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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「韓国では『黙示録』が一番人気。日本では人気がありません」…共通に読まれる「聖書」の差異で、お国柄や歴史は比較可能か?

韓国へ行った。
所用の傍ら、内村鑑三の孫弟子にあたる盧平久氏にお目にかかり、半日ほどいろいろと話し合った。
(略)
話題は当然、聖書や聖書関係図書の出版へと進んだが、その途中で話がちょっとチグハグ…(略)というのは、聖書は旧約新約あわせて66書から成り立っているが、その全部が平均的に読まれているわけではない…(略)売れるものと売れないものが、はっきりと出てくる。
そしてある書が売れて、ある書が売れないことは一種の常識になっており、私はなんとなくこの常識が、世界に共通する常識のように錯覚していた。
(略)
私がなにげなく「日本ではヨハネ黙示録はまず絶対に売れません。そこで希和対訳分冊版ではこれを最後に出版するつもりです」と言うと先生は非常に驚かれ、「韓国ではヨハネ黙示録の注解書を出せば金儲けできますよ」と言われた。
金儲けはもちろん冗談だが、そういえるほど韓国人にアピールするという意味である。
今度は私が驚いた。と同時に、これらをうまく対比すれば日韓両民族の民族性の違いがわかるのではないいかと思った。
というのは、聖書は世界どこでも同じ本だから、その中のどの書が特にアピールするかを調べて対比すれば、民族性の違いがある程度は把握できるはずだからである。
そこで盧先生に韓国人にアピールする本を尋ねると、先生はためらわずに「旧約ならホセア書、新約ならヨハネ文書(福音書と書簡)とヨハネ黙示録」と答えた。
「フーム」と私は内心でうなった。まさに日本と対照的、日本ではこの系統は少なくとも傍流であり、日本で読まれる書をこのように取り上げれば、「旧約ならアモス書、新約ならルカの著作(福音書使徒行伝)およびローマ書」となる、。もちろん流行的一時的現象は別だが、長期的恒常的に販売面からみれば、おそらくこれが異論の余地なき実態である。

以上、

より。(210、211P)
この話、山本氏の別の本で知って以前もこのブログで書いたが、出典や正確な記述を忘れていた。
今回確認できてありがたい。



全体的に同じ物をまず切り取り、そこの差異を見る事で深く分析する…ということでは、自分は以前から「インターネットは世界どこでも1990〜2000年代にヨーイドンで始まった。ここで人気のサイトやサービスは何か?の比較は国民性の比較になりえるのではないか」と、このブログで言っていたね。日本の「2ちゃんねる」に該当するのは何か。クソコラや大喜利はあるのか。アマゾンに完全席巻された国と、楽天やアリババなど、その国独自のネット通販がある国と……

そんな比較のように、クリスチャン内ではあろうが「聖書で人気(売れる本)なのはどこか?の比較」は面白い。

韓国でヨハネ黙示録が読まれるのはなぜだろう?
「過酷な植民地支配や朝鮮戦争の苦しさのなかで、「ここではないどこか」での一発逆転を人々は求めた」というのも、なんとなくもっともらしいが…これは自分が根拠もなく、しいていえば白蓮教や黄巾の乱などの中国の例から考えたこと。
山本氏は、盧先生の説とあわせて「感情において直感的につかめる、たとえていえば芸術品に『いいなあ』と感動するような理解」を韓国人は行い、日本人はその美術品に解説を求めるように、「これこれにはこういう意味や来歴があり…なるほど、すばらしい」という論証的な感動、理解を行う・・・との見方を紹介している。

finalventさんなんかは、どう考えるのだろうか。興味を持った。