全ての『非アーリア人』への憎しみの象徴だ」と主張。ドンキ側は指摘を受け、「社会的責任に配慮した」として、即刻回収した・・・
「くだらなく見える表現、どぎつい表現、悪に見える表現にも意味がある」という視点から今回の反対論を見るとき、私は以前のエントリにも書いたけど「差別表現」とか「宗教冒涜表現」とかとセットにして考える傾向があるので、上の記事もひとつのアレがね。規制がね。
もちろん「規制とは法律・条例でお上が決めることではない。内部の自主規制で対応できる」という議論の組み立て方をするなら、ドンキの自主撤去は逆にひとつの追い風、証拠としても扱えることは承知している。それならいいのだが。実際「ヘルシング」も「ブロッケンマン」も海外向けは「市場」によって自主規制が既にされているわけですから。
たぶん、自分が「コミケ」について知ったのが、週刊朝日に連載されていた「夏目房之介の学問」というエッセイ漫画(擬似的に学問風に装うスタイル)。で、ここで夏目氏、ドイツ人だがイスラエル人だかを「日本にはこういう漫画のマーケットがある」と会場に連れて行ったら、80年代か90年代はまだおおらかだったのかしら、軍事関係の部門?にナチスだかドイツ国防軍だかのコスプレの人がだね(笑)。
青年は目ん玉丸くして「汝、いかなる理由でこれを着るや?」とすごい勢いで質問したんだという。”糾弾”にならなかったのは幸いだった。
今はそのへんの制限、どうなっているのかしら。
検索してみた。
http://www.comi-navi.com/contents/html/archive/cosp66.htm
○著しく一般常識を逸脱したもの、不快感を誘う服装の制限
他人に著しく不快な思いをさせる可能性のある服装は、各自の判断で自粛してください。
※他にも、極端に差別的なものを禁止する場合があります。
(略)
海外からの取材も多くなっています。中にはコミケットを理解していなかったり、誤解している所もあります。
たとえば、現在コミケットでは「ナチス」のコスプレを禁止してはいません。しかし、世界のいくつかの国ではその制服もドイツ式敬礼も、公共の場では禁止されています。海外で放送された場合、どのようなイメージで受け取られるのか、そのことによってコミケットがどう思われるか、慎重に考えてください。例だけではなく全ての場合において、メディアで発言することが、どのような影響を及ぼすか、取材を受ける際には注意してください。
なるほど、
逆にこのへんを自主規制や自粛で乗り切っているからこそ「条例による規制」を反対できるのかもしれない。
まあ、この「ナチ表現」って、個人的には法哲学的な「表現の自由」理論を構築しようとするさいにかなりの”異物”となってしまう、正直なところ。
あまり持ち出すと戦術的に良くなかったりするのだが、まあこそりと考えてみた。