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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

nWoがWWE殿堂入り、で思い出すことがら。なぜ蝶野はnWoジャパンを結成できたのか?

…「WWEホール・オブ・フェイム」式典が配信され、昨年に殿堂入りした〝超人〟ことハルク・ホーガン(67)率いるnWo(ホーガン、ケビン・ナッシュ=61、スコット・ホール=62、シックスことショーン・ウォルトマン=48)が登場し、圧巻の存在感で式典を盛り上げた。

 nWoは1996年に結成され、WWE史上でも最強かつ最大のヒールユニットとして世界的ブームを巻き起こし、蝶野正洋(57)らのnWoジャパンの母体ともなった。

 05年の個人としての受賞に続いて2度目の殿堂入りとなったホーガンは、nWoの文字がスプレー書きされた世界ヘビー級ベルトを

www.tokyo-sports.co.jp


WWEが」、表彰したというのが感慨深い。このユニットが、ライバル団体WCWで大人気となり、本当にWWEをあと一歩のところまで追い詰めたのだから…いまやそのライブラリも買収されてWWEの一部ではあるけどね。

ちな、だから上の記事の「WWE史上でも最強かつ最大」はミスではないか、という声がアウトサイダー王者から出ている。悪党は悪党を知る


さて、さっき無理やり100字でブクマしたが…

「ヒールがリング内でなく、団体そのものに牙をむく」コンセプトは、もともと新日の反選手会同盟がモデルだという(流智美氏がそう語っていた)。
そしてなんと、盟主にハルク・ホーガンを迎えて誕生したnWo。一番の主人公が悪に行くんだよ?竈門炭治郎が鬼になる、みたいな話なんよこれ?


そして…少し前に、これとは別に自分の意思で大胆にヒール転向し、正規軍に牙をむく「狼軍団」を率いていた蝶野正洋が「俺らが『このnWoの日本支部』だということになればワールドワイド感が出るぞ!!」と考え、そういう形になった。
本当にアメリカのツアーに本格参戦するという話もあったが、人気が出過ぎて無理になるくらいにね。
グッズも売れに売れて、プロレスなのにオシャレ(当時は完全な語義矛盾でした)なTシャツとして普通の人が着てたり。
あんまりにもグッズが売れまくるが、利益の多くはアメリカにいくので、抜け目のない蝶野は、身の回りに着けるグッズは独自の「アリストトラスト」というブランドを作成。それをプロレス現場にもソロッと持ち込んで、グッズ売り上げの権利を手にしたり(笑)


ちょうどヒクソン・グレイシー…というか総合格闘技が、プロレスの人気を脅かす時代と重なっていたが、週プロがnWoを「対岸のヒクソン」という言葉を使い、表紙で評した(ダジャレ)ように、ここで蝶野が中心になってプロレスはプロレスだ!とツッパり、プロレスこそ最強の格闘技、キングオブスポーツだという猪木流のハッタリ・見栄からそろりと新日全体をフェードアウトさせた(猪木とはやはりそこで軋轢があった)。それが今の隆盛に結果としても繋がっている……というのは日本の話だが、重要な点だ。

プロレスは連鎖する。



さて・・・・・・・・ところでだが、なぜ蝶野、新日本が、友好関係とはいえ、親会社も含めた組織の大きさがまるで違うWCWのビジネスに一枚かませてもらい、悪の組織nWoの日本支部・nWoジャパンを立ち上げることができたのか?
もちろんそうすることが結果的にアメリカでのnWoの存在感を大きくするアクセサリーにはなったのだが…

もともと最初の鍵は何か…?
それは、正面から交渉したら絶対に埒が明かないだろうWCWだが、
『交渉担当者になったマサ斎藤さんが、蝶野を連れて「ハーイ」と会場に直接乗り込んだら、もうそのまんまWCWの首脳やハルク・ホーガンらと会っていきなり交渉できたから』
だったらしい(蝶野自伝に、そんな話が載ってた。武藤の自伝にもちょっとあったかな?)

自叙伝 蝶野正洋 -I am CHONO-

自叙伝 蝶野正洋 -I am CHONO-

今のプロレスは巨大なビジネスになり、法的・コンプライアンス的な枠組みもかっちりしていて、とても横紙破りは通じない、と言われる。
(たぶん今じゃプロレススーパースター列伝も、プロレス・スターウォーズも無理じゃないかな…)
そうなった契機のひとつにこの時代…90年代のWCWがあるけど、それでもマサ斎藤の存在感、受けているリスペクトは、そんなものをふっとばすパワーがあった、というのはちょっと…いや大いに嬉しい話。