一部抜粋(というか大半をコピペ)
Takehiro OHYA @takehiroohya
①以下、もう少し詳しく書きます。
現行の皇室典範は、皇族が減るルールを抱えている(降嫁)一方で、増やすルールをまったく持っていません(養子禁止、皇族復帰禁止)。皇位継承権のある皇族は、男性皇族からの男子の出生によってしか増えないので、確率的には非常に厳しい状態になります。 twitter.com/takehiroohya/s…
②そこでどうするかですが、前提としては、
天皇の存在と摂政の可能性……憲法事項
皇族の定義・皇位の継承順位・増減のルール・摂政に関する規定……法律事項(皇室典範)
という違いがあることを踏まえる必要があります。後者は通常の法改正で対応できるので、可能ならここで何とかしたいところ。
③たとえば、現在は皇室典範で定めているルールのいくつか(具体的には降嫁による皇族離脱・皇族復帰の禁止)を緩めれば、もちろんそれに国民の合意が得られるかは別問題ですが、皇位が存続する可能性を高めることができます。
④ただ、女系継承を認めたとして結婚して「皇族入り」することを覚悟する一般男性がどれだけいるか、旧宮家の皇族復帰を考えたとしてもその数が限られていることなどを考えると、どちらも十分な解決になるとは断言できないところではあります。
⑤そのような対策が取られなかったか、取られたが確率的にうまく行かなかった場合、天皇が崩御した時点で皇位継承の可能な皇族が存在しないという事態が発生する可能性があります。皇室典範は崩御によりただちに皇嗣が即位すべきことを規定していますが、その不在に関する規定はないのですね。
⑥その際、現行の皇室典範でも摂政が「天皇が、精神若しくは身体の重患又は重大な事故により、国事に関する行為をみずからすることができないとき」(16条2項)に置かれるとされている点に解釈の余地が生じます。
⑦当然ながらこれは現に生きている天皇がいて問題状況に陥ったことを想定している条文ですが、「天皇がいなくなった」ことによっても「国事行為を自らすることができない」ことには違いなく、この条文が使えるという解釈は、とりあえず可能です。
⑧現行の継承ルールだと、女性皇族は天皇にはなれませんが摂政にはなれるので、これだけでもしばらく制度の寿命を延ばすことができます。ただ、皇族を増やすルールを導入しない限りあくまで時間稼ぎであり、女系しかいなくなった時点でタイムリミットが見えることにはなるでしょう。
⑨これに対し、摂政の定義は法律事項なので、皇室典範を改正してたとえば民選摂政を認めれば、《不在の天皇を民選摂政が代行し続ける体制》が安定的に実現します。螺旋人先生が言及した通り、ハンガリー王国(1920-46)ですね。
⑩もちろんこれを「日本国憲法体制の範囲内」と考えるかどうかは、大きな争点です。皇族増加ルールの追加・摂政概念の読み替えといった対策が気に入らない場合、どこかの時点で制度が維持不能になるので、体制全体を転換する(憲法改正に踏み切る)必要が出てきます。
⑪ただその場合、天皇に直接関係する憲法1~8条を廃止すればいいというものではなく、大規模な改修が必要になります。現行憲法は天皇がいることを前提として三権の長を対等にしているのですが、その前提が狂うと誰が国家代表なのか(対外的な元首なのか)といいた問題が生じるからです。
⑫もちろんこれはアメリカ的な強く議会から独立した大統領制、議会に基礎を置く首相と権限を分割するフランスの半大統領制、ドイツの象徴的大統領制などいろいろな方法で解決できます。ただ、それを決めて制度設計するには相当の時間と苦労が必要だというだけのこと。
⑬通常の法的道具で可能な対処法をリストアップするとこのようになり、それぞれに長所短所が考えられます。そのうちどこまでを現行憲法体制の枠内と考えるか、どれを採用するかは、最終的には主権者たる国民の選択により決められるべきだと私自身は考えます。(終)
2019-05-01 17:40:06
※これへのリアクション
umedam @umedam
まさしく「ミカド還りますまで」首相(ないし別の人物)が摂政としてその職務を代行する日が来るんですかね(まあ元ネタだと当初は王が「行方不明」になってるだけだからな)
2019-05-01 17:42:20
Takehiro OHYA @takehiroohya
もちろん「崩御されたのではなくいまも皇居の奥の院で国民の幸福を祈り続けておられる」「神によりその存在を隠された」など我々にはこのような事態に対処するためのさまざまな知的遺産が(爆発音、以下聴取不能)