たくさん埋め込み作業する手間を惜しんで、一部はコピペさせてもらう。
関西大学自助・共助研究班で実施した楽天インサイトモニターの2524サンプルの調査結果です。マルチ回答です。野党の中で維新の政党イメージの良さが際立っています。「経済的弱者の味方」でも維新が一番該当率が高い、というのは意外でした。立憲のバラバライメージもこんなにも高いんですね。 pic.twitter.com/GNdymgZGuh
— Haruya Sakamoto (@sakamotoharuya) February 27, 2022
維新のイメージの良さは、維新支持者を除いたサンプルで見ても確認できます。非維新支持者の間でも、政権担当能力10.7%、経済的弱者の味方11.3%、一般人の感覚に近い20.3%でした。
すみません。ただしくは、関西大学経済・政治研究所自助・共助研究班、の調査結果でした。研究所名が抜けておりました。同研究所の研究成果です。
とても興味深い結果ですね。論文になるのにはもちろん時間がかかると思いますが、とても楽しみにしております!
— Kenneth McElwain (@mcelwain444) 2022年2月27日
ケネス先生、ありがとうございます!調査の本線は別のところにあって、この設問は実験的に今回とりあえず尋ねてみたのですが、結構面白かったので、今後本格的に論文にならないか検討してみます。
すみません、これはいつの調査ですか?
— つむぎ (@yorokejima) 2022年2月27日
また、この楽天インサイトモニターには何か回答の傾向などあるのでしょうか?
先週末実施した調査です。ウェブモニターなので、RDDなどに比べて若干維新支持者が多めですが、維新支持者抜いての結果も示しています。
つむぎ@yorokejima
2月27日
お返事ありがとうございます
維新支持者ですが、維新に良すぎる結果でしたので気になってしまいました
「なぜ維新が弱者の味方?」とのリプがやたら多いので、私の現時点での考えを少し述べます。「経済的弱者の味方」の結果を政党支持別に見た結果が以下です。維新を「弱者の味方」と捉える人は自民支持者でも立憲支持者でも19%もいます。無党派でも共産党には負けていますが2位です。 pic.twitter.com/m0P9Fr5ZGL
— Haruya Sakamoto (@sakamotoharuya) March 1, 2022
Haruya Sakamoto
@sakamotoharuya他方、立憲民主を「弱者の味方」と捉える人は、立憲支持者以外ではあまりいません。無党派では3.9%です。この違いが、野党としての維新と立憲の大きな違いかな、と思います。立憲は自党支持者と、せいぜい社民、れいわ、共産支持者にしか良いイメージをもたれていません。
維新は、自党支持者には当然良いイメージを持たれていますが、それだけでなく自民支持者、立憲支持者、無党派にもある程度良いイメージを持たれています。そこが全体で「弱者の味方」1位になれているポイントです。
ツイッターだけ見ていると、維新は支持者以外にはあまり評価されていないように錯覚するかもしれません。しかし、実際は熱心な維新支持者以外からも、そんなに悪い印象を持たれていないのだと思います。これは他の研究者が実施した「拒否政党」の分布でも確認できます。
強く支持したくない政党である「拒否政党」に維新をあげる有権者はかなり少ないことが示されています。なので、強い拒否反応に直面していないことが維新のイメージの良さ=「弱者の味方」の原因の1つに挙げられると思います
維新に対して強い拒否反応を示す方が一部にいることは事実ですが、それは有権者全体の傾向ではなく、平均的な有権者の間ではそんなに拒絶されていない、ということだと思います。では、なぜそういった政党のブランディングに成功しているのか。この点については、調査データから言うことはありませんが
単なる私の印象論だけで申し上げると、メディア露出の効果だけでそういうブランディングに成功しているわけでは決してないと思います。やはり大阪での統治「実績」アピールが日本維新のブランディング形成になにがしか寄与していると思います。
その辺のことについては、これまた完全な印象論のインタビュー記事で恐縮ですが、以前自分の見立てを述べたことがあり、以下の記事をご覧頂ければ、と思います。ただの印象批評で恐縮ですが。https://t.co/mcZ7ENBT5G
— Haruya Sakamoto (@sakamotoharuya) March 1, 2022
感想や質問を直接伝えたい方は、いま反響が大きくてリプの時間などないかもしれないけど,こちらのアカウントへ。
twitter.com
問・疑問編
エリアサンプリングは調査会社によってやり方違うので気をつけたほうがよさそう。あと海外だと地図から抽出って一般的だけど補正かけてるんじゃなかったっけ。
— e_kawano (@eiji_kawano) 2022年3月1日
あとこれ、持ち家率高いのは、無作為抽出というより、訪問面接のやり方のほうが大きそう。訪問面接と郵送ではだいぶちがう。 https://t.co/f9OB7xJ3xN
— e_kawano (@eiji_kawano) 2022年3月1日
経験的には、大都市だと訪問面接は地区によってはぜんぜん会えないので、郵送のほうが回収率高い場合がある。
— e_kawano (@eiji_kawano) March 1, 2022
郵送だけだとクオリティの問題があるので、個人的には大都市は留置と郵送の併用がいちばんいい感じ。 https://t.co/PO7FH7hQ6a
あとだいたい、初めから協力が3割、鼻から拒否が3割、残り4割が不在多いとかグレーで、やり方によってはけっこう協力してくれる感じ。 https://t.co/URx8yfgZeH
— e_kawano (@eiji_kawano) 2022年3月1日
(以下の「RT」とは上のツイートの事)
RT、経済的弱者とはどういう人か、味方とはどういうことを指すか、そして自身を弱者とみなすかどうかと、解釈に影響を与えそうな部分に曖昧さが残るので解釈には注意が必要。標準的な見方(再分配重視、手厚い福祉)とは異なり、たとえば公務員しばき上げが「味方」の内容だとすればどうか。
— 菅原 琢 新刊『データ分析読解の技術』 (@sugawarataku) March 1, 2022
このあたりは各党の選択との相関を見て、維新を「味方」とする層と共産他を「味方」とする層で属性、価値意識等にどういった差があるのか確認すると良さそう。もちろん、共産党を「味方」とする層が動揺に維新も「味方」としているならそれは面白いけど。
— 菅原 琢 新刊『データ分析読解の技術』 (@sugawarataku) 2022年3月1日
そもそも面接調査の回収率がかなり低い。サンプル補充をしていないにしても27.5%は低すぎるように思う。1回しか訪問していないとかかな。
— 菅原 琢 新刊『データ分析読解の技術』 (@sugawarataku) 2022年3月1日
ざっと見て、RDD法電話調査と同様の世帯内サンプリング(個人抽出)のところで脱落が生じるのが大きい模様。計画段階で倍の標本が必要と。https://t.co/7k9S65SNgB
— 菅原 琢 新刊『データ分析読解の技術』 (@sugawarataku) 2022年3月1日
社会調査法についていつ学んだかにもよるけれども,昨今だと選挙人名簿等を用いた(あるいはRDDを用いた)調査においても,回収率等の問題からWeb調査等に対する代表性の優位は相対的なものでしかない,と教えるのでは。
— umedam (@umedam) February 28, 2022
選挙人名簿を抽出枠に用い回収率も高い対面/郵送調査の代表性>>非確率抽出のオプトインパネルのWeb調査,だろうけれども,例えばRDDは用いているが実質的な回収率が非常に低かったオートコール調査では優位性は大きく減少するだろう。
— umedam (@umedam) 2022年2月28日
オンライン調査と無作為抽出による調査のそれぞれの特性については、昨年出たこの記事が示唆的だと思います。
— KIDA Yusuke(木田勇輔) (@kida_yusuke) February 28, 2022
インターネット調査のサンプル特性|NIRA総合研究開発機構 https://t.co/5kPOi3X2A9
KIDA Yusuke(木田勇輔)
この研究では、国勢調査と比べたときにオンライン調査の回答者が大都市に居住する大卒以上の者に偏る傾向が示されています。一方で無作為抽出による調査(面接調査)でも、国勢調査と比べて持ち家率が高いなどの偏りが指摘されています。
結論部ではオンライン調査の結果の補正が現段階では難しいことが示唆されるともに、「無作為抽出に基づく面接調査の回答者も、もはや目標母集団の縮図と捉えて良いか疑問である」と述べられています。
サンプリング調査もオンライン調査も両方使って研究をしてきましたが、どちらかが絶対に優位とは一概には言えないなという印象ですね。回収率が低いサンプリング調査の場合、誤差が果たしてランダムに生じているかどうかという難しい問題もあります。
もう少し踏み込んで言うと、「この時代に郵送で届いた質問紙にわざわざ回答してくれた人」は何らかの点で母集団に対して偏りを持っているのではないか、という視点はサンプリングによる調査をする際にも常に念頭に置く必要があると思います。
あと、少し前の社会学評論でインターネット調査の特集が組まれたことは、社会学関係者には記憶に新しいと思います。私自身はこの論文の「総調査誤差」というコンセプトに概ね賛同しています。https://t.co/prXwOXQpuW
— KIDA Yusuke(木田勇輔) (@kida_yusuke) March 1, 2022
引用「ウェブ調査によるデータ収集のプロセス全体をしっかりと総調査誤差の枠組みより評価をして,研究目的に即した限定された母集団へと着目することの理論的意味と,それに対しアプローチする方法的妥当性を周到に検討することが,ウェブ調査の利用可能性をひらくだろう」
郵送調査でも昨今の都心部では回収率20%台なんて言うこともありえます。これをどう引き上げるかというのは、社会調査屋さんには頭の痛い問題です。
訪問面接調査は昨今では非常に難易度が高いと思います。相当に工夫しないと回収率的にはかなり厳しくなるでしょう。
その他感想
維新天下の大阪に住む人間としてひとこと。維新候補の選挙演説を聴けばよく分る。それこそ、共産党や公明党よりも、「福祉施策」を力説してる。高齢者、シングルマザー、そして、いまとなっては懐かしい「ワーキングプア」対策。それが、れいわ新撰組に劣らず受けねらいの劇場型セリフとは思うが。 https://t.co/uxm6MZtTAL
— NISHI (@gamewest8) 2022年3月1日
「経済的弱者」の提議を明らかにしてください。
— onka(一人ずつが大阪市長大阪府知事や。住民自治や。維新から大阪を守る!私物化破壊止める! (@onka62) 2022年3月1日
「弱者」と続くツイートではされていますが 略ならば断りを
そうでなければ
弱者と経済的弱者は違います、言葉は正しく使用されて下さい、先生。
混同を招く書きぶりはよろしくないです
経済的弱者という定義を明らかにせず印象は調査分析でしょうか? https://t.co/YSuTctVNke
維新が弱者の味方って評価が高いのは、維新は役人が民間を権限で縛っているのを解放してくれる、庶民に代わり親方日の丸へのルサンチマンを晴らしてくれてるって思いこんでる人が多いからじゃないかな。
— nohohon8961 (@nohohon_8961) 2022年3月1日
あと東京への対抗意識をくすぐるのが上手いのと、なにかやってくれる感。 https://t.co/rhUGHlahhT
されど、残念な反響も
研究者も人間なので、調査結果を発表しただけで、このような言葉汚い中傷を浴びせられると、そりゃしんどく思いますよ。今後アウトリーチ活動をしようと思う研究者も増えていかなくなります。内容の批判は良いにしても、どうか人格批判はやめて頂きたいですね
— Haruya Sakamoto (@sakamotoharuya) February 28, 2022
政治家であれ、コメンテーターであれ、運動家であれ、市民であれ、相手を傷つけるような言葉を投げかけあっても、デモクラシーは壊れる一方です。人間なので怒ってつい、はわかりますし、トーンポリシングには警戒ですができるだけ相手を傷つけないような相互敬意と配慮を持ちましょうよ。まずそこから
— Haruya Sakamoto (@sakamotoharuya) March 2, 2022