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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

かつて「チャプスイ」という中華料理(もどき)が世界を席巻した…という話

この前紹介した「刺し身とジンギスカン」という本の最終章に書かれていた話です。それをメモします。

かつてチャプスイという「中華料理」があり、世界中で親しまれた。
戦前の小説などにも時々出てくる。1900年頃からアメリカなどで流行りだして、お惣菜本などにレシピが載っていたのは1970年代ぐらいまで。既に姿を消してから半世紀になろうとしている。

定義はすごく曖昧だが強引にまとめると「肉や魚介類が入った野菜油炒めを作る時に、スープを入れてひと煮立ちさせて、最後に片栗粉を流し込んでとろみを付けた惣菜料理」

一時期はアメリカンチャイニーズライスとも言われた。

中国人の一部には、 これは中華料理もどきだ!的な怒りの声も上がっていた
一方で尾ひれが付いて、「李鴻章アメリカを訪問した時、西洋料理が口に合わずに作らせたのがこのチャプスイ」「李鴻章アメリカを訪問した時これを出されて、我が国では校庭しか、この料理を食べられないと大喜び」などの直接も流布された 。



ぶっちゃけ読んでいて分かるのは、「ああ、これ今では中華丼とか天津飯って言われてるもんじゃないの?その上の部分だよね」 ということです。完全に消えてしまった料理とかいうわけでもなさそうだ。


ただここで、この本からさらに内容を発展させて考えるに、とにかく中華料理はうまいということで…あるいは世界中に中国移民が数多くいたせいもあるか…世界をある意味席巻しています。日本人の旅行者もかつては「海外で日本食が恋しくなったら、代わりとして中華料理を食べればいい」「ある国を旅行して、その国の料理がどうしても口に合わなかったら、チャイニーズレストランに入れ」などと言われたものです。

そんなふうに中華料理が「うまい」として、なかなか現地現地では、 中華料理に必要な食材や調味料が手に入りにくいこともあったのではないか。

そんな中で「これさえやって行けば、最低限中華料理っぽい」というのは何かと言うと「ラードを使って炒め物をする」「その炒め物のある部分には、片栗粉でとろみをつける」。
この二つは豆板醤や醤油、八角などが手に入らないところでも何とかなる「中華料理」っぽさだったのではなかろうか。
それがチャプスイ。あ、ただ、なぜか そんな中でもチャプスイは「タケノコが必須」扱いとなり、そうなるとなかなかアメリカや欧州では手に入らないから「たけのこの缶詰」の輸出が盛んになり、おかげで日本も当時潤ったんだそうです(笑)


そしてお隣であったのに、鎖国や肉食習慣の違いであまり入ってこなかった中華料理、 当時の言葉で言えば「支那料理」が日本人に新しい味として受け入れられた時、その先駆けとなったのは「 ラードのうまさ」ではなかったでしょうか。これはかつての日本料理には全くなかった味わいだったろうし、そもそも世界的にもあれだけ「ラード」がメイン料理の油として使われてるのは、 結局中華料理が主軸ということになるのではなかろうか?
実は「のらくろ」でも時々「支那料理」が登場し、めちゃくちゃシンプルだけど劇中の扱いもあってとても美味しいご馳走として読者の目には見えたのですね。

そんなことを懐かしく思い出しました。

そのついでに、かつて「チャプスイ」と呼ばれた中華料理もどき??の食べ物が世界中で食べられていて、もどきではあっても中華料理を広めるのに貢献した。そしてそのレシピは今では中華丼とかて天津飯とか言われてる、 あれのことだった…ということをここに記録しておきます。