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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

ミスター高橋「流血の魔術 最強の演技」にタイガー・ジェット・シンが深く感謝。その理由とは(高橋新刊より)

流血の魔術・第2幕 プロレスは誇るべきエンターテインメント

流血の魔術・第2幕 プロレスは誇るべきエンターテインメント

という本が出ています。ミスター高橋が「プロレスは勝敗もストーリーも、あらかじめ決めている」と記した往年のベストセラーにして「悪魔の書だ」「いや、救世主の書だ」と今なお評価を二分する「流血の魔術 最強の演技」。

流血の魔術 最強の演技 (講談社+α文庫)

流血の魔術 最強の演技 (講談社+α文庫)

その続編だという。
 
続編といっても、前回の本は前回で完結しているので、そこから新しい論点を付け加えるのは難しい。基本は前回の本が出た後の反響まとめと、あとは個別の試合のアイデアや実現までの具体的なデティール、エピソードの紹介であります。
・・・ただ、ここにあるエピソード、普通の読者なら面白いのかもしれないけど、個人的には氏がムックなどで小出しにしたネタを既にチェックしているから「既出だよなあ」という話が多かった。そういう点で、全体的にはまあまあだがインパクトはないなあというのが個人的な結論だけど、ひとつだけ大爆笑、大感心したエピソードがありました。
それがエントリ表題にした「タイガー・ジェット・シンの感謝」の話。

私が『流血の魔術〜』を出してから1年後ぐらいに、シンから電話があった。「ピーター(※高橋の愛称)、ありがとう」。彼は電話口で何度も言った。すでに第一線から退いていた彼は、貿易業のビジネスで来日することが多くなっており、『俺が本当の狂人じゃなく、すべてはヒールを演じていたいうことを取引先が理解してくれてね。仕事がやりやすくなった』
シンとは思い出話をした後、再会を約束して電話を切った。

いいなあ、
すごくいいなあ。
この冷え切った時代の、コンクリートジャングルに咲く一輪の花。(なんか最近、この言い回し多いな)

例えばさあ…
「いまは相談役に退いたとはいえ、この大河原権左衛門の目の黒いうちは断じて大河原グループとシン・カンパニーの取引を認めるわけにいかーん!!忘れたかこのバカ息子、あの会社の社長のシン…。きゃつはコスチュームだと言い訳して頭に巻いたターバンを、卑怯にも首を絞める道具に使っていた大悪党じゃぞ!天が許してもわしが許さーーん!!」
 

とか、まともな会社のビジネスの会議中にそういうやり取りがあるかと思うと、やっぱりプロレスって捨てたもんじゃない気がする。
でしょ?

kamiproツイキャス配信(してた)。「格闘技と生活」とか。

テーマが何かというと、なんちゅうか「プロ格闘家と生活」みたいな。

http://twitcasting.tv/kamipro_saitou#
(10月12日夜〜13日未明にかけてのもの)

というときに、若林太郎コラムを再読したい。

■シューターに求められるプロとしての了見
http://blog.livedoor.jp/ban10tyo/archives/51885360.html

 「プロ」というのは、「それを行って生活に充分な報酬を得られる人」という意味ではありません。…(略)…専門家として世の中に責任が取れる人。それこそがプロであり、そういう姿勢でなければプロとして世の中を渡っていくことなど到底できないでしょう。もちろん「食えてこそプロ」という気概を持つことは実に素晴らしい了見だと思います。しかし「食えなきゃプロじゃない」なんて主張するのは、野暮で大間抜けな素人考えでしかないのです。

そして執筆時間を浪費し、本日付もどうなるやら。まずは寝ます。起きて時間があれば。
【追記】コメント欄から

ツイキャスのエントリーとコメント欄に触発されて書いた。「総合格闘技の元ファンであった貴方に」。プロとはどういうことかについても考えてみた。
http://d.hatena.ne.jp/memo8/20101013/p1

プロの生活とか、お金とか。杉作J太郎氏がFMWや、高野拳磁とかを語る。

http://d.hatena.ne.jp/eg_2/20101012#1286891584
杉作J太郎氏はFMWのブレーンだった。そういう外部からの目が、崩壊へ進んだインディ団体のバックステージを横目で見ていたら、そりゃ興味深い半面で聞くのもつらい話になる…
映画「レスラー」も、ずっと身につまされる話になって当然だ。

J「この映画(レスラー)はマトモに見れなかったですよね。当時の事を思い出してしまって」掟「ずっと斜め向いてましたものね」J「途中から、あ、これはエンターテイメントだと割り切りましたけど」
 
J「荒井さんから、最後に”FMWの副社長になってくれ”って頼まれた事があるんですよ。でも冬木さんから”絶対に辞めろ!”って言われまして」

.J「何かでアルスノーがミックフォーリーの試合を観ながら言ってたんですよ。”ほら、こんな事をして客を沸かして喜ばしているけど、事故ったらコイツらなにもしてくれないぞ。騒いでいるけどさ。そりゃあ今日のいっぱいぐらいは奢ってくれるかもしれないけど。騙されて勘違いはしちゃダメだって”」掟「でも、そこで戻るのがランディーだと」J「あんだけみんなが”飛べ!飛べ!”って言ってたハヤブサが最後に・・・(略)

 
その逆に、高野の「プロレスラーであることは、他人に甘えていいということである」とでも割り切ったようなゆるいいい加減ぶりは、当事者以外が聞くとほんわかして楽しい。

J「ちんたら、って言えば流山でさあ、カメラスタッフも入れて試合を撮影したのに、高野はずーっと場外で寝っころがって、うんうん言ってさあ。全然試合しないの。で、リング上は松崎と荒谷さんが血まみれになって」掟「あの荒谷さんが!某団体の誘いを”練習がキツそうだからいいや”って断ったぐらいのなまくらなのに」

女子格闘技漫画「鉄風」3巻の最後に登場する、藤井恵がモデル?のキャラクターについて

ようやく3巻を購入しました。
(この作品の詳しい書評 http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100317#p1 )
そうしたところ、おや、雑誌の最新号収録の回がそのまま最新のコミックスに収録される「撮って出し」的な方法をとっている。そう望まれるほど結構人気があるのか。隔月刊の「goodアフタヌーン』掲載作品はそういう仕組みなのか。
4話でだいたい1巻になるそうで、つまり1巻分が貯まるには最低で8カ月必要。巻末には早くも「次巻は2011年夏刊行です」とある。
新刊が出ること自体が話題を再生産する漫画界の仕組みから考えるとハンデだが、なんとかさらに評価を高めてほしいものだ。2010年の「このマンガがすごい!」などに登場しないかな。

鉄風(3) (アフタヌーンKC)

鉄風(3) (アフタヌーンKC)

さて、この3巻の最後に登場する、本間三津子という選手がいる。主人公の師匠格になっている、紺谷可鈴(作中女子では最強レベル)に唯一黒星をつけ、「東の女王」可鈴選手と人気、実力を二分する「西の魔女」という設定だ。可鈴のホームが金網で、本間の本拠地となる団体はリングを使う・・・という設定や、

数年前「スマッシュガール」という大きな団体が存在していたが、諸事情により解散…。近年その流れを汲んだこの2つの団体が旗揚げされた

という歴史、あとコスチュームなどから考えるに、この選手のモデルが「メガメグ」ことフジメグなんじゃないかな、とはみんな思うはず。
で、そのキャラクター。

えー・・・。何が言いタイカと言うと、隠さずにぶっちゃけ言います。
「この作者、絵はあんまり上手くないんじゃないかしら」。
よく考えたら、まだ新人王に挑戦か、というキャリアだものねぇ。
 
自分は漫画評で絵は重視しないし、実際技術的なところをほとんどわからないんだけど、かなりの大ゴマで、雑誌では次号、単行本では来年の次巻まで引っ張るために「どやっ!?」と打ち出したんだから野球で言えば全力込めたストレートの速球のはず。
だが、率直に言ってチェンジアップくさいというか、なんか微妙さが漂うように感じました、……という、お話。

最近町山智浩氏は、ブログよりtwitterとそのまとめtogetterが面白い。

もっとも映画評論家として人気や評価が完全に定着、文章も喋りもものの見方もすべて売れる見込みがある以上、公式ブログは「〜にこれを書きました」「〜でこういうテーマを語ります」という記録集であって全然構わない。ひとりの書き手のそういうアーカイブ、目録は昔は作るのも読むのも大変だったんだから。
ただ、twitterでの発言はけっこう多くなっていて、この前読んでみたらすごく面白かったっす。(この発言だって売り物になるはずだが・・・)

紹介リスト

最近とくに、最初のURLが評判を呼んだ。これは特に、対話している人の質が高いのであります。

■『マイレージ、マイライフ』の一解釈をめぐる映画評論家町山智浩(@TomoMachi)と@my_yoursの議論
http://togetter.com/li/57753
町山智浩サマーウォーズ」映画評をめぐって
http://togetter.com/li/58643
町山智浩帰国トークライブ@ロフトプラスワン 
http://togetter.com/li/38672
■映画評論家・町山智浩の「評論」講座
http://togetter.com/li/57619
町山智浩の「借りぐらしのアリエッティ」関連ツイート【ネタバレ有り】
http://togetter.com/li/37201
町山智浩氏の映画批評論
http://togetter.com/li/11829
町山智浩さん ライムスター宇多丸さんの『ハート・ロッカー』評について
http://togetter.com/li/10527