INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

朝倉未来vs平本蓮に関する雑感。国歌独唱も含め

経緯を書くの、だりーんで、新聞記事リンク

www.nikkansports.com
手越さんには『自分の大好きな格闘技、注目の一戦に花を添えられるのであれば、是非』という思いで引き受けていただいにもかかわらず、ご不快な思い、悲しい思いをさせてしまったことを深くお詫び申し上げます。もちろん、手越さんご本人だけでなく、手越さんのファンの方々も傷つけてしまったことは、もちろん我々の本意ではありませんが、深くお詫び申し上げます。このような状況を受けて、我々は手越さん側とも急遽話し合いをもち、どのようにすべきかを検討をいたしました。手越さんからは『あくまで試合や選手が主役。ボクは少しでもそれを盛り上げられればという思いで引き受けた。しかし、それが望まれていないのであれば今回の国歌独唱は辞退させてほしい』というお話をいただきました。本来であれば、今回の国歌独唱をはじめ、試合周辺のプロモーションや盛り上げは選手ではなく弊社の判断で決めることという認識ではありますが、現状においてここまでのネガティブな様相になってしまったにもかかわらず、手越さんや手越さんのファンに悲しいを思いをさせてしまったことを押し通して、これを完遂するという判断には至りませんでした。本試合における国歌独唱は取りやめさせていただければと思います。弊社の選手管理や本件の進め方に落ち度があったことで、手越さんにこのような思いをさせてしまったことを深くお詫び申し上げる次第です。また手越さんからは『それでも朝倉未未来選手と平本蓮選手の試合は、変わらず注目をしているし、二人には最高の試合をしてほしいと思っています』と、寛大なお言葉をいただきました。手越さんへの誹謗中傷やヘイトはおやめください。


www.sanspo.com


とりあえず手越さんという方、芸能界に無知な当方は存じ上げないのだけど、格闘技ファンがにぎやかしで一枚かんでもらうのは費用対効果はあれ、なんでも歓迎なんでご災難でしたな。
PRIDEの怪人とか、ごぼうの党とか、有象無象に魑魅魍魎の関わる百鬼夜行だった世界なのに。
もういっそ岡田准一のもとで柔術やっちゃえよ。


ただ!
「国歌斉唱は余計だし集中力を削ぐので無くしてほしい」というのが「選手側の本音」として出てきたのは貴重なものだと思う。

じつーは時々、愛国心ナショナリズムを問う論争の中で、スポーツ選手の国歌斉唱、国歌演奏の時の態度が俎上にあがることがあった。
多くは「XXX国の代表やら選手は胸に手を当てて神妙に聞いているのに(主に日本の)○○選手は国歌演奏の際に小刻みに体を揺らしてUPしてる、シャドーしてる。けしからん」といった感じ。
日本選手が負けた時は「だから負けたんだ」と決めつけられたりね。


だが、ぶっちゃけスポーツはリアリズムであって、その際に「集中力を切らしたくないから拒否」とか「シャドーボクシングしていたほうが有利」ならそうしたほうがいい、という本音もあるだろうよ。
徳川慶喜を描いた「最後の将軍」だったかな、蛤御門の変の時、慶喜は甲冑姿で禁裏に乗り込んで咎められたが「陣中には、陣中の作法があるわ!」と一喝した、という場面があった。

その種のことは発生するもので、たとえば国歌斉唱でも黙祷でも、カメラマンはそのマナーを守る必要はない。守ったらその場面は撮れない。


みたいな。
で、これは国歌についての話だから、逆に反ナショナリズムの人たちはこれを後押し、賛同するかもしれないけど、たとえばサッカーなどにある、子供と手をつないで入場して…みたいなものだって、「集中の妨げだ、不要だ」という選手はいるかもしれない。

演芸で、ちょっと似た事例があったな。主催者が落語の会に手話通訳を付けようとしたら、それはこちらが集中できず芸の妨げになる、と拒否したって一件。

…落語家の三笑亭夢之助さんが九月十七日、島根県安来市民会館で落語中、舞台上で手話通訳していた三人に「気が散る」と発言し、抗議を受けて謝罪していたことが三十一日、分かった。

 安来市によると、市主催の講演会で夢之助さんに落語を依頼。聴覚障害者三人を含む約二百五十人が来場した。

 夢之助さんは開始後間もなくして通訳者に「落語は手話に変えられるものではない。手話の方がいると気が散る」などと発言。会場からは苦笑が起こった。通訳者はその後舞台から降り、手話通訳を続けた。


http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1049608.html
m-dojo.hatenadiary.com


格闘技に集中するために国歌独唱は嫌だ、というのと、落語に集中するために手話通訳は嫌だ、というのはそうそうかわらない。




しかしそれを加味しても「国歌独唱」が試合前にあるのは大きな試合だという箔付け、権威付けなわけで、それを選手側から「不要」というのは、なかなか例がなく、どちらも既存権威を仰がないアウトローというキャラだからこそ、だろう。
オリンピック選手が「勝てばそれでいいんで、表彰式とか出たくないし、国歌が流れるのだるいです」とか言ったら大騒ぎだろうしね。




ほか、雑感

・勝敗予想は、ざっくり粗く、朝倉未来だろうと予想。それは萩原京平戦がそうだったように、結局ストライカー同士で中途半端に寝技の技術がある人間が判定で有利になるぐらいのポジションは取れるだろうと思うから。
つまり強引にテイクダウンすると。
平本はドミネーター弥益、斎藤らを相手にテイクダウンを綺麗には決めさせなかったじゃないか、というだろうけど、瞬間的なパワー、筋量という点では両者より上だろうし、実はテイクダウンの技術よりそのパワーの方が重要。


・ただ、どっちが勝っても、いま上にいて挑戦権を待つ連中、いわばクレベル・コイケやケラモフに勝者が勝てるか?といえばいやあ…だよね。ケラモフは本国での不祥事からこっちに戻ってくるのかわからないけど。
そうこうしてるうちにコロナ禍以降に入ってきた「フェザー級新外国人強豪」に挟み撃ちされるだろうさ。



・けっきょく、この試合は「人気者対決」であり、それでいいじゃないか、と思うんだな。
それは大変すばらしいことだし、人気者になるのも並々ならぬ努力がいるのだ。ただ「LASTMANSTANDING」ベルトというのは、むしろ二人が「勝ったからといってRIZINのトップにダイレクトで行ける試合ではない、人気者が対決するからスペシャルというだけだ」ということに逆に注目させてしまった、悪手だろうと思いました。

KAMINOGE110

KAMINOGE110

  • 株式会社玄文社
Amazon