漫画『小悪魔教師サイコ』の作画を担当する・合田蛍冬さんが、同漫画を出版する「ぶんか社」に対して3円の賠償を求める訴訟を提起したことが分かりました。同漫画は電子書籍プラットフォーム「ピッコマ」の年間人気ランキングで3位にランクインするなどの人気作ですが、同時期に別の出版社から同一原作を使った同一タイトルの漫画が出版され、トラブルが発生していました。
nlab.itmedia.co.jp
同一原作の複数漫画についてはアルスラーン戦記とか電車男とか、自分も語りたいことがあるし、法律論議も面白いのだけど、小悪魔教師サイコなる作品は、まあnot for me漫画だろうと思うのでそっちは任せて……
この機に、いつか語ろう（質問しよう）と思ってた話をする。
といっても、自分が思いついた問いではない。以下のツイートをご覧あれ
男を誘惑する小娘を「小悪魔」と表現するようになったのはいつからなんだろう。１９１９年のサイレント映画で『可愛い小悪魔』というのがあるので、相当昔からあるのだろうとは思うが。あと本当に小さくて可愛い悪魔ってこんな感じだよな。 pic.twitter.com/cRDSLacF7j
— ワッシュ（鷲羽大介） (@washburn1975) May 27, 2023
残念ながら最近は更新頻度が減少しているが「男の魂に火をつけろ！」ブログの中の人。
washburn1975.hatenablog.com
たしかに。
「小悪魔」は小さい頃読んだ「イワンの馬鹿」を思い出すもんなぁ。小悪魔というには、イワンの兄さんを一国の王にまで出世させてから、その国を滅ぼすようなスケールの大きい姦計も行ったけど、ただ確かに卑小でもあり古い時代の「小悪魔」感が出ていた。
ただ！青空文庫では「小悪魔（しょうあくま）」とルビがふってあった！！
ところが、それを年よった悪魔が見ていました。悪魔は、兄弟たちが財産の分け方でけんかをするだろうと思っていたのに、べつにいさかいもなく、仲良く別れて行ったので大へん腹を立てて、早速三人の小悪魔しょうあくまを呼び集めました。そして言いました。
「ここに兵隊のシモン、肥満ふとっちょのタラス、馬鹿のイワンと言う三人の兄弟がいる。こいつらは当然けんかをしなくてはならないのに仲良く暮し合っている。あの馬鹿のイワンの奴がすっかりおれの仕事をだいなしにしてしまったのだ。ところでお前たち三人は兄弟三人に取とついて奴等がお互いに目玉を引っこぬくようにしてやるのだ。どうだ、出来るかな。」
「はい、一つやってみましょう。」
と三人の小悪魔は言いました。
「じゃ、どんな風にはじめる。」
www.aozora.gr.jp
それが、「小悪魔教師」的なニュアンスになったのは……実はこれのために「小悪魔」を辞書でも見たが、読んだ数種類の辞書には無かった。
たしかに「小」をつけたから別の言葉とするのも区分が難しい。人と小人は違うか。こぐまとくまは違うか。錦と小錦はべつものか。（いくつの例が不適当）
ただし、ここだけは項目作ってた。
こ‐あくま【小悪魔】 の解説
１ 小さく力の弱い悪魔。しょうあくま。２ 男性の心を翻弄 (ほんろう) する、魅力的な若い女性。
ちなみに…以前…１０年近く前から、「結婚」「恋愛」などのダイレクトな項目については「あれれ～LGBTのことを考えたら、ここで『男性』とか『女性』とか『異性』と書いていいんですか～」と擦ってきたけど、そういう項目だけじゃなく恋愛・性愛関係のすべての項目が要修正となるのかもしれない。
少なくともここで「デジタル大辞泉」が、「小悪魔」を
男性 の心を翻弄 (ほんろう) する、魅力的な 若い 女性。
と書いてるのは、大丈夫かそんな装備で！！案件な気がするが…
とりあえず「小悪魔 BL」で検索したら
だとよう。
……まぁいいや、先に進もう。
ここから先は、愚直にやるべきことは決まっている。
テンプレを再度張っておこう
【参考・初出探しの基礎方法】
twitter内の初出探し法 https://togetter.com/li/1084358
青空文庫内を検索する http://www.aozora.gr.jp/index.html
BOOK☆WALKER横断検索 https://bsearch.bookwalker.jp/search
Google ブックス https://books.google.co.jp/
Google Scholar https://scholar.google.co.jp/
国会図書館デジタルコレクションを検索 http://dl.ndl.go.jp/
次世代デジタルライブラリーを検索 https://lab.ndl.go.jp/dl/
ヤフー知恵袋内検索 https://chiebukuro.yahoo.co.jp/
はてなブックマーク内検索 https://b.hatena.ne.jp/
海外のエンタメ・サブカルの「お約束」事典『TVtropes 』（英語） https://tvtropes.org/
「タネタン」 https://moto-neta.com/
青空文庫で満足してやめてしまうのがおまえの限界だな。玄人は国会議事録を検索する。
https://anond.hatelabo.jp/20200418204831
https://kokkai.ndl.go.jp/※まずはこれらで検索などして、それで目星がつくなり、あるいは皆目見当がつかないなりしたら、次の段階に進む。
戦前まで遡るのは、上のツイートで紹介されているので、国会図書館デジタルコレクションと、青空文庫でいいでしょう。
結果。
www.google.com
その結果、タイトルにうたっている作品もあった
www.aozora.gr.jp
図書カード：No.42468
作品名： 女と帽子
作品名読み： おんなとぼうし
副題： ――「小悪魔の記録」――
副題読み： ――「こあくまのきろく」――
著者名： 豊島 与志雄
［ファイルのダウンロード｜いますぐXHTML版で読む］
作品データ
分類： NDC 913
初出： 「中央公論」1938（昭和13）年5月
作品について： この作品を含む以下の作品は、「白い朝」――小悪魔集――（河出書房、1938（昭和13）年7月発行）が初収録単行本である。他には以下の作品が収録されている。（門田裕志）
「南さんの恋人」 「坂田の場合」 「女と帽子」 「潮風」 「霧の中」 「白い朝」 「後記」
小説集「白い朝」後記
茲に収められてるものは、都会の知識階級のおかしな物語である。これらの物語はみな、小悪魔の角度から眺められた。小悪魔は虚構の人物であるが、この場合、必要な創作技法であり、モラール探求の特殊な触手であった。だが、この類の物語を更に蒐集することに、小悪魔は退屈しないだろうけれど、作者は恐らく倦きるだろう。それ故作者はすぐに、少年正夫にとびついていった。正夫は結論であり、また新たな出発点である。前途はおのずから開けてくるであろう。――作者記す。
底本：「豊島与志雄著作集 第六巻（随筆・評論・他）」未来社
豊島与志雄 小説集「白い朝」後記
あれ？でもこれも「男性の心を翻弄ほんろうする、魅力的な若い女性。」を描いているかな？ちゃんと読まないとわからんな。
この人はフランス文学者か。そっちの方面は確かにありそう。
晩年の太宰治と親交があり、太宰の葬儀委員長も務めたとか。
ja.wikipedia.org
そしてそもそも、最初にあるように英語の「Little Devil」や、フランス語でそれに類する言葉の検索調査もしないとだめで、じゃあここで俺的には力尽きる。
だれか、調べといてください（○ミ＼（・_・ ）ﾄｩ ←丸投げ）
