「コミック乱」の10月号が届きまして…連載誌に載った訃報を見ますと、みなもと太郎さん不在な世界を改めて認識し、寂しさが募ります。9/27発売の11月号には追悼企画が載る予定だそうですよ。(ゆたか) pic.twitter.com/wUqe8ljcQQ
— 近藤ゆたか&粉味『ふんわり巫女 二花女ちゃん』中野タコシェ、盛岡シグアートギャラリーで販売中 (@yamabukikoban) August 26, 2021
コミック乱10月号のみなもと太郎
— モモ柴 (@momojyuro) August 27, 2021
先生の訃報を読んで、泣いた。
今までいろんな編集部の漫画家さん
の訃報を目にしてきたけど、皆、
どこか事務的だった。
亡くなられた事実だけを淡々と伝え
る事が多かった。
でもこれは、本当に本当にみなもと
先生を大好きな編集の方による追悼
文だなと感じた。 pic.twitter.com/3MwqCe1g7A
そして、これをまず読んでほしい。かなり長文の、みなもと太郎最後の編集者による追悼文だ。
病状は深刻なものだったけれどお会いする度にお元気で、本当にこのまま全快してしまうのではないかと私は思っていた。亡くなられた当日も、朝には売店で新聞を買い、夕方にはコンビニで夜食を買い、夜にはご家族とLINEで楽しくやりとりされるなど本当に普段どおり過ごされ、深夜に息を引き取ることになるとは、奥様にも思いもよらなかったそうだ。「本人も、いつも通り眠ったものだと思ったのではないでしょうか」と……(略)…
「世代を超えて〜」というのは同作においては単なるキャッチコピーではなく、事実である。現実に起きていることだ。編集部に届くファンレターの内容が他の作品と様子が違う。「大好きです、応援しています」といったメッセージの先に、必ずと言っていいほど同作が文字通り世代を超えて行く様が綴られるのである。「中学生になった娘に『風雲児たち』を勧めたらすっかりのめりこみまして……」「私が受け持つ社会科の授業で漫画を使わせてもらったところ、生徒たちの反応が通常の授業の時とはまるで違い……」と
(略)
『風雲児たち』は整理整頓された教科書的な年表から「落ちこぼれた」ものの中に豊潤なエンターテインメントと人間本来の姿が隠されていることを証明した作品である。誰もが知る偉人の誰も知らないドラマと、誰も知らない人々の普遍的なドラマに光を当て、高尚で立派な感じのする人たちの独占物になりがちな「歴史」を私たち大衆の側に奪い返す試みであったようにも見える。歴史漫画というのは、もしその作者が権威や権力、定説との距離を見誤れば、あっという間にいわゆる「お勉強漫画」になってしまう。先生は「私は『風雲児たち』で歴史のパロディをやっているんです」と明言されていた……
(略)『風雲児たち』ほどの大長距離走に臨むには、ゴールを設定すること自体が危険なことだ。いつでも道を逸れていい、どこまでも逸れていい、なんなら来た道を戻って別の道でやり直しったっていい、おもしろそうな横穴があったら我慢せずに飛び込んでいい、珍しい虫がいたら何時間でも観察していい、誰かに呼び止められたら飽きるまで立ち話をしていい、何ならゴールとかしなくていい……これが大長編を描き続けるために必要な構えだ、ということを先生はおっしゃっていたのではなかったか。『風雲児たち』は教科書的な年表を物差しにすればたしかに道半ばで終わってしまったことになるけれど、同作の達成はその「距離」ではなく「面積」で測るべきなのかもしれない。この作品が縦横無尽に駆け回って踏み固めてくれた土地の広さ、深々と耕してくれた土壌の豊かさを考えると、未完という言葉がまた違う意味を持ってくる…(後略)
そして三谷幸喜
「三谷幸喜が参考にした」というキャッチフレーズは、かなりこの作品を広める効果があった。全部を見るには会員になる必要があるが
(三谷幸喜のありふれた生活:1051)風雲児たちは生き続ける
漫画家のみなもと太郎先生が亡くなった。
初めてお会いしたのは、大河ドラマ「新選組!」の台本を書いていた頃。僕の新選組の原体験は、小学生の時に読んだみなもと先生の「冗談新選組」であり、それをインタビューで語ったのがきっかけで対談が実現…(略)……「風雲児たち」は四十年以上にわたって僕らを楽しませ、先生の死によって完結を待たずに終わった。関ケ原の戦いから始まる大河漫画。本来は幕末を描くことがテーマだったが、結局物語の中で明治維新を迎えることはなかった。(略)…… 僕らはもう「風雲児たち」の新作を読むことは出来なくなった。未完で終わったことで、みなもと先生によって蘇(よみがえ)った幕末の風雲児たちは、作品の中では決して訪れることのない明治に向かって、永遠に生き続ける…
喜多野土竜氏の、note追悼
もし、歴史は暗記教科だとか、歴史はつまらないと言ってるお子さんがいたら、是非オススメしてください。歴史が好きになります。そして、歴史の中で繰り返されてきた、人間の成功と失敗の営みに、歴史を学ぶ意味を感じるでしょう。本作によって、教科書的な知識しかなかった林子平が、いかに慧眼で優れた人物であったか、にもかかわらず不遇な生涯だったか、そしてそれでも自分の信念に従って生きたか…
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