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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

関節蹴り、アイポーク(指による目潰し)…UFC、RIZINで注目された「危険な技、反則」の過去記事

UFCメインは、もっとコーミエがバンバンとテイクダウンを仕掛けるかと思いきや、1Rに一回レッグダイブを行っただけで、テイクダウンvs打撃の攻防にはならず意外でした。
膝でもけがしてタックルできなかったのかと思ったのだけど、試合後の弁では「ミオシッチがやらせなかった」ということで技術の攻防だったようで

ところで、この試合では双方にアイポークが…つまり2回ほどあったのかな?
その前、第1戦でのコーミエ勝利は、その前のアイポークによるミオシッチのダメージが影響したのでは、と言われ、このアクシデントに注目が集まった。


これについて、過去にこう書いたことがあり。

…防御をオープンハンドでしていたら、パンチを出しに前進した藤井の目に入り、結果的にその負傷がもとで途中棄権にフジメグは追い込まれた、と。
 
これってたしか、ミルコ・クロコップも総合ではそういう防御をしてたら指が相手の目に入り…というのがあったと思う。


「故意か、偶然かの意図に関係なく、その結果に至ったことをプロとして批判されるべきだ」「そういうふうになる(リスクが高い)防御の仕方をしなければいいだけ」というのはもっともな話だけど、その次元とは別の次元の話をしたい。

それは、骨法から学んだ思考法なんだけど(笑)…「格闘技の反則というのは、見方を変えればもっとも実戦で有効な技である」ということでした。柔道の技でも、投げにかかった相手の支え足に足を絡めるのが反則だったり、かわずがけや捨て身の脇固めが反則だったりしますが、それが効果的で有効だからこそ。
禁止の体系から、技の有効性が逆にあぶりだされる、というのはままあることです。


結果的に伝説の22連勝を果たし、過去の敗戦も極めて微妙な判定の綾でしかない藤井恵を戦闘不能に追い込み、ミルコも使う…
「相手顔面近くに手のひらを広げた状態で(少し指を立てて?)防御する。相手が打撃なり組みのために距離を詰めると、”結果的に”相手の目に指が入る……」

というやり方、もちろんあのVTJも含め、試合では選手が厳しく避けるべきですが、理不尽な暴力から身を守る実戦、路上の護身術としては、ひょっとしたら…効果的であるのかも、と思いました。
(略)
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女史格闘技漫画鉄風」にも、手のひらを相手の顔面の前に広げる(目つぶしではなく、自分のもう一方の手の打撃軌道を隠す「目隠し」)技…伝統空手の「簾(すだれ)」が登場したことがあった。



ジョン・ジョーンズのこういう技…なのか癖、なのか、それについてはこういう話が出たこともあった。

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GONG(ゴング)格闘技 2014年10月号

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ああ、この記事の手のひらを前に出す防御、のことを直接写してないや。そうしておけばよかった。
とまれ、この時もダニエル・コーミエのコーチが、指摘していた。そのコーミエ自身も前回や今回、騒動になったのだから、非常に境目が曖昧なのかもしれない。

と同時に、上に書いたように「競技としては危険なので避けるべきだが、たとえば路上で悪漢に襲われたりしたときの護身術としてなら、この競技上の反則は有効な技術かもしれない」ということを再度考えたい


そして、そこに書かれたヒザ関節蹴り…

 あの常にヒザ頭を攻撃してくる蹴りについてだ。残念ながら今のMMAのルール上では全く問題にならない攻撃だけど、運が悪ければファイターのキャリアを終わらせる可能性があるとても危険なテクニックなんだ。
私はキックボクシング出身だから、この関節蹴りが選手生命を奪うことを知っている。
ルール上認められてはいるが、完全に故意に狙ってきているわけで、ジョーンズは”ダーティファイター”とは呼べないけど、”ダーティーテクニック”を使うファイターであることは間違いない。


こちらはライジン2日間興行の初日のメインの話

水垣 やっぱり矢地選手は組みたくはないだろうなと。スタンドの組みはまだ オッケーとして 、テイクダウンされて下になっちゃうとキツいなっていう。そこを矢地選手がどう戦うかを見てたんですけど。最初に矢地選手が関節蹴りを使って、かなりいいのが入って。あれはめっちゃ有効だったと思いますね。ただですね、有効すぎたことでトリガーに……。

――あの関節蹴りが有効すぎたことで!? 


水垣 サトシ選手が「早く組みつかなきゃいけない」というトリガーになってしまったのかなと。

――それほど関節蹴りは厄介だった。

水垣 完全に結果論なんですけど、 序盤に関節蹴りを使って相手に組みつかせないようにするんじゃなくて、サトシ選手に組む気配があったら関節蹴りを使えば……。まあ、ボクがセコンドだったとしても最初から関節蹴りを使って距離を取るという指示を出しましたけど、あの関節蹴りが有効に機能しすぎたのでサトシ選手は強引に組みに行ったんじゃないですかね。

――面白い見立て!

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水垣 やっぱりテイクダウンって体力を使いますから、タイミングを掴んでから組みに行く予定だったのが、その関節蹴りが脅威だったので強引に入っちゃったんじゃないかなと。


ch.nicovideo.jp

矢地も「ダーティテクニック」を使って有効だったわけだが、それが効果的なので相手がイチかバチかの戦術を選択、その結果として相手に勝利を与えてしまった…との見立てが本当なら、なんとも格闘技の複雑微妙さを象徴する話である。