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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

MMAにおける”日本興行”神話とは? 今回「日本でもMMAは盛んなのか…」との”新事実”を知った選手も多いようだ

まず、ツイート集で。



www.youtube.com




Coker shared Nurmagomedov’s reaction after event at the hallowed Saitama Arena, which saw Bellator sweep fighters from the Japanese promotion in five promotion vs. promotion matchups.

“It’s very interesting, because he wasn’t here in the heyday,” Coker said at the post-event press conference. “I got to see those fights. A lot of you know that [I’ve been] in the martial arts business a long time, I started working for K-1 in 1999, so I got to see all the great fights in K-1. I got to see the great fights of PRIDE. And Khabib has never see the production and the fans, and he was freaking out.

“He was telling me, ‘This is unbelievable.’ He kept telling me, ‘This is unbelievable. I had no idea that something like this was happening in Japan.’ And I said, ‘This is where it started, Khabib.’ This is where MMA and martial arts combat, it started here – it grew throughout the rest of the world, but there was a time when Japan had the best fighters in the world, the best production in the world, the best promotion in the world, and that’s why the UFC bought it. Just like my company, Strikeforce, I think we had a great roster, great events, so they bought it.”

「彼(ハビブ・ヌルマゴメドフ)は(日本MMAイベントの)全盛期にここにいなかったので、非常に興味深く感じられたようだ」とコーカーはイベント後の記者会見で語った。

「私はそれらの戦いを見なければなりませんでした。長い間格闘技ビジネスに携わってきたことを知っている人は多いと思いますが、1999 年に K-1 で働き始めたので、K-1 で素晴らしい戦いをすべて見ることができました。PRIDEの壮絶な戦いが見られました。ハビブはそういうプロダクションやファンに一度も会ったことがなく、びっくりしていました。


「彼は私に『これは信じられない』と言っていました。彼は私に「これは信じられない」と言い続けました。このようなことが日本で起こっているとは、彼は思いもしませんでした。そして私は、「ここから始まったのです、ハビブ」と言いました。


ここは総合格闘技と格闘技の戦いの場であり、ここから始まりました。それは世界中で成長しましたが、日本には世界最高のファイター、世界最高のプロダクション、世界最高のプロモーションがあった時代がありました。 そしてそれが、UFCがPRIDEという団体の権利を購入した理由です。私の会社である Strikeforce と同じように、素晴らしい人材と素晴らしいイベントがあったので、彼らはそれを購入したと思います。」

www.mmafighting.com

ぼくがそのハビブの感想で思い出したこと…



柏木 PFLの場合は代表でもあるレイ・セフォーが日本びいきで、やっぱり日本人ファイターを入れたいという思いがあるみたいで。いま日本人って世界的にあまり結果は出してないですけど、やっぱりプロモーターとしては日本人を入れたいんですよね。どっかしら日本人が入っているだけで大会の質が上がるというのは、みんな潜在意識の中であると思うので。

――日本の幻想はまだまだ薄れていない、と。

【(中略) だけれども……】



柏木 (略)コロナ前と明らかに海外選手のレスポンスが違ってるんですよねえ。コロナ前だったら何がなんでも日本で試合をしたいという選手もいましたが、いまは「べつに……」という感じでけっこう断られたりもして。

――それは、なぜなんですか?

柏木 日本が鎖国しているあいだにいろんな団体が出てきてますし、その中には本当にいいオファーもあるし…(略)

(略)

柏木 だから、UFC帰りもビッグネームも契約が難しいとなったときに、もう若い選手に目をつけてこれから育てていこうという方向にいくしかないじゃないですか。なので、若い選手たちに声をかけにいくんですけど、その世代はPRIDEを知らないんですよ。

――はー、なるほど……。

柏木 だからこそ、べつに日本でやることに対してのうま味を感じてくれないんですよねえ。

――先ほど、大会に日本人がいたらなんとなく箔が付くという話がありましたけど、それはプロモーターの人たちがPRIDEを知っている世代だからこそという。

柏木 いまのプロモーターたちは30代後半~40代とかなので、ドンピシャでPRIDEを見て育っている人たちですからね。でも、ファイターは違うんです。全然見てないし知らない。だから「さいたまスーパーアリーナで試合しませんか?」と聞いてもまったく反応がなかったり。そこで言われるのが「だったらコンテンダーシリーズ出てUFC目指します」とか。で、コンテンダーシリーズのファイトマネーもそこそこいいのでね。だから自分たちからすると、そこの数字も工夫しないと。「日本で試合ができますよ」というのではもう通用しないです。

――ベラトール日本大会でマイケル・チャンドラーが来日しましたけど、さいたまスーパーアリーナで試合ができることに喜んでアメリカのときとは人間が変わったかのような態度だったという話を聞きましたが。
(略)

柏木 ……でも、そういう部分は薄れていってるということです。

ch.nicovideo.jp

若い外国選手はもうPRIDEを知らないので日本の思い入れが薄れてる、という話

関連する話でもあろう。



実際に払われるマネーとかとは別に、伝統とかイメージとかもやる側、見る側にとってボーナスポイントとなる…というのは、格闘技だけの話じゃない。
将棋だってこの話のようにそうだし、ゴルフやテニスでも、やはり高額賞金をバーンと出したら、それ以下の賞金のメジャーの上にいけるか??となればそうでもない。わかってんかサウジの王様たち。


m-dojo.hatenadiary.com

ゴルフの中心地が米国からサウジへ? “お金”で選手を引き抜く新リーグの勢い続くか

英国のセンチュリオンGCで「LIVゴルフ」が開幕した。「LIVゴルフ」とはサウジアラビア政府系ファンドの莫大な資金力をバックに設立された、ゴルフの新リーグである。さらに同リーグのCEOには、レジェンドゴルファーのグレッグ・ノーマン氏が就任し、大きな話題となっている。


 ゴルフ界の“序列”を破壊しかねない新リーグに対しては、PGAツアー(米国男子ツアー)が猛反発。「LIVゴルフ」の初戦に出場した選手のうち、PGAツアーのメンバーシップ(出場権)を持つ選手17名に対して、その権利をサスペンデッド(停止)したと表明した。この17名の中には、メジャー6勝を誇るフィル・ミケルソン、元世界ランキング1位のダスティン・ジョンソン、セルヒオ・ガルシア、チャール・シュワーツェルら大物プレイヤーも含まれている…(後略)

dot.asahi.com

(略)…全土の大部分が砂漠のサウジアラビアでゴルフが盛んとは聞いたことがない。なのにサウジ当局は、どうしてこうも巨額の現金(開幕戦の賞金総額は2500万ドル=約34億円)を投入するのだろうか。

米メディアは一連の動きを一般的に「sportswashing」(スポーツウオッシング)の試みと受け止めている。この単語は比較的新しいもので、国家や団体、人物がスポーツを利用して自らのイメージを高めたり、不都合な真実から目を背けさせようとすることを意味する。

だとすれば、アラブの盟主を自他ともに認めるサウジは何を「イメチェン」しようとしているのか

news.golfdigest.co.jp


ただ、そういうブランド力、伝統や名声の力は有難いものであるが、それだけを消費していてはじり貧になる。
なんとか、新しい付加価値、伝統の力を、少しづつでも追加していきたいものですね。


たとえば、どこまでリップサービスかは分からないけど、来日して日本のヒーローと闘う相手も決して悪役、負け役扱いせずに敬意を払い、技術に拍手を送る・・・・・・・みたいな文化。決して外国でそれがないとは思わないけど、まあブラジルとかではやっぱり、「我が国のヒーローvsけしからん外国人の悪役」的な見方で会場が盛り上がる。
だからむしろ相手もブラジル人を挑発する煽りキャラのほうがいい。チュール・ソネンのほうが岡見勇信より盛り上がる……というわけじゃいな。

それはそれとして、まあ「日本の大会はいいね!」と、何かギャラとか以外の部分で思わせたい……という話。