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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

盗撮などで有罪の犯人が「それでも映像は捨てない」と言い張った時、どうなるの?

【となりのビッグブラザー
人力検索はてなでのQと連動しています。
こちらは字数に関係ないのでやや増補して。

http://q.hatena.ne.jp/1423273759
盗撮やリベンジポルノで有罪の犯人が「それでもこの映像は捨てない」と言い張った時、どうなりますか?

告訴取り下げ:盗撮ビデオ処分条件 弁護士を近く懲戒請求
http://mainichi.jp/select/news/20150206k0000m040165000c.html
強姦罪などに問われた経営者の男に対する公判が5日、宮崎地裁であり、男が関与したとされる別の強制わいせつ事件の被害者3人分の盗撮ビデオを新たに証拠採用した。

 公判で被告の男は、ビデオ撮影に際し被害者の承諾を得たのかとの検察側質問に対し「答える必要はない」と回答を拒んだ。

 一方、強姦被害者に対し告訴取り下げを求めた示談交渉について、弁護側質問で「(弁護士に)示談が成立したらビデオは処分すると言われ納得したが、(示談が)決裂したのでそういう(処分をする)つもりはない」と陳述した。ビデオ原本は弁護士から警察に提出された後、再び弁護士に返却されている。


という事件から連想して考えました。
条例や法律で盗撮という行為は罰せられますが、元々「撮影」という行為自体の歴史が200年もなく、さらに物理的な影響は直接は無いので法律上の不備がたくさんあるような気がします(「デジタル万引」など)。

タイトルのような状況のとき、どうなるか実例や判例を含めご教示ください。
また、盗撮といっても「政治家の不正行為を撮った」なんて場合もありますよね。その時、盗撮での裁きはは甘んじて受けるが映像は公開する」という場合なども想定するとどうなるでしょう?

その、毎日新聞の記事についたブクマもご覧ください。

http://b.hatena.ne.jp/entry/mainichi.jp/select/news/20150206k0000m040165000c.html

shiroikona333 だから同意なしの撮影は違法行為じゃないんですよ。何の犯罪でもないのにビデオを没収したらおかしいじゃないですか。是非は別としてそこを間違ってるコメント多過ぎ。
 
hal9009 なんで返したんだろう。有罪なら没収対象になり得そうなモノのはずなんだがなぁ…。警察検察も被害届が出されたからってだけで捜査起訴したわけでもなかろうに
  
houjiT 撮られている一方が感知してないのが判明している以上、どう考えても違法な物品だろう。何故警察は右から左へ流しているんだよ
  
Xcrgfw2015Xcrgfw2015 潔白の証明になるんでしょ、裁判で証拠として提出するんだから処分するわけ無いじゃん。弁護士がクズの取引のために資格剥奪をかけてまで脅すわけ無いじゃん、相手側が脅された−って言っているだけじゃないか
 
Lhankor_Mhy 『ビデオ原本は弁護士から警察に提出された後、再び弁護士に返却されている』『決裂したのでそういう(処分をする)つもりはない』←はああ!? え、ちょっと、そういうもんなの? 処分する方法ないの?


ちょっとこの件については特殊な事情があるので、整理したい。
くだんの映像というのは、被告・被告側弁護士に言わせれば「自分たちの無罪を証明する証拠になり得る映像」である、と主張しているのであります。
で、脅されたと言われてる女性からは、その映像が公になる羞恥心、恐怖心をテコに、示談を結ばせようという脅迫だとの主張がある、ということだ。

強姦被告側弁護士:「示談なら暴行ビデオ処分」被害女性に - 毎日新聞 http://mainichi.jp/select/news/20150117k0000m040155000c.html


こういうパターンの板ばさみも確かに存在する。
特に性的な犯罪の場合、「公開で公判しなければならない。弁護側は『被害者の証言の矛盾』や『被害者の過失』を自由に追及していい」という、近代的な裁判の大原則が、そもそも被害者にとっては耐え難い苦痛であるという、ある意味で解決不能の大問題がある…
以前、法廷で生まれたこういう実際上の問題。今はついたてとか、いろいろ配慮はされているみたいだが。

性犯罪被害者が、裁判所での証言に際し、全身を覆って出廷した(朝日新聞) - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120524/p3

ただし、もっと大きな前提として…これもこのブログを前から読んでいる方にはお馴染みのテーマだが

・「撮る」「撮影」という行為は、150-200年ほどの歴史しかない、新しい概念である。
・だから、その前に基礎が定まった法律の概念に馴染まない点、法律が想定していない点がたくさんある。
・特に大きいのは、いかに他者に対して迷惑だったり、実際に(悪)影響を持つとしても、『物理的』な権利を(一応は)物理的に侵害していないという点。
・壊す、盗む、殴る…といった侵害とは違う。
・そのへんの問題に関して、法律、政治、行政や社会はどう対処していくのか?

という話です。
自分はこのような視点からグーグルストリートビュー、顔認証システム、監視カメラ、デジタル万引きドキュメンタリー映画靖国」「THE COVE」……などなどを考えてきました。
また「膨大すぎて見つからない」「まぎれてしまう」ことが前提だったものが分かるようになる、という「検索する」「ビッグデータ」にまつわる話も、自分はほぼ同一のテーマとして追っています。
※これらの記事には出来る限り【となりのビッグブラザー】という単語を準タグ的につけているので、上の単語で検索すると結構な過去記事が出てくると思います。


今回、取りあげた問題は「盗撮で有罪になったら、その画像を強制的に廃棄させる仕組みはあるのか」というかなり具体的な話で、知っている人は知っていて一発でご教示いただけるたぐいのものとは思うのですが、そんな問題の一環として。

追記すれば、これは「現行法ではどうこう」を議論するのもいいけど、「そういう映像は没収する」的な新法を作ったほうが手っ取り早いのではないか。

人力検索はてなのほうに寄せられた回答を転載します

なぽりん [はてなブックマークで表示]回答回数3649ベストアンサー獲得回数6142015/02/07 17:34:51
Q&Aコーナーの
http://www.kensatsu.go.jp/qa/qa4.htm
「押収された証拠品は返してもらえますか?」というところを読んでください。
そういった画像は押収すべきものですが、さまざまな事情により押収されないことがあります(告訴された人がやむを得ず弁護用の証拠として避難させていることもあります)
現状は基本的に所有権の移転(没収)が目的の裁判ではないので返さざるを得ないのでしょう。
 
引用例はどうみても弁護士または被告人がおかしいです。
犯罪者の罪を軽くさせるという目的のために
相手を脅迫することで告訴をとりさげさせようとするとは。
犯罪者に証拠を全部すてさせるなどして反省の行為をさせ、
それを見届けて裁判にのぞませたうえで刑の軽減を求めるのが
弁護士本来の仕事ではないかとおもいます。
法を良く知る筈の弁護士があらたに脅迫の罪を犯すとは本当にびっくりしました。
 
とはいえ、被告人がどうしても取引をしたがっているようで本当に困ってのことかもしれませんが、
それは本来の強姦事件の訴訟のゆくえとは違う話です。
これから司法がこの事件に学んでどう対処するかになるかとおもいます。
まず原告(女性側)弁護士が破棄・没収・所有権返還を求める裁判を起こすなどといった
各種の手だてを検討中だとおもいます。
最近リベンジポルノについて議員立法(案)がありましたのでhttp://www.itmedia.co.jp/news/articles/1411/18/news130.html リベンジポルノ法の施行後は言いふらし行為を監視し告訴することができます。さらに予防的に強化されるとよいですね。