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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

大成功した世俗的漫画家と、繊細なアート系漫画家の不幸かつ幸福な出会い…両側の視点で「競作」されていた

たまたま偶然に目に入ったツイートだが。

nae @____nae____
https://twitter.com/____nae____/status/602332185241133056
今日は漫画家ような山田花子さんの命日。
弘兼憲史山田花子の生前にインタビューした漫画をリアルタイムで読んでる。

http://iwainohondana.blog85.fc2.com/blog-entry-194.html

しかし、彼女からみればこうだったであろうという漫画を今日初めてみた。
http://amanoiwato.info/?p=356

弘兼憲史と、山田花子
アメリカでは、カール・ゴッチとディック・ハットンジョージ・ゴーディエンコの試合を、ガチ好きのプロモーターが興味本位で組もうとして、メインに出場するルー・テーズが「こんな危険なカードを組むなら、私は今日の試合をキャンセルする!」と脅して中止させたんだぞ。
それは違うか。

冗談を抜きにすると、
自分は 1つの事件、事象を2つの方向から見る、という手法の作品が結構すきだ。
これを意識的にやっている「食う寝るふたり 住むふたり」は、同棲する男女の機微を描くという、テーマ的にはなんとも食指の動かないジャンルだが(笑)、手法への興味があるので読んでいる。

喰う寝るふたり 住むふたり 1(ゼノンコミックス)

喰う寝るふたり 住むふたり 1(ゼノンコミックス)


ちょっと違うが、ある作品への「ツッコミ」を、主人公と違う別の登場人物の視点から描くというパターンを、ここでも何度も紹介してきました。
繰りかえすのもなんなので

尾崎豊の「15の夜」をバイクを盗まれた側から歌ったら(笑)&「視点裏返し作品」まとめ(「キラキラ」最終回より) - 見えない道場本舗 (id:gryphon / @gryphonjapan) http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120331/p6

忠臣蔵
 
うらなり (文春文庫)

うらなり (文春文庫)

(坊ちゃん)
 
悟浄出世

悟浄出世

西遊記この表題作は、青空文庫があります
 
芥川龍之介「猿蟹合戦」
http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/140_15196.html
 
拙作『「おおかみこどもの雨と雪」と児童相談所
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120803/p2


などなど…そして、今回、弘兼氏視点の漫画と、山田氏視点(であろう)作品が二つ並んだのは、ナチュラルにそういうマルチ視点の漫画の傑作が出来ていた…と思いたいのである。


弘兼氏の社会的言動にはやたらと粗雑で乱暴なところも多いのだが、この対談に関しては、おそらく氏は氏なりに気を使い、いろいろと「歩み寄ろう」としていた感じも感じられてやや同情する。
山田氏のほうもそうで、どちらも必死で、ある程度は相手を理解し、接点を持とうとしてた。
だがそれでも、これは、マッチメーク自体が不幸な巡り合わせだったのだ。

http://iwainohondana.blog85.fc2.com/blog-entry-194.html
(略)…自殺した人、精神を病んだ人・・・というフィルターを抜きにしても、かなり稀有な、相当のコミュニケーション能力の欠如が傍目からもわかる人だったのかもしれません。なにしろ対談相手は間違いなく社交的でおしゃべりな弘兼氏なんですから・・・。氏も彼女を「緊張して黙っていた」といったさまでは表現しておらず、あまりに特徴すぎる新人として扱ってますが、これが表現できるギリギリだったのかもしれません。

http://amanoiwato.info/?p=356
……弘兼氏にしてみればやたら緊張している新人を何とかリラックスさせようとあえて「フランク」な態度で働きかけようとしていたのだろうが、山田花子の側に立ってみれば、ただでさえ内向的で気が弱く話し下手な二十歳ちょい過ぎの若者、そして新人が、年齢も業界内のキャリアもはるか上のベテランの大物を目の当たりにすれば少なからず固くなって言動もぎこちなくなるだろうし(緊張している相手に「固くなるな」「リラックスしてよ」とか言うのは鬱の人に「頑張れ」というのと同じくらい逆効果だ)、そのうえズゲズケ立ち入ったところまで聞かれたら警戒して萎縮するのもやむを得ないのでは。

せめて双方に共通の話題が見出せれば会話の進展も有り得たのだろうが、このお二人の場合、まず経歴を見ても作風からしても、どこから考えてどう見ても相通じる要素は……(後略)

弘兼氏もサラリーマンものでは、なんか不自然に部下との距離を縮めようとするのだが、そのアプローチ自体が旧態依然で、かえってひかれる中年管理職の悲哀を描いていることも多い。弘兼氏が常に島耕作のようになれるわけでもないのだ(それはそれで、おおいに困るし(笑))


表題を「不幸かつ幸福な出会い」としたのは、その出会いが私的にはどんなに不愉快であったとしても、結果的にこういう「競作」…あるいは「二つで一作」の作品が、後世に残ったのを、無責任な一読者としては「うれしいな」と感じたからだ。
一人は故人。こういう形でも、彼女が思ったであろうこと、見たであろう事は残った。
それは幸せではないだろうか。



余談 弘兼氏以上の「大物」でも、この人はこんなに気軽に…

PARマンの情熱的な日々 4 どこへでも飛んでいく編

PARマンの情熱的な日々 4 どこへでも飛んでいく編

http://www.news-postseven.com/archives/20150512_321415.html
いやぁ、期待通りと言おうか、期待以上の面白さだ。本書の見どころ読みどころはたくさんあるが、その内の一つは著者が大のパーティー好きなことだ。『ジョジョの奇妙な冒険』で知られる荒木飛呂彦のパーティーにも出かける。「ワシはあまり荒木飛呂彦さんとおつきあいがない。それなのに何故でかけたのか」。それは『ジョジョの奇妙な冒険』が大好きだからだ。

 だが超満員の会場で、「ワシの知っているヒトは誰もいない」。もう帰ろうかな、と思っていたら、知人を一人見つけた。しかも彼は手招きをしてくれている。「あのちばてつや氏!!」だ。そして壇上で荒木飛呂彦と対面し、スピーチをした。