ぶっちゃけ、好きでないので読んだ著書も少なく(佐高信氏のほうが多いぐらいだ)、だいたい下のツイートに感想はつきる。
故渡部昇一氏、嫌いな言論人だったけど(一言でいえば「逆佐高信」)、2つほど感心した論が。
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) 2017年4月17日
一つが「歌の前の平等」(万葉集には天皇も庶民も収録される)、もう一つは「冷房は決して贅沢ではなく、(知的)生産に必要な設備だ」との主張
特に後者はまだ冷房贅沢論が蔓延してた時代に主張した。
引用記事のリンクは渡部昇一氏の訃報に接して紹介するのもなんだけど、誹謗や中傷とかじゃなく、実際の話として、福田恆存氏による渡部氏への批判を紹介しておこう。https://t.co/6WHAVUsOYp
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) 2017年4月18日
に書いたけど、分量あるので画像で。
記憶頼りで書いたが後で福田全集読み直し、原文を確認したい pic.twitter.com/DjUyq6K07Q
福田恆存は戦前「野球部員を特別扱いは出来ない」と主張し、高校を追い出された。 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100819/p5
ふーむ、渡部氏についてはともかく、本好きの人が亡くなり(2017年4月渡部氏逝去)、それによって一つの意図のもとに集まった蔵書が死蔵なり散逸するかと思うと、粛然とした思いはするな。明日は我が身の話だ。 / “渡部昇一先生 - 一…” https://t.co/DL4iCtK2IJ
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) 2017年4月18日
http://d.hatena.ne.jp/shins2m+new/20140708/p1
渡部先生の書斎に案内していただきました。
2階建ての書斎には膨大な本が並べられており、英語の稀覯本もたくさんありました。伝説の『ブリタニカ百科事典』第1版の初版をはじめ、歴代のブリタニカもすべて全巻揃っていました。ちなみに先生の蔵書は約15万冊だそうです。これは間違いなく日本一の個人ライブラリーでしょう。
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わたしたちはチョーサー『カンタベリー物語』やパスカル『パンセ』の初版本などをはじめ、日本に1冊だけ、世界でも数冊しかない貴重な書籍の数々を見せていただきました。珍しい黄金の鷲(等身大!)の書見台もありました。それから、渡部先生の本に対する想いを聴かせていただきました。心に沁みました。まるで夢を見ているようでした。憧れの「知の楽園」についに足を踏み入れることができ、本当に幸せでした。
(略)
奥にはさらに巨大な書庫があり、仰天しました。
ボタン1つで扉が開き、その全貌が見えた瞬間、わたしは「ここはサンダーバードの基地か!」と思いました。滝も流れ落ちていますし・・・・・・。
ここには、先生が普段お仕事をされておられる机が置かれていました。非常に静かで邪魔するものは何もない、周囲は本の森・・・・・・こんな環境に身を置けば、わたしも次から次へ本が書けそうな気がしてきます。
机の上には、オックスフォード大学から刊行された分厚いチェスタトンの伝記が置かれていました。もちろん英語で書かれていますが、先生は「これは伝記の中でも最高の一冊です。ぜひ読むといいですよ」と江藤君にアドバイスしていました。江藤君は東北大学の英語学の教授です。プロの学者同士の真摯な会話に、わたしは静かな感動をおぼえました。
机の前面の書棚には先生のこれまでの著書が並べられていましたが、総点数は700冊近く、総発行部数は3000万部を超えるそうです。絶句!
(略)
渡部先生はおそらく世界一の蔵書家です。実際、10年以上前に洋書だけの先生の蔵書目録を作成されたそうですが、それを見たイギリスの古書店主たちが「これだけの質と量を兼ね備えた個人ライブラリーはイギリスにも存在しない」と言われたそうです。凄い!
諸行無常とはいえ、これらの本が、古書店に売られるのか、子々孫々、あるいは財団的な何かに引き継がれるのか、図書館に寄贈され(て、図書館が困るのか)・・・・・・・自分の蔵書も、本当に数千分の一だが、自分が死ねば周囲には不要になるだろうものであり、やはり繰り返すが、粛然とする。