【記録する者たち】(準タグです。この言葉で検索すると「記録」に関する記事が出てきます)
以前にも書いたけど、田中さんはいまだに原稿用紙に手書き。で、『銀河英雄伝説』の原稿は、当時の編集さんと田中さんのあいだで行き違いがあって、ぜんぶ行方不明になってる。ほんと、残念だなあ。
— 安達裕章 (@adachi_hiro) 2016, 2月 15
このあとはツリーのコピーで…
https://twitter.com/adachi_hiro/status/699158720828149760
太田忠司 @tadashi_ohta 2月15日
えええええっ、歴史的遺産が……! RT @adachi_hiro: 以前にも書いたけど、田中さんはいまだに原稿用紙に手書き。で、『銀河英雄伝説』の原稿は、当時の編集さんと田中さんのあいだで行き違いがあって、ぜんぶ行方不明になってる。ほんと、残念だなあ。
安達裕章
@adachi_hiro
@tadashi_ohta それ以後のナマ原稿については、しっかりと弊社のほうでも管理しているんですが。残念なことに『銀河英雄伝説』の原稿だけは見つからないままです。
太田忠司 @tadashi_ohta 2月15日
@adachi_hiro それは残念なことです。どこかで現存してくれていればいいのですが。
安達裕章 @adachi_hiro 2月15日
@tadashi_ohta 本当にそうですね。まあ、本人がいちばん残念だとは思うのですが。
きり。 @kotonoha168 2月15日
@adachi_hiro @tadashi_ohta
渋谷陽一さんが、大友克洋さんの原稿なくしたって聞いたときもかなり驚きましたけど、これも相当すごい話ですね( ̄ω ̄;)
自分は実のところ、「複製芸術」である小説や漫画の生原稿は、そんなに重要視するタイプではない…だが、夢枕獏・田中芳樹の二人で「われらで時代の最後を飾ろう!」と誓い合ったという、手書き原稿のラスト・サムライである。この場合は、おそらくびっしりと修正の書き込みがあるのではないか。
司馬遼太郎氏の原稿がそうだった。
こういうものだと、最初の構想と最終の文章の変遷や作者の意識が手に取るようにわかり、実にありがたい。残念ながら、現在のワープロ文化では逆に消滅してしまった資料である。それが事故的に無くなってしまっているとは…
田中氏は銀英伝でもアルスラーンでも創竜伝でも「記録や資料、文書を保存する、後世に残す」ことに大きな価値を置いていて、それを軽んじる役目を、悪役の悪役たるふるまいにしている。中国史の影響だろうか。
その田中氏の、もっとも重要な「資料」が後世に残らないのだから、歴史の女神も皮肉に度が過ぎている。
(アルスラーン戦記、中村地里版)
しかし、さらに皮肉が待っていて…「当時の編集さん」ということは、たぶん徳間書店の人じゃろ?
その創業者、徳間康快という人は毀誉褒貶あり、天衣無縫、波乱万丈の人であった…ほんとに出版人とか映画人の枠を飛び越えた戦後史の”怪人”なのだが…
この前、スタジオジブリのプロデューサー鈴木敏夫氏が、「歳月」というコラムでこの人との交流を振り返るコラムを書いており・・・、こう締めくくっていた。
その徳間康快が、60年間、欠かさずに書いたという日記帳が存在するのだが、現在、杳(よう)としてその行方が知れない。
これ、銀英伝の原稿と違って、意図的に隠したい!と思う人がいてもおかしくない(そういうヤバイ系の人でもあるのだ、故徳間氏は)。
いずれにせよ、歴史の女神はこういうところまで芸が細かい。
まあ、どちらの資料も「今、無い」のも事実だが、歴史の女神の気まぐれによってひょいと発見されるかもしれない。
そうであることを祈ろう。
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