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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「道楽で好きな本だけ売る古本屋」やってみたいけど「メルカリ」使えば似たことできるな…(はてな匿名ダイアリーから)

8月にある「はてな匿名ダイアリー」を読んだ後、時間がある時に感想書きたいと思った話があるので今書こう。

87 ブクマだから、プチ話題になった、と言えるよね。かなり多めに引用する

SF小説を売っている [はてなブックマークで表示]

(略)

これまでの自分の人生を振り替えると、他人に誇れるような趣味はSFぐらいで、学生の頃からSFを熟読してきた。文字から広がり浮かび上がるセンスオブワンダーの世界に幾度となく心が躍り、退屈で平凡な日常をいつも鮮やかに彩ってくれたのはSFの名作の数々だった。

そうだ。自分に出来るのは、この素晴らしい世界をより広めることかもしれない。酔っぱらいが半ば夢想状態で考えたことは翌日にも覚えていて、だから実行することにした。

私は自分が好きだったSF小説、影響を受けたSF小説、名作であると思っているSF小説Amazonで次々に購入し、週末に近場で行われるフリーマーケットに申し込んだ。

フリーマーケットを見に行ったことは当然あるものの出店側となるのは記憶に乏しく、そのためフリーマーケットの日が近づくと私は緊張し、前日の夜などはドキドキしてなかなか眠れないほどだった。

当日は幸いにも晴天で、私はこの日のために用意したSF小説を売りに出した。

どの小説も一冊200円で、中には価値を知る人が見れば驚愕するような作品も混じっている。当然、儲けは度外視だ。そんなものはどうでもいい。私は、良いSFをただ多くの人に読んでほしい、知ってほしいと思い、出店しているのだから。

初日は思いの外よく売れた。自分にとって思い入れの深い作品が売れると非常に嬉しく、小学生ほどの男の子が『幼年期の終わり』を興味を示して買っていったときには何やらとても感慨深い思いになった。あのワクワクしている表情、あれは子供の頃の自分を見ているような、そんな気がしたのかもしれない。その日の晩酌は、いつもと少し違って感じられた。気づけば自然と笑っているような。そんな心地の良い酩酊感があった。久しく忘れていた感情のような、暖かいものを感じられたんだ。

今もこの活動を続けている。

私は、これといって世に何かを遺すことは出来なかったかもしれないが、少しでもSFに恩返しをしたい。だから私は、今後もこの活動を続けていこうと思っている。
anond.hatelabo.jp

ブクマコメント
b.hatena.ne.jp



言わんとすることはとてもよくわかる。オタクの行動としてよく「布教」という行為が観測されるが(笑)、自分の勧める本や映画、音楽などのコンテンツ、それを他人に知ってもらい、それを実際に買ってもらえると、とても嬉しい。
かつて格闘家のドミネーター弥益が、ジムなどで格闘技を若者に教えたり、ファンにメッセージを伝えることを「文化的遺伝子を残す」という言い方をしたが、まさにそうだろう。

だいたいこのブログも、かなりの割合が本や漫画作品、放送番組の紹介=押し付けな部分がある(笑)

だから、
「好きな本だけを選んで売る。採算は度外視。自分の好きな本を誰かが買ってくれると嬉しい」

という、上の増田のコンセプトはすっごくよくわかる。

こういう理想をまとめると…以前からだが、こんな商売をしてみたい、と思ってた。

理想の古本屋


ぶっちゃけ、これは評論家の浅羽通明氏がやっている「ふるほんどらねこ堂」に近いっちゃ近い。いや、どれぐらい生計に直結してるのかはしらんけど、品ぞろえ的にはどう見ても、評論家・浅羽通明の選択眼や美意識にそって書籍が並んでいる。かつての自分の蔵書も少し入ってるのかな?
そして、こういうふうにその商品を語って(書いて)、そこに付加価値をつけて、好きな人間に売る。その商品紹介が、文化的な活動である。

https://x.com/Doranekodo



m-dojo.hatenadiary.com


だが
しかし。


本当に古本屋をやろうとするとーーー

・まず古物商の免許とらなあかん。けっこうめんどくさい。たぶん前科があったりするとまずい。オーストラリアへの入国とか野村證券への入社とかとは違うのだ(笑)
・器…書店のスペースがなきゃいかん。自宅を改装?それでもいいが改装費はかかるし、見知らぬ人々を多数招くしごと、コミュ障にできるかい?
・棚の商品は「在庫」になる…んだろうね。さすがに「マルサの2」でのお肉屋さんのコロッケのように、自家消費(その本を読む)に税金はかからんだろうけど、在庫だと税金がどうのこうの…じゃなかったかな?

冒頭、まだ税務署員だった(税務署と国税局…どちらも税に関する機関と思ったら大間違い)宮本信子が、商店街にある小さな食料品店の帳簿を調べるシーンがある。自分の店だからといって勝手に売れ残りのコロッケを食卓に乗せてはならないのだ…と初めて知った。ナルホド、確かに仕入れはちゃんと帳簿に付けているんだから、当たり前と言えば当たり前…。自分で会社やお店をやっている人にとっては笑うに笑えないところだろう。

マルサの女 監督 伊丹十三特集


まあ、そんなこんなで実際に古本屋をするのは夢、「大人のおとぎばなし」だが無理がある・・・・増田が「フリーマーケット」を舞台にするのは正しい。



だが!!
ここで思い付く。世の中には「メルカリ」がある!!
jp.mercari.com


https://jp.mercari.com/search?search_condition_id=1cx0zHGNpZB03Mg


何ともたくさんあるが、ほとんどは不要な本を、捨てるよりはマシで値段がつけばいいな、のたぐいだろう。


だが!!ここで!!!

・好きな本だけをずらりと並べる。
・普及のために赤字でもよし、の安値を増田の様につけるもよし。
・逆に陳列して自慢したいとか、半分は蔵書、売れても売れなくてもいいや…、のつもりで、1冊5000円とか1万円とかの値をつけるのもありだろう。時々「えっ、ほんとにこの本をXX万円で買っちゃうの?」の人もいるだろう。
・逆に…ブックオフでさ「俺の大好きなこの本の全巻ぞろえが、110円なのはおかしい!本当の価値をわかってない!」とか言って家にあるのに買っちゃうことないですか(笑)
・これからは大手を振って、そういうのを買って「仕入れ」ればいいんです。それを1冊300円で売値を付けて出品しても、客観的にはセドリだけど(笑)、道徳的にはゆるされるでしょ。
・解説文は自分で自由につけられるから、そこに愛を込めて、めちゃくちゃ饒舌に書くこともできる。「密室トリックで世界最高峰といえるのは、誰が何と言おうとこのD・カーの…」「この巻ではキルヒアイス様が…いや内容は言えないけどとにかく買って!」とか。
・そういう熱量の結果、本が売れれば、まさに充実感。はたらいて笑おうです。



・・・・・・・うん、悪くないね。
メルカリってサブアカウントとかできるのかな?そのへんは分からない。

こういう形式なら、本に限らない、プラモでもCDでも手芸品でもよかろうよ。
『好きな商品だけを紹介し、売る。売れれば、自分の「好きな物」を広めることができたと実感できる』という増田のコラムから、そんなメルカリの利用法を考えた次第です。
(了)