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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

ルー・テーズ〜桜庭和志と伝わる「ダブルリストロック」と木村政彦〜グレイシーと繋がる「キムラロック(腕絡み)」は同じか、別物か?

本日はUFC休み。
リアルタイムで見られず、帰宅してムリに深夜に見たら、一応目は開けていたはずだが勝敗すら覚えてなく、再視聴した(笑)。だから2倍の視聴時間がかかった。


そんなことなんで本日は手抜きバージョン。
twitter上の話の丸写しにて。

https://twitter.com/warakoichi/status/515886094026420224
藁谷浩一 ‏@warakoichi
プチ鹿島ライブで会ったプロレス者タカハシさんから「キムラロックとダブルリストロックは同じか」と聞かれ、違うと答えた。これはパラエストラの藤原善明セミナーで確信。

gryphonjapan ‏@gryphonjapan 5 時間
え?どういうこっちゃ?これは世界を揺るがす大問題だよおおお  QT @warakoichi  「キムラロックとダブルリストロックは同じか」と聞かれ、違うと答えた。これはパラエストラの藤原善明セミナーで確信。
 
gryphonjapan ‏@gryphonjapan 5 時間
ここでビル・ロビンソンのダブルリストロックを見てみましょう 
Billy Robinson Double Wrist Lock

  @warakoichi
 
gryphonjapan ‏@gryphonjapan 5 時間
木村政彦のキムラロックを、だれが継承しているのかって話だと拓殖大系の柔道家の映像のほうがいいのだろうが…グレイシーのhow to ビデオもまあそちらの系統だろう。

「キムラ”ショルダー”ロック」という解釈か!
 
gryphonjapan ‏@gryphonjapan 5 時間
どのように別の技なのかわかりましたか皆さん。
底が丸見えの底なし沼…
@warakoichi

最初に登場する藁谷氏はゴン格の編集にも携わり、サンボなどの実践者でもある。
こういう著書もあることは以前紹介した。

ロシアとサンボ -国家権力に魅入られた格闘技秘史-

ロシアとサンボ -国家権力に魅入られた格闘技秘史-


まったく
もって
大変な問題…と盛り上がっているところに

https://twitter.com/reichsneet/status/516103797077057536
辻田 真佐憲 ‏@reichsneet
装甲戦闘車と戦車の使い分けだけで延々と粘着して盛り上がれる人たち、実に省エネな休日の使い方をしている。

というツイートがあり、ジャンルが違うだけで似通ってる気もしないではない。
でもまあ続ける。
なんでかというと、ここにはとある背景があってだ…。


あ、その前に。
昨日のUFCでも「マイティマウス」ことデミトリウス・ジョンソンがキムラだかダブルリストロックで勝利していたね。WOWOW中継は惜しくもフィニッシュが背中からの映像だったが。

ジョンソンは「腕絡みから腕十字の連係」技もかつて使いました。
そのへんのことを書いたこともある。

デミトリウス・ジョンソンが使った「腕絡み→腕十字」の連携について。 -http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130731/p1


閑話休題

先ほどの話に戻って…これが重大な議論になるのは、そもそも、ダブルリストロックが伝授されたであろう、ガス燈時代のプロレス≒”キャッチ”(この記号一つだけで議論になりえるのだ!)についてだ。
「もともとヨーロッパのレスリングに関節技などはなかった。ダブルリストロックのような関節技は、文明開化で伝わった日本の柔道、柔術前田光世やスモール・タニらの猛威によってかの国にセンセーションを巻き起こし、受容されていったからである」という有力説があり、それが「古来からのキャッチがあった派」と学界?を二分していたのでありまする。(そんな学界があるのか、と聞かれれば、ぼくたちの心の中にある、としか言いようが無い)。
参照

キャッチレスリング柔術を考える・延長戦(Gスピ+「翻訳blog」) - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20081127/p2
 
キャッチレスリング柔術の関係についての議論、佳境に(翻訳ブログ、那嵯涼介) - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20081206/p6

「2008年からやってて飽きないのかよ」とかは禁句。
これはまた
「輸入したり、新しく生まれたものを、古来からあった、とかわが国伝統の、と偽装していく」
すなわち『偽史』や『加上説』の問題と重なっていくのではないか、と個人的に思うのであります。古くは神代文字から本地垂迹説、新しくは「江戸しぐさ」や「喧嘩芸骨法(伝説時代)」。

富永仲基の「加上説」について分かりやすく説明してください。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1076143670

そんな中で、カタチはそっくり、ストレッチプラムと冬木スペシャル並みに似ている・・・というか今でも正直違うといわれても納得しがたいダブルリストロックとキムラ(腕絡み)が違う、となれば、これはこれで面白い。


もっとも、「違う技だから起源や経路も別物とはいえない」、という議論も当然出てきて、装甲車の議論以上に省エネな、休日および平日の使い方になるわけです(爆笑)。


「ダブルリストロック」は手首を極める技ではないし、「腕絡み」と言いながら肩を極めたりする。

ので名称はややこしい(笑)。
第一、このブログでは何度も書いたが、UWFインターなどのUWF系は当初、極められた相手の腕の形が鳥の手羽先的になるので「チキンウイング」と言っていたのだが、「チキン」は鳥肌=ビビってる=臆病者に通じる英語の悪口なので、ルー・テーズダニー・ホッジビル・ロビンソンのがんこ3老人が共同で「呼称の言い換え」を要求、それでダブルリストロックになった。
自分は「別に手首を極めないのになあ」と当初違和感があったが、ただ「持つ場所」に着目したこの呼称は、特殊な命名法ではあるものの、やってみると納得がいくのね、これ。


んで、「腕絡み」。これはそのまんま。
だけど、上の引用のところで自分はyoutubeの題名に驚いているけど、
「キムラ”ショルダー”ロック」つうのはその通りなんだよ!!これが極まると、本当に痛くて、折れたり脱臼したりしそうになるのは肩の関節なんだよ!!!

つまりだ、技は名称一つとっても奥深いものなのであります。


ところで、ぐだぐだ書いているけど、、このへんで読者も気付いただろう。

そもそも

https://twitter.com/warakoichi/status/515886094026420224
藁谷浩一 ‏@warakoichi
プチ鹿島ライブで会ったプロレス者タカハシさんから「キムラロックとダブルリストロックは同じか」と聞かれ、違うと答えた。これはパラエストラの藤原善明セミナーで確信。

という話が、twitterの140字だから、
「どのように違うか」
「その理由は何か」

を全く説明して無いんだよ!!!!
じゃあ結論は何かというと、「まあいつか彼が書くんじゃない」で終わり。
関節技の話なのに、
投げっぱなしで終わるというオチでした。


だから今回は手抜きするって言ったろう(笑)?


気になる人は、ここをフォローして気長に待つか、リプライでもしてみてください。
https://twitter.com/warakoichi

追記 その後、解説ツイートがありました

藁谷浩一 @warakoichi · 12時間 12時間前
キムラとダブルリストロック、別に、同じものと言ってもいい。両腕を相手の片腕に絡めて、その片腕(肩・肘・手首、and/or)の関節を決める技として、形的にはさして違わないので。同じ/違うは、どのレベルのところで言うかということ。
 
ただ少なくとも、柔術家・柔道家が通常使うキムラ•腕がらみとは、DWは違うものとして学ばないと、なかなか身につかないのではないかということは言える。
 
組長流に言えば、「やってみりゃわかるよ!」。ちなみに組長は月一回セミナーをやっているようで、関心ある方はHP要チェックを。
 
あ、11•7中井祐樹×プチ鹿島トークイベント@ジュンク堂池袋で、「キムラとダブルリストロック」を中井さんに質問する手がありますよ、みなさん‼︎
 
ちなみにグリさんがリンクを貼った柔術のキムラの動画では下から掛けるキムラだったが、むしろDWだと上からがメインになるのではないか。そう推測するのは、やはり技のポイントが違うからですが。

コメント欄より

バックドロップ 2014/09/30 13:00
ぶり返しますが、グリフォンも参加されてたふるきちさんの記事のコメント欄でもキムラ・DW議論が http://d.hatena.ne.jp/fullkichi1964/20140301/p1
gryphongryphon 2014/09/30 19:51
あー、猪木のはどんなんだろう。
fullkichi1964fullkichi1964 2014/10/02 01:15
猪木さんのはアクラム・ペールワン戦をようつべかどっかで見てもらうとして(笑)。
ここでは、藤原組長が86年頃に週刊プロレスで連載してたサブミッションスクールから、ダブルリストロック(当時はチキンウイングアームロックと通称)からのコンビネーション技をご紹介。デミトリウス・ジョンソンもびっくり(笑)。

ダブルリストロック⇒クロックヘッドシザース⇒腕十字⇒V1アームロック(別称アメリカーナ。ダブルリストとは逆に腕を頭の方に曲げて極める)⇒V2(ピロー)アームロック(V1から手を持ちかえて相手の頭を抱え込んで極める)⇒Vクロスアームロック(V2から相手の腕を自分の足に差し入れて極める。前田がウイリー戦で使用)⇒(わざと逃がしておいて)⇒脇固め⇒ダブルリストロック⇒(冒頭に戻る)

つまり、ダブルリストから無限に円環状につながるわけですね!この恐るべき連携。
おそらくはゴッチやロビンソンでさえここまで体系だっていなかったのではと・・・藤原組長こそはプロレスリングのサブミッションを初めて体系立てた人ではないのかと愚考しています。
ちなみにV1〜Vクロスに関してはこちらが分かりやすく説明・・・いややはり分かりにくいか(苦笑)。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1219263407

ちなみに藤原コンビネーション中の「クロックヘッドシザース⇒腕十字」は鈴木みのるが94年にトーマス・プケット相手に極めてますね。