もちろん、仮にシリアでアサド政権が崩壊しても(したればこそ)混乱は続くだろうけど、それとは別に。
米国が犯す「失敗の本質」 シリア武力介入に法的根拠なし
田岡俊次:軍事ジャーナリスト
予測・分析
田岡俊次の戦略目からウロコ
2013.9.5 0:00 会員限定
オバマ米大統領がシリアに対する限定攻撃の承認を米議会に求める声明を出した。さすがに秀才。難しい決断の責任を、議会に負わせる妙手だ。だが、米国は巨大な情報収集機構を持ちながら、過去何回も誤った判断を繰り返してきた。本当の問題は、大統領と側近の国家安全保障会議(NSC)が出す情報要求に応じて情報を上にあげるため、政府首脳部の思い込みを助長しがちな「制度」にある。シリア内戦のこれまでの経過
オバマ米大統領は8月31日、シリアに対する限定攻撃の承認を米議会に求める声明を出した。米議会は休会開けの9月9日以降に採決の予定だ。シリア内戦で政府側が化学兵器を使用すれば「Red Line(越えてはならない線)を越える」と言明してきたオバマ大統領は、攻撃しなければ国内タカ派から「米国の威信を失わせた」と非難され、一方攻撃してもシリアのアサド政権が倒れる見通しはなく「無益な戦争を始め失敗した」との汚名を着せられる、という窮地に立った。この「王手飛車」状態から脱出するには議会に下駄をあずけるのが巧妙な策だ。議会が大統領の出した動議を否決すれば大統領の威信は若干傷つくが、自分1人で「攻撃しない」と決めた場合に受ける非難、「攻撃せよ」と命じて失敗した場合の責任追及にくらべれば致命傷ではない。どちらに転んでも「これは議会がお決めになったこと」と言えば本人は軽傷ですむ。さすがは大秀才。ピンチの中、土俵際でくるりと体をかわし、議会に責任を負わせる妙手には感嘆の外ない。
シリアは人口2100万人余、1人当りGDPは約2700ドルでアラブ世界では貧しい方に属する国だが、石油も年2000万キロリットル(カタールの約4割)程度出て半分近くは輸出している。シリアは長くオスマン・トルコ帝国に属したが、第1次大戦でドイツ側についたトルコは敗戦国となり帝国は崩壊、シリアはフランスの委任統治領となったが、第2次大戦後独立した。1970年に空軍司令官だったハーフィズ・アル・アサドがクーデターで政権を握り、彼が2000年に死去した後は眼科医だった次男バッシャール・アル・アサドが大統領になり、すでに43年間アサド家の独裁が続いている。
アサド家はイスラム教シーア派の分派アラウィ派に属し、同派はシリア人口の12%、スンニ派が70%だから、少数派が多数派の上に君臨する形だ。2代目のバッシャール・アル・アサド(47歳)は少年時代は温厚な優等生で、ダマスカス大学医学部を出て、ロンドンの眼科病院で研修中、1994年に長兄が交通事故で死亡したため、急きょ呼び返され父の後継者となる教育のために軍に入り、父の死後34歳で大統領に就任した。ロンドンで知り合ったモデル並みの美人の妻アスマー(現在37歳)はシリア系英国人(父は心臓外科医)で、ロンドン大学キングス・カレッジ卒の才女。スンニ派であったためその結婚は両派の和解を示すものとして人気を博した。2代目アサド大統領は改革開明派で、国内では腐敗との戦いを進め、西欧諸国、近隣諸国との関係改善にも一時は相当成功した。
週間金曜日 2018.4.20 田岡俊次 「(米国の対シリアミサイル攻撃の、口実にされた『アサド大統領の化学兵器使用』への疑義) 2013年にもシリアで数回化学兵器が使われ、政府側と反政府側は互いに相手が使っと非難。シリア政府は国連に調査団派遣を要請した。調査団は8月18日にダマスカスに到着し →
— 星屑鎮魂歌 (@gama340ignite) May 6, 2018
→ 調査を開始しようとした矢先の21日未明に今回と同じ東グータ地区で大量の化学兵器が使われ、3600人が入院、355人が死亡する惨事となった。米国は『シリア政府の化学兵器攻撃』と決めつけたが、政府が派遣を求めた国連調査団が来た際、その目の前で政府軍が科学兵器を使うのはあまりに不合理だ」→
— 星屑鎮魂歌 (@gama340ignite) 2018年5月6日
→ ちゃんと冷静にニュースを読み解かないいけないですね。アサド大統領がニュース映像に登場する際は「冷酷な指導者」的な映像が多いと思う。こういうのも、米国の“フェイクニュース”起点によるものかもしれない。
— 星屑鎮魂歌 (@gama340ignite) 2018年5月6日
シリアで『化学兵器が使われた』として、国連に調査を求めたのは反体制派ではない。アサド政権側が求めた。8月18日に国連の調査派遣団がシリア入りした直後、21日に化学兵器被害が発生した。自分達が呼んでおき乍ら、政府軍が化学兵器を使うのは極めて不自然、非合理です。(田岡俊次、ゲンダイ)
— Maverick (@silksharpness) October 6, 2013
https://t.co/IOaOm1wOfE@shamilsh 常岡さん、@BUNKUROI 黒井さん、オールド左翼達がまた田岡俊次のデマに騙されてアサド擁護してます!
— オレクサンドル🇯🇵🇺🇦🇬🇪 (@alexandros2206) April 19, 2023
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田岡俊次氏 軍事評論家 デモクラTV
— 反貧困格差·反緊縮🐾 (@siro_nagasu) October 3, 2015
シリアで反乱を起こしたのは反政府軍
アサドはヨーロッパで医者をしていて民主的だった
それにイスラエルが脅威してアメリカが引っ張り込まれた。
日刊ゲンダイ|IS壊滅目指す米仏 「アサド政権打倒」棚上げで早くも大失態https://t.co/E5dJwTlDsR
— rima (@rima_momo510) November 19, 2015
田岡俊次氏「そもそも、米仏がアサド政権打倒を目指したことが、今日の事態の混乱を招いたのです」