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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

森達也氏、シャルリー・エプド本に反対し寄稿拒否…過去の言動と矛盾してない?

森達也情報室 @MoriTatsuyaInfo · 2月11日
本日(2/11)の朝日オピニオン面に森達也の記事掲載。「人質事件とメディア 集団化と暴走を押しとどめよ」
http://digital.asahi.com/articles/ASH2977NXH29ULZU020.html
また社会面「シャルリー転載本、悩む現場 風刺?侮辱?論争上陸」にもコメント掲載。
http://digital.asahi.com/articles/ASH2B5J5TH2BUTIL02W.html

森達也情報室 @MoriTatsuyaInfo · 2月11日
第三書館シャルリー本については、森達也が1月末に朝日新聞に寄稿した文の転載をお断りした経緯がありました。コメントを抜き出して書いておきます。
どの絵を載せるかはっきりせず出版の趣旨に十分納得できなかった。モザイクをかけても預言者の姿はあるのだから、イスラム教徒には許しがたいはずだ。さらに映像表現に従事する立場としては、ネガティブさを強調する記号であるモザイクを安易に使うべきではないとの思いもある
(2/11朝日新聞社会面より)

あれー……?

日本の読者が気づかない『聖☆おにいさん』の謎|森達也 リアル共同幻想論|ダイヤモンド・オンライン http://diamond.jp/articles/-/23714

なぜムハンマドは登場しないのだろう

聖☆おにいさん』のイエスブッダは、立川の賃貸アパートに住んでいる。ここを訪ねる登場人物は多彩だ。ブッダ十大弟子とイエス十二使徒。イエスの父(つまりヤハウェ)や母(マリア)、ミカエルやウリエルなどの天使たち。梵天帝釈天などヒンズーの神々。スジャータにマーラにアングリマーラヨハネアブラハムにゼウス。

 彼ら多彩なキャラクターが繰り広げるスラップスティックなストーリーを読みながら、ふとこの疑問を頭に思い浮かべる人は、決して少なくないはずだ。

 なぜムハンマドアッラーフは登場しないのだろう。

 世界の3大宗教はキリスト教イスラム教と仏教だ。ブッダもイエスも、そもそもは人間だ(イエスの場合はちょっとややこしいが)。つまり預言者。ならば同じ立場にいるムハンマドが、3人目の聖☆おにいさんとして、この漫画に登場しない理由はない。でも登場どころか、噂話にも出てこない。

 ……登場しない理由はないと書いたけれど、実は登場しない理由はわかっている。わかってはいるけれど、やっぱりこれは相当に不自然だ。やりようはあると思うのだ

その後の「やりよう」の森流達也の脚本(二次創作?)が展開され…「登場させないと、逆にムハンマドを除け者にしているように見える」という意見も二人が語ってる(笑)

 著者の中村さんに提案。このくらいなら描けると思うのだけど、どうでしょうか。

と〆られる。
まあ、脚本的には二人の対話の中に出てきて、似姿は描かれないからセーフセフ、ということなのかもしれないが、それで通じるかは知らん(サウスパークも、結局違う人だったというオチだったよね?)


まあ、こっちはある意味、枝葉だ。
むしろ森達也氏の今回の事件での異論を聞いたとき「あれ?」と思ったのは映画
・「靖国
・「ザ・コーヴ
において「批判は自由だが、まず見られる環境は作らないと、守らないといけない。見ないと批判もできないではないか」という論法によって、上映を推進し、上映中止などを批判していたと思ったが…いくつか見つけた。

ザ・コーヴ」上映反対運動に対して

http://www.asyura2.com/10/hasan68/msg/541.html
【森】いろんな批評や意見が出ることは当たり前。でも表現そのものが封殺されるという状況は非常にまずい。しかも彼らのほとんどは作品を観てもいない。

靖国」上映反対運動に対して

映画「靖国」上映中止をめぐる大議論 (TSUKURU BOOKS)

映画「靖国」上映中止をめぐる大議論 (TSUKURU BOOKS)

これから予想される右翼の街宣活動を警戒して上映を見送るとの動きを、すでにいくつかの上映館の側が始めています。結果的には立派な圧力であり統制です(95P)

ラーメンを食べる前に「こんなまずいラーメン作りやがって」と怒っても仕方ない。まずは食べるべきです…(略)観る前に抗議するべきではないとはぼくは思わない。自分も観たくないし人にも見てほしくないと意思表明する権利はあります。それに対しては「観てから言え」と反論すればいいだけの話です(53P)

責任を取るなどと気軽に言うべきじゃない。責任なんて取れない…僕ら製作者が覚悟すべきは、責任を取れない覚悟です(61P)

まあ、「創」最新号ではもっとはっきりシャルリー・エプドに反対を表明。お馴染みの「強者か弱者か」での判断基準。

最新の「創」で書いてたね。

少数派とか弱者とかという基準だが、たとえば「ザ・コーヴ」は欧米で公開されると少数派攻撃になり、日本で公開されると多数派・強者批判?(でも漁師は少数派だよな…)
聖☆おにいさん」、ブッダの部分は強者、多数派の風刺で、キリストの部分は対称は少数派?外国メディアにいくと、世界規模だと多数派?…靖国を「熱心な靖国神社信者」を想定すると、それが少数派or多数派??などなどの疑問が生じるが、とりあえず森氏のシャルリー・エルプド風刺画への意見は画像の通り。


でもこうやって並べてみるとやっぱり「過去の言動と矛盾ですなあ」「森達也vs森達也ですなあ」と感じたのでした。

イスラム・ヘイトか、風刺か

イスラム・ヘイトか、風刺か