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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

ノイエ銀英伝、決戦前の”やや日常回”。42話からユリアンが旅立つ44話まで。ヤンが国家と戦争を語る場面も。

英伝日常回42-44話


秀逸な感想イラスト投稿者がいるので埋め込ませてもらおう。

第42話 銀河帝国正統政府

ケンプ率いる帝国軍との戦闘に勝利して以降、平穏な時間が続いていたイゼルローン要塞。風邪で寝込んでいたヤンは、回復後も怠惰な生活を続け、執筆した論文はユリアンが呆れるほどに精彩を欠く内容だった。そんな中、最高評議会議長トリューニヒトによる重大な緊急演説が行われ、全将兵が見るようにという通達が届く。モニターに映し出されたトリューニヒトは、銀河帝国皇帝エルウィン・ヨーゼフ二世の亡命を受け入れたことを発表した。


第43話 宣戦布告

銀河帝国皇帝エルウィン・ヨーゼフ二世の亡命を受け入れて、亡命政府である銀河帝国正統政府の樹立を認めたことを発表した自由惑星同盟政府に向けて、ラインハルトは事実上の宣戦布告を行った。その演説を見た最高評議会委員たちは大混乱するが、議長のトリューニヒトは、なぜか悠然としている。また、政府の判断を巡っては国民の意見も二分され、街中やメディアなど、さまざまな場所で議論が巻き起こっていた。




第44話 旅立ち

最高権力者ラインハルトの善政による改⾰が国⺠からも⽀持されている銀河帝国と、不敗の魔術師ヤンらの活躍も空しく、政府の腐敗による国力低下が著しい自由惑星同盟。 両国間の勢力バランスに大きな変化が生じる中、第三の勢力フェザーン自治領主ルビンスキーは、自由惑星同盟を見限り、大きな陰謀をめぐらせていた。 ラインハルトは、幼い銀河帝国皇帝の誘拐と自由惑星同盟への亡命というその企みを知りながらも、自身の野望のため利用しようと考える。ヤンも同盟に最大の危機が迫りつつあることは予感していたが……。 そんな中、正式な軍人になったユリアンフェザーン駐在武官に任命する命令が届く。


ストーリーの大筋はこう展開するのだから日常回どころでは本来ないのだけど、それでも42話の冒頭で「イゼルローン要塞は惰眠をむさぼっていた」とナレーションで語る、直接の戦闘が無い数話だ。


今さらゆうまでも無い話だが、銀英伝は本伝のほか「外伝」があり、ラインハルトの前日譚なども描かれているが、ユリアン・ミンツがイゼルローン時代に日記を書いていた、という体で後年のヤン・イレギュラーズの横顔を描いた一冊があり、人気も高い。

アムリッツァ星域会戦の後、ユリアンはヤンに同行してイゼルローン要塞に引越した。個性豊かな同盟軍の面々と過ごす日常の裏で、宇宙は緊迫の度合いを高めていく……。同盟視線で贈る外伝第二弾。

ただ、外伝であるから、これは正面からはアニメ化されてない…よね?今回も、ここからは映像化されたのは…なかったかな、どうだっけ。



ただ、作者・田中芳樹氏もやはりこのイゼルローンの諸氏の、平和的な場面での「横顔」を書く時は非常に筆が乗っている。そもそも、このへんは「疑似的な学園もの」の様相が強く、銀英伝の人気の大きな部分は、ここに発する部分もある筈だ。



そして、いろいろあって、自由惑星同盟の本国から(トリューニヒト一派の策謀で?)ユリアン・ミンツを中立自治フェザーンに派遣せよ、という命令が下る。
それを受けて感情的に反発、動揺するユリアンと、ヤンとの対話(44話冒頭です)は”家族”への情愛と、ヤンの語る政治文明論(それが単体の論としてどう評すべきかとは別。ドラマの中での”小道具”としては満点だろう)は、ヤンの視野の深さや、ヤンからユリアンに「戦略眼」が伝授されたことを示す名場面である。
ちなみにあのヤン提督の国家を論じた思想、中国で配信されている時はどんな内容になっているのか気になるところだ(あんがいストレートにOKだったりするかもしれんが)


そして、ユリアンが赴任前にイゼルローンの愉快な面々にあいさつ回りをした時のそれぞれのリアクションが、個性を上手く一瞬でスケッチして、まさに原作でも「筆のノリ」が最高潮に近くなった箇所である。

ところが!当然アニメは放送時間が30分弱。原作のどこを描写し、どこを省略するかが演出家もつらいところだ。

これを例の昭和版(石黒版)と比較して視聴した御仁がいるのだが、ムライ参謀の台詞にも、ちょっと異同(省略)があったそうである。


このムライの「引き立て役」発言と、それをユリアンに語って…「君にはこういう話をさせたくなる、そんな個性がある」というこのくだりは、
作劇としてはちょっと驚くほどスゴイ出来で、
この時の会話を、本当に「キャラクターを立てる」とか、そういう観点から分析すると、10も20も参考になるものがあるんじゃないか。
言語化は難しいので略す(笑))





なんにせよ、この44話は…銀英伝アニメシリーズは昭和も令和も大長編なので、ぜんぶ視聴せよとはなかなか勧めにくい。
そこで、話が見えないことは承知の上で、一話お試しで見るなら、この44話の個所「ユリアンがイゼルローンとヤン・ウェンリーの元を離れて、フェザーンに旅立つ前」のところは薦められるんじゃないだろうか?
と思って、この記事を書いている次第だ。



それは、TVerやabemaTVで、いまのところ無料配信中だから、でもある。火曜だか水曜までだったかな

TVer
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abemaTV
https://abema.tv/video/episode/30-13_s4_p44







ノイエ銀英伝感想イラスト(TOM氏)