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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

高島学がDREAM-7評を通じ「UFCは強いが、つまらない」キャンペーンに答えた(ファイライブログ)

http://www.fnlweb.com/column/2009/03/fightlifedouble_bind_and_unfin.php
当人たちが 『Fight&Lifeの略称は「FnL」で』と言っているが、響きの威厳の無さが好きなので「ファイライ」で行きます(笑)。
そのファイライブログで、高島学氏がDREAM-7について書いている。
ちなみにこのエントリにうたったタイトルは私の解釈ね。そう本人が言っているわけではない。

Fight & Life (ファイトアンドライフ) 11 2009年 03月号 [雑誌]

Fight & Life (ファイトアンドライフ) 11 2009年 03月号 [雑誌]

「こんなものでしょ」。
「さいたま向きじゃないね」。
「前田(吉朗)が勝ちなら、山本(篤)の勝ち」。

(略)

昨夜、DREAM終了後にメディアルームやインタビュースペース、

あるいは帰路につく電車のなかで、聞かれた記者仲間のDREAMの印象だ…。

と、記者たちの遠慮のない(誌面とはたぶん別の)感想をスケッチした光景から始まる。

高島氏は「悪い試合はなかった」という。

ああいう大会の雰囲気は、今の日本の総合格闘技ならでは――。
自分のなかで、フェザー級GPに凡戦はなかった。
敢えて順序をつけるなら、
ベストバウトはビビアーノ×大塚。
(略)
悪い試合があったとは思わない。


さて、日本の総合格闘技が、北米を中心とした「MMA」とは別物になっていると氏は指摘する。
それは

分かりやすくてエキサイティングな試合が、
好勝負のヒエラルキーの頂点にあり――、
その最も難しい部分をファイターに要求し、観客もそれを求めているように思える。

これまでも最高に難しいことを、日本の総合格闘技はファイターに要求してきた。
その過程で、K-1首相撲の限定や、ヒジを廃して、その世界観を確立したが、
総合はルールでなく、精神的な部分で、ファイターの自主性をもって、
終局的な真剣勝負をファイターに要求してきた。

さあここだ。「面白い試合」と「両者が迷いなく最短距離の『勝ち』を目指す試合」は両立するか、しないか。両立させるとしたら、それは選手の意識を育てることによってか、ルールのデザインによってか。
もう長年論じられ続けてきた話ではある。だが、まだその決着がつかない。
詳細は実際に飛んで、読んでいただくとしよう。

あ、最後になぜか(笑)、デビッド”ハロージャパン”ガードナー論が書かれている。そこにも要注目。

補遺 このままMMAの技術が進化すれば、関節技は消える?か

http://sadironman.seesaa.net/article/115455499.html#more
というような論考が一番有名なスポーツ雑誌「スポーツイラストレーテッド」に載り、bloody elbowがそれに反論したそうな。
船木誠勝が「野獣の時代」と呼び、佐山聡掣圏道で理論化?したことが実現するか。

以前、「野球から四割打者が滅んだのは、ダーウィン進化論に即した必然」という話を紹介した。
さびしいし、そうでないことを望むが、「MMAが進化すれば関節技はなくなる」という命題は心にとどめておいてほしい。
そして「格闘技を面白くするには『路上の現実』のシミュレーションから遠く離れても、ルールをデザインしていくしかない」というもうひとつの命題(前田日明理論?)の是非は。


※厳密には関節技が滅ぶ話とはちょっと違うんだが、四割打者と進化論については
■記録とダーウィン進化論
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20060328#p2

【その他関連】
MMAの「最適解」が試合をつまらなくする?高阪剛が、不吉な予言(kamipro
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20090112#p2
■「UFCは最高峰かもしれないが面白くない」キャンペーンが始まる。まぁ、ひとくち乗ってもいいよ
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20090223#p2

シャーロック・ホームズと柔道(バリツ)とそのへんの事柄のための資料

ゴン格の柳澤健夢枕獏対談から

GONG(ゴング)格闘技2009年4月号

GONG(ゴング)格闘技2009年4月号

柳澤 「イギリスで谷幸雄の名前がすごく広まったのは1900年代初頭。そしてホームスやルパンにも「バリツ」や「柔術」が出てくるのは1903年あたりです。」


夢枕 「ルパンは1900年代にガニマール警部に、今でいう立ち間接を極めているんだよね。この前の年の1889年に嘉納治五郎がパリ万博に行ってるから、治五郎から教わったことにすればいい。」


柳澤 「ガニマール警部がルパンを逮捕しようとすると、ルパンはあっという間に画にマールを組み伏せる。『僕は柔道を習っているからさ』とルパンは笑った、と日本語訳には書いてあるんですけど、実は原文のフランス語では『ジュウジュツ』なんですね。ところが前田光世アメリカからロンドンにやってくるのが1907年。ホームズやルパンに前田が影響を与えたはずがない。要するに前田以前に、天神真揚流の柔術家・谷幸雄がいたということです」

嘉納治五郎が1889年に来ているのはありがたい。
実はホームズが、現役の探偵として活動した期間ってけっこう短くて、働き盛りの年齢でサセックスの田舎に隠棲してしまうのです、すぐに。


1889年のエクストラオーディナリー(普通じゃない)・ジェントルメンたち ※記憶の範囲、書きかけ
■ホームズ…「四つの署名」「ボヘミアの醜聞」事件解決の翌年。ワトソンは結婚でベイカー街を出て行ったばかり。
切り裂きジャック…殺人事件でロンドンを恐怖のどん底に落としている最中。
ジョナサン・ジョースターディオ・ブランドー…2月にジョジョは死亡、ディオは初代ジョジョの死体をのっとって、棺おけの中で海底に雌伏。
■日本では大日本帝国憲法の発布でお祭り騒ぎ。維新時代の大物としては勝海舟徳川慶喜斎藤一らが存命。山岡鉄舟死去。
南方熊楠アメリカで酒を飲みながら(笑)苦学中。まだ世に出ていない。
■エマとウィリアムは知り合ったのが1890年代だそうで、まだお互いを知りもしない(笑)
■チャレンジャー教授はま何やっているんだろうね?あの話って年代特定できたかな?まだ行く前で、絶賛学会で孤立中か。
アドルフ・ヒトラー4月に生誕。アラビアのロレンスも同い年。
■ネモ船長は1869年に死んでいるとの作品設定もあるがそれと矛盾する記述もあり、生存説に立つならだいたい、還暦を迎えているころ。
■1883年に死んだマルクスの著書が友人エンゲルスによって二巻刊行され、この時期は三巻の発行に向け準備中。
■一説(「ドラキュラ紀元」)にはドラキュラ伯爵が英国に来たのは1885年。
夏目漱石正岡子規、知り合う。秋山真之はその数年前、経済的事情から式と別れ当時は海軍兵学校で勉強中。成績トップクラスの学生として頭角を現す。
ケマル・パシャ8歳。北一輝6歳。フランク・ゴッチ11歳。
ラスプーチン18歳?まだ素朴な農民。宮崎滔天も同い年。
緋村剣心(緋村抜刀斎)40歳。子供もいて、切った相手のことは忘れ楽しく暮らしている(笑)
加藤保憲…はもうこの時代には陸軍にもぐりこんでいたかな?
■スリの大親分「仕立屋銀次」26歳。



・・・・ほんのちょっとの話題にするつもりだったのに、ついつい長引いてしまった。当たり前だがフィクションの年代はきっちり決めているほうが珍しい。途中にほんのちょっと触れられていたり、実際の事件と断片的に絡むことで分かるパターンも多いし、それを緻密に検証すると矛盾が出るのもデフォルトだ(笑)。
ここにドリトル先生をぜひ入れたかったのだが、作品中の年代はネットでは分からなかった。確実に記述があるんだが(「航海期」で、書き手のスタビンズ助手の家で先生が笛を吹いたことを記念する碑がたっており、そこに年号が刻まれている)
書いているうちにどんどん格闘技から離れたことは自分でも分かっているが(笑)、まあいろいろ足したり引いたりすればお話も作れるだろう。山田風太郎を読んでいればもっと足せる人材もいるだろうが。

紙屋研究所で佐々木倫子「チャンネルはそのまま!」を紹介

紙屋研究所」といえばあらためyて紹介するまでもない有名漫画評サイトなのだが、
http://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/menu.html
ここ最近は、一応平均以上に漫画を読んでいるはずの当方も、証明すら知らないような作品が続いていたが、今回ひさびさに、書名を知っているような作品が扱われた。


■企業にとってのバカ 佐々木倫子『チャンネルはそのまま!』1巻
http://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/channnel-wa-sonomama.html
みごとみごとな紹介なので、付け加えることもないかしら。

北海道☆(ホシ)テレビというローカル局に、本人には知らされていないが、内々に「バカ枠」という枠で採用されたのが主人公の雪丸花子である。
(略)
……佐々木が取材した素材を料理する力はハンパない。
 テレビ局、とくにその報道現場での「慣習」や現場ルールというものは、それを紹介されるだけでも十分に面白い素材である。たとえば、第6話「噂をすればトカゲ」には事件の話題になった人の「写真」を集める話が出てくるのだが、その画像には、画像の状況によって価値のランクがあるのだという。集合写真<スナップ写真、古い<新しい、といったものだ。
 それだけ聞いてもなかなか楽しいまめ知識なのだが、佐々木はそれを使って最も価値の高い画像を集める「ゲーム」のような話にまで仕上げている。取材した素材を素材のままで終わらせず…(略)


ひとつだけ蛇足をするなら、この「バカ枠採用」は実際に文芸春秋社でその存在が確認されている。名物編集者某や、某某もそれで入ったとか入ってないとか。(といいつつ、これも伝説かも知れない)

チャンネルはそのまま! 1―HHTV北海道★テレビ (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

チャンネルはそのまま! 1―HHTV北海道★テレビ (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)



ちょっとあとで別に紹介したいが、かなりの旧作を新装版発行を契機に紹介した、この書評もいい。
http://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/yosegeininden.html

寄席芸人伝 (1) (小学館叢書)

寄席芸人伝 (1) (小学館叢書)

「寺田ヒロオとトキワ荘」完成しました&ケロロ軍曹で質問

昨日の夜、書きかけだったトキワ荘寺田ヒロオについての文章を完成しました。
読みのこしの方はどうぞ。


■映画「トキワ荘の青春」と寺田ヒロオと青春の明暗
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20090311#p4


それに関係した話ですが「ケロロ軍曹」ってまだ、かなり長くテレビアニメのほうもやっているよね?
私がこのブログで紹介した、トキワ荘をパロディにしたこのエピソード
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080118#p6

って、すでにアニメ化されているかしら?
ケロロ軍曹はCSで再放送されることが多いので、もしこの話がアニメ化されているなら見てみたいものなんだが。

”不死身の大佐”カーネル・サンダース、下半身と右手も見つかる

いつものメール情報提供者より

おととい発見された上半身と合体させ、右手も付けて…。

バッファローマンにバラバラにされたミートくんの体を元通りにする「7人の悪魔超人編」を思い出しました。

ばかやろう。

それから、24年ぶりに帰ってきたカーネル人形の変わり果てた姿を見て、「現代の即身仏」というフレーズも浮かびました。

阪神日本一を祈願した人が出羽三山にこもり、何十年かぶりに発見された、というストーリーが、自分の頭の中ででっち上げられていきました。


ほりのぶゆき氏も、きっと後で読み切りマンガ描くことでしょう。

ほりのぶゆきにだれも話を聞かないのは確かにおかしい。

そういえばデイリースポーツがだいぶはじけたとかなんとか。
ああ、その日の新聞買えばよかったなあ。