そういえばですね、こんなまとめ記事を最近読みました。
人気漫画「ヘタリア」に韓国差別エピソード多数あることが判明
http://matome.naver.jp/odai/2140964143052983101
アニメや映画版も制作される人気作品となった国を擬人化した物語「ヘタリア」の原作であるウェブマンガに、韓国を差別するエピソードが会ったことが判明。物議を呼びそうだ。なおヘタリアの表現をめぐっては韓国の国会で問題になったことがある
文中でも「典型的なヘイトの1つだ」といった表記がされている。
まとめたのは「gudachan」さん。
http://matome.naver.jp/mymatome/gudachan
さて、自分はブクマでこう書いた
本文中解説だと「風刺」という言葉が頻繁に使われてて、まとめ主さんもちょっとスタンスがぶれてるところが興味深い。 ある意味「差別、ヘイト批判の名目で風刺が抑圧される危険性」が読み取れるまとめかも。
「ポリティカル・コレクトネス」という言葉のほうが使い勝手がいいので応用するが、そもそも国の歴史や民族の特徴をひとりの人間の性格や言動という形で描写する「ヘタリア」が、ポリティカルコレクトに大いに反していることはコレ、間違いない。
それは「サウスパーク」や「いしいひさいち漫画」、あるいは「西原理恵子漫画」あたりが、あそこやあそこを切り取るとポリティカルコレクトの問題に満ち満ちているようなものだ。
ヘタリア Axis Powers (1) Speciale (バーズコミックス)
- 作者: 日丸屋秀和
- 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
- 発売日: 2014/08/23
- メディア: コミック
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以前、こういう記事をかいたことがある。
コーランを焼くということを規制するなら、それはいわゆる「神聖」なものを法的に保護するということになるだろう。たとえば「日の丸を焼く」規制も…という話。
■「神聖」なものを全部(法的に)保護すれば平和は来るが、その方向性でいいすか?
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100922/p3
ここでも最後の〆はこう書いたっけ。
「そういう社会は、完璧に運営されれば今回のカルト牧師が行った(※コーランの)焼却パフォーマンスのような摩擦を生み出すことは無い。そしてあとひとつ言えるのは、その社会には「サウスパーク」と「いしいひさいち」は存在しないだろう、ということ。」
だいたいにしてから、「ヘタリア」という書名が。
「ヘタリア」という書名はそもそも何かっ!!
「ヘタレ」という悪口・・・弱虫、臆病、駄目なやつということを意味する「ヘタレ」と、特定の国だか国民だかを名指しした「イタリア」を合成させた造語である!!!
おどろきましたか皆さん。ひどいよね。
この語源の指摘をしたのは、わたしが最初なのかもしれない。
内容もどうか。大飯ぐらいで女の子が好きで戦いには向かなくて、雄雄しく白旗を掲げるという。
これって日本国内においてはマイノリティであるうイタリアへのヘイト??ヘイト???…まあヘイト=憎悪かというと別に憎悪はしてないですけどがな。
とまあ、戯文で書いたが、まじに取られると困るので、ぼくは「非ポリティカルコレクト作品だが、こういうものも大いにあっていいのでは」という感想です。
ただし、上にあるように、「ヘタリア」に「差別エピソード多数ある」と見なしている人もいるという現状は事実である。
さて、そこで未来の問題、仮定の問題として、『ヘイト表現の「法規制」が行われる際に、ヘタリアがその規制法に違反する将来はありえるだろうか??』というお題を提示しておこう。
もともと法規制自体が現在存在していないので、そもそも仮定の問題として語るしかないのだ。いろいろ方向性はあるのであって、例えば自分は「仮に法規制があるなら」という前提なら、こういう提言をした。
「ヘイトスピーチ法規制」が仮に必要なら…【死ね/殺せ的表現は、対象を問わず規制】がまだ明確では?「少数派か、生来の属性か」的【「対象」の限定】の議論よりは。 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140914/p3
ヘタリアには特定国民や民族を「死ね」「殺せ」はないので、規制を免れる。
『ヘタリアは、我々が想定しているいわゆる「ヘイトスピーチ法規制」によっても規制されないよ』
という話になってもいいし、
「やはり法規制にはそういう問題があるよね、実現するのがいいのかどうか」
という議論になってもいいし
『その通り、ヘイト規制によって「ヘタリア」みたいなヘイト漫画は取り締まる。それがいいことだ』
という議論があってもいい。
どれであっても、議論は深まる…深まるといっていいのかなあ?