ずっと予定していたが、さぼっているうちに複数のトピックが…。
「うしおととら」待望のテレビアニメ化決定!今夏放送開始! - シネマトゥデイ http://www.cinematoday.jp/page/N0070362
漫画家・藤田和日郎による1990年代を代表する人気コミック「うしおととら」がアニメ化され、今年の夏にテレビ放映されることが決定した。
「うしおととら」は、1990年から1996年にかけて「週刊少年サンデー」(小学館)誌上で連載された妖怪漫画。妖怪退治の力を持つ武器「獣の槍」を操る少年・蒼月潮(あおつき うしお)と、彼の手によって500年ぶりに槍の封印から解放された妖怪・とらのコンビが、槍に群がる妖怪たちと戦いを繰り広げる姿を描く
アニメ化と聞いて思ったことを断片的に。
この話を聞いた時の感想は、ひとことでは言い表せない。
『まず作品のクオリティとしては文句はない、「優れた漫画がアニメになる」というのが流れなら、これがアニメになっていなかったのはそもそも、確かにおかしかった』
『にしても、やはりその武功と才は万人が認めるとはいえ、”悠々自適の退役将軍”ではないか。それに召集がかかるというのは…』
(※↑この連想は、この前のこの見立てhttp://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140910/p1 を引きずっています(笑)。藤田先生には…メルカッツ役をやってもらいましょうか(笑))
『サンデー黄金の90年代「ナインティーズマフィア」というくくりはやっぱり正しかったんだな』
『てか、現役サンデー世代がだらしないからじゃねえか? 世界は”枠”で動くから、「アニメのサンデー枠」を何かで埋めなきゃならない…そんな中で、その枠を今埋めるのがないから、黄金の90年代から伝説の封印を解くことになったんだろ』
などなどなど。
そんなことを思いながら、やっぱり嬉しくはあるのでした。自分はアニメーションをなんだかんだとスルーすること多いので、自分がいい視聴者になるかの自信はないのだが…
こんなまとめもできてた
『うしおととら』アニメ化に大興奮の声&心配の声 - Togetterまとめ http://togetter.com/li/777570 @togetter_jpさんから
20年後に作られ大ヒットの「寄生獣」が追い風?〜うしとらと寄生獣は、同時代で「人間+異形の『バディもの』」というライバルだった…そして作者は…。
はてなのどっかで見たのだが、「アニメ化されるまでに時間がかかったアニメ一覧」という記事があり、寄生獣もうしおととらも、どちらもだいたい19年だか20年だかという、非常に長いスパンでのアニメ化決定、となったそうな(寄生獣はハリウッドが映像化権を抑えてたという事情があるんだが)。
そう、「寄生獣」と「うしおととら」はほぼ同時代の作品だ。だから「寄生獣が映画やアニメ化されて、2015年のいま、ヒットした。だから90年代の名作にもう一度光が当り、『うしおととら』の企画が進んだ」…のかもしれないし、違うかもしれない。
ただまあ、外野的には受け入れやすいストーリーではある。「妖怪ウォッチ」ブームのあれもめちゃくちゃ大きいんだろうけどさ(笑)。「なんでもいいから妖怪さがせ!!地獄先生でも何でも!!」みたいな(笑)
閑話休題、
そしてこの、約20年をへてアニメ化される、という共通点を持つ両作品は
「異形のものと人間が、やむを得ざる状況からコンビを組む」という点では共通している作品でありました。
もちろん、その上での違いを比べると、すっごく違う(たとえば人間側の正義感や積極性、異形のものの性格など…)
自分は、「寄生獣」の映画化が決定した2013年に、こんな記事を書いた。
映画化決定であらためて考えた、岩明明「寄生獣」随想 -http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20131122/p3
バディもの、それも人間(素朴な理想や正義にのっとって行動)+非人間(その正義を肯定しないが、バディとのいきがかりで協力する)だと考えると、今思えば「うしおととら」とも、ほぼ同時代だったよな。当時、藤田和日郎先生は「寄生獣」を意識してたりしたんだろうか。小学館と講談社だし、案外、当事者は気にしてないかもだが。これは勝手な想像である。
ただのファンの一妄言であった。
だが、その後…
2014年2月1日、突然作者自身のツイート。
藤田和日郎@Ufujitakazuhiro
https://twitter.com/Ufujitakazuhiro/status/429569682790547457
父のトクトク本棚をあさっていたムスコの中2の量多が
— 藤田和日郎 (@Ufujitakazuhiro) February 1, 2014
「なにこれ、すっごい……カラダが割れて、ぐにゅうって……!」
「うむ。」おれは重々しくうなづく。
もうそういう年齢になったのだ。
そろそろそれを読んでも良いのだろう。
「バッカ、読めってそれすんげえんだから!」
七月鏡一 @JULY_MIRROR 2014年2月1日
@Ufujitakazuhiro 「寄生獣」ですか
藤田和日郎 @Ufujitakazuhiro 2014年2月1日
@JULY_MIRROR ピンポーン‼︎(^O^)
さっすがー!七月さーん!
「寄生獣」
— 藤田和日郎 (@Ufujitakazuhiro) 2014年2月1日
ムスコよ。
「なかなか良いものだったぞ。」で泣け。
ミギーの身が震えるほどの素敵さに惚れるがよい。
最終回でシヌホドドキドキするがよい。
そんでもって、寄生獣ごっこをするんだ。
おれミギー!
実は『平成の寺田ヒロオ』こと藤田氏、自分が感動した作品は同業者、ライバルの作品だろうと、手放しで絶賛する性質がある(笑)。たいへんすがすがしく、美しく、第三者の我々まで言われて嬉しくなるのだから、その褒められた作者本人にとっての嬉しさは想像もつかない。
ま、そんなわけで一方の「90年代バディもの」傑作の作者は、息子にもう一方の傑作を「すっげえんだから」と薦めるという最上級の賞賛をした。その作者自身の作品も、寄生獣にまさるとも劣らない……ということは、いきなり格が下がるが(笑)、私が保証しよう。
※なお2022年にも,榎本俊二氏が同じように思春期の息子が「寄生獣」を読む風景を見守って話題になった
togetter.com
高2の息子が初めて『寄生獣』を読むという、数多ある漫画体験の中でも1、2を争う至高の体験をいま全身で味わっている。
— 榎本俊二 Enomoto Shunji (@hecky_mitsuo) January 3, 2022
まずはサンデーコミックス版なら19巻を読んでみたまえ(さとりの回)。/詰まらなかったら俺がカネを出そう。
(注意:下のリンク先を全部読むとネタバレになります。ご判断の上でどうぞ)
http://ameblo.jp/yoshiki-0722/entry-10608944644.html
第31章「ブランコをこいだ日」うしとらマニアの間でも非常に評価の高いのがこの31章。鎌鼬の十郎編と似たような展開でありながら、十郎とはまた違った哀しみが溢れるんです…しょぼん
さて前章で全く出番のなかった潮が今回の主役。「嘘をつかない」それを誇りとし自慢とする潮が主役です。
そんな潮が出会った少年が……
「うしおととら」は長編漫画だが、かなり最初の頃から絵も構成もハイクオリティだったので1巻からお勧めしてもいいのだが、やはりこのロングストーリーの中で「珠玉の独立した物語」を紹介するのも意味があろう。
としたら、「さとり」の回を紹介する、というのも平凡な選択ではあるが王道だな。
で、「保険」つうのは何かというと
「もしこの19巻(『さとり』の回など)を読んだけどつまらなかった、カネ返せ」という人がいたら、おれが(はてなポイントで)払ってやるよ、ということです。
一応、細部の条件はこちら
・期間は本日から1カ月(2015年3月7日まで)
・先着三名まで。
・はてなポイントの送信で送るので、はてなユーザーが対象。あるいはこのためにだめでも、はてなアカウントを取ってください
・本日付記事のコメント欄にて、はてなアカウントで「返金希望します」と書き込んでください。
・kindleの代金分=432円分=432ポイントを送信いたします
ま、それぐらいにこの作品はすごい、自信があるがゆえの企画です。
ただ、この「さとり」のエピソード…すごい話なのだが、最終話は20巻収録なんだよな(笑)。