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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

ある増田文学を読んで、手塚治虫「バイパスの夜」を思い出した件(夢枕獏エッセイを紹介)

たまたま今、いわゆる増田、はてな匿名ダイアリーで評判になった文章を読んだ。
ちょっとした怪談話と言うか…ホラー、サスペンス風の体験談だ。

友人が人を殺してるかもしれない https://anond.hatelabo.jp/20180326184518

自分ははてなブックマークでこういう風なコメントつけた。

http://b.hatena.ne.jp/entry/361069670/comment/gryphon

手塚治虫に「バイパスの夜」という漫画があり、夢枕獏が手塚作品のベストに挙げていたっけ。今検索したら「世にも奇妙な物語」の映像化のほうが有名らしいが…(読めばここで挙げた理由分かる)


自分は後に、この作品を実際に読んだんだけど、元々教えてもらったのは…このブログでも何度か紹介している夢枕獏の漫画エッセイ「ガキの頃から漫画まんがマンガ」でした。
漫画愛好家の3人を聞き手に仕立てて、対話形式と言うか夢枕獏が語るのをそのまま本にしたと言う、 当時としては珍しい作りでした

ガキのころから漫画まんがマンガ

ガキのころから漫画まんがマンガ

1987年の本で、実はこの頃まだネタバレというものに対する暗黙のルールみたいなのが確立されてるようで確立されてなかった…。あと、マイナー作品が、再刊されるかどうかって、かなり怪しいものだったから「後世にすごい作品を伝えなきゃいけない!」が暴走して、ぶっちゃけ最後の最後の落ちまで語っちゃってるんだよね。

でも自分はそのネタバレに怒ることなく、そもそもこの紹介のおかげで作品に触れることができたので、感謝しかない。

そして実際の話として、この夢枕獏が「バイパスの夜」 を熱く紹介した時の語り口は、 それ自体がこの漫画とは別の魅力を醸し出していた(よくある話ではあります。要は浜村淳ですね)。

そんなことを唐突に思い出したので、勢い余って今度は私がこの夢枕獏の紹介文を皆さんにお伝えしたい。
とはいっても時代は21世紀になり、さすがにあそこまでのネタバレというのはちょっとアレだ。その部分は外しつつ、それでも結構内容は踏み込んで紹介しますので、作品を丸ごとそのままこれから読んでみたいという方は避けるように。

読んでみたい人は収録本を購入でよろしく。

「ガキの頃から漫画まんがマンガ」47、48Pより。

夢枕獏
「空気の底」ていう短編集があるんですけどね、この中に怖い話があるんですよ。「バイパスの夜」というね。
※【重要情報】実際に購入した方から2018年現在収録されている短編集は「時計仕掛けのりんご」だとの情報ありました。
なにしろ夢枕獏本は1987年の情報なので、おそらく再構成されていてもおかしくないと思います…というか確認できました

【目次】
処刑は3時におわった
聖女懐妊
時計仕掛けのりんご
バイパスの夜

イエロー・ダスト
悪魔の開幕


これを読んだ時はもうゾクゾクっとしてね、こんな怖い話を書く人は、もうまともじゃないなと(笑)。要するに深夜の雨の日にね、タクシーを拾うんですよ、男の人が。で、 車の前と後ろで、走りながら怖い会話をするの。だんだん話をしているうちに、タクシーに乗った男の人が、何と言うかな「実は大金を俺は盗んで、これからそれを持っていくとこだ」「人を殺してるんだ」とかいうんですよ。それでタクシーの運転手に「仕事がうまくいった夜は誰かにしゃべりたくて喋りたくてたまらないもんだ」って不気味な顔で言うんですよね。「まだ俺は拳銃を持ってて弾が残ってる」とかね。タクシーの運ちゃんがだんだん汗かいてくるんだけど、そうしたら今度はタクシーの運ちゃんがしゃべる版なんですね。するとタクシーの運ちゃんが「実は俺は女房を殺した」なんて話をはじめるんです、ブツブツ、ブツブツね。それで「だんな、信じねえでしょうな、こんな話」なんて言うんです。で、「実はトランクの中にその女房の死体が入っている」って。
 
Y男 あー、後ろの。
 
夢枕獏 うんすごいんだよね。で、「だんな、女房をどこに捨てたらいいでしょうかね」なんて聞くのね。
 
Y男 脅かしですね。
 
夢枕獏 そうですよ。で、両方でじっと黙って、最後に二人で笑い合うんですね、「旦那も人が悪いね」とかね。 で、冗談に紛らわそうとするんですね。、二人で。「あんたこそ罪な奴だ」とかね。「トランクから赤いものがポタポタ垂れてるぞ」とか。ラスト近くで高速で走りながら
 
<======獏先生、語り過ぎです!! 一部強制カット=======>
 
もうなんか自分で怪談集かなんかのアンソロジーをやるときは絶対入れてやろうと思いましたね、これは怪談としても逸品でしたね。


んで、「世にも奇妙な物語」で映像化されてた、と。