もう一度、この桜庭スピーチを再読しよう。
「木村先生は偉大な柔道家であると同時に、日本のプロレスラーの先駆者でもあります。柔術、グレイシー、プロレス、MMA、あらためて歴史は繋がってると感じました」【全文公開】桜庭和志、UFC殿堂入り!! 歴史的スピーチを読もう! https://t.co/QV2pQnRKvU
— ジャン斉藤 (@majan_saitou) 2017年7月7日
……ボクはいまでも練習で技術的な発見をすることがあります。とくにグラプッリングは奥が深く、今後もそれを追求していくことがボクのテーマだと思っています。先日何気なく見ていたYouTubeで、柔道の木村政彦先生がアームロックを指導している動画を発見しました。あのエリオ・グレイシーとの戦いを制したキムラロックです。
ボクは我が目を疑いました。取り方がボクとまったく一緒だったのです。これは自分にしかわからない微妙なテクニックだと思っていたことを木村先生が大昔にやっていたのです。
木村先生は偉大な柔道家であると同時に、日本のプロレスラーの先駆者でもあります。柔術、グレイシー、プロレス、MMA、あらためて歴史は繋がってると感じました。時代はどんどん進んでいます。ボクはキャリアも過去のものになろうとしています。いまのファンにとってはボクも木村先生と同じく歴史上の人物だと思われてるのかもしれません。
でも、ボクはまだ生きています(笑顔)。
常に練習を続け、いまだに技術を磨いています。共に練習している若い子たちに技術は受け継がれ、どんどん進化していくことでしょう。ただ、ボクは本当に受け継いでもらいたいのは技術ではなく心です。プロとしての誇りです(拍手)…
すごいことだし、すばらしいことだが…それってどこのどんな点だよ!!
まず、試合の腕がらみがちょっとだけ映っている映像…言うまでもなくエリオ・グレイシー戦だ
そして桜庭が見た「木村の指導するyoutube動画」とは???仮説だが、これではないでしょうか。これの34分から。
・・・・・・・・・・ただ、これを見て「あ、細部のココが桜庭のアームロックと似てる」とわかる人はどれほどいるか。
そもそも桜庭が、試合でアームロックを極めたのは・・・・・記憶だけでまずかこう
◆ホイラー・グレイシー戦
◆ヘンゾ・グレイシー戦
◆美濃輪育久戦
◆船木誠勝戦・・・・・・・・・・だったかな?
これは僕も経験があるのだが、「アームロックは容易に腕十字に移行できる。というかむしろそっちがやりやすい」から、腕がらみで極めるのが最終的な形になることはそれで少なくなるんだよね。
ファイトパス会員ならPRIDEの試合は合法的に見られるのだが。
まてまて、そういう映像を探してあげようかなー、と思ったら、サクラバにはちゃんと指導ビデオがあるっぽいよ!!
I liked a @YouTube video https://t.co/xhCVRlUeg4 SAKURABA Armlock Ver.2
— Connor Murphy (@Connor_P_Murphy) 2017年5月30日
こっちが試合映像。。・・・・・・・・・ああ、UFCの手が回ってるか(笑)
#KazushiSakuraba Kazushi Sakuraba Expert Catch Wrestler Master of the Double Wrist Lock a.k.a Kimura Lock https://t.co/xd1xgMtMvN
— kAz (@ICoolSmoker) 2016年2月14日
しかし、こっちはあったぞ
桜庭 和志 vs 船木 誠勝 https://t.co/B4oI78IEXN
— ひろ越中2. 17日全日、大日 (@hiroinoki) 2016年11月5日
そしてこれで判ったんだが、 Sakurabaで検索したら、もはや普通名詞になりかけていて、そのへんの有象無象の指導者や愛好家が「あのサクラバ流の…」とか「サクラバスタイルでの…」とか書くから、検索がはかどらねえ!!
しかし、以前プロレス者たちが考察していてさ…
木村政彦流の『腕がらみ』と、UWFインターがテーズやロビンソンを招いて習得した「ダブルリストロック」は別物といってもいい、という仮説が以前話題になったんだよな。
どこで話題になったかというと
ここで話題にしたのだが(笑)
2014年の話。
ルー・テーズ〜桜庭和志と伝わる「ダブルリストロック」と木村政彦〜グレイシーと繋がる「キムラロック(腕絡み)」は同じか、別物か? - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140929/p1
プチ鹿島ライブで会ったプロレス者タカハシさんから「キムラロックとダブルリストロックは同じか」と聞かれ、違うと答えた。これはパラエストラの藤原善明セミナーで確信。
— WARAGAI Koichi (@warakoichi) 2014年9月27日え?どういうこっちゃ?これは世界を揺るがす大問題だよおおお QT @warakoichi 「キムラロックとダブルリストロックは同じか」と聞かれ、違うと答えた。これはパラエストラの藤原善明セミナーで確信。https://t.co/JrmN1PUqhN
— gryphon(まとめ用RT多) (@gryphonjapan) 2014年9月28日
いやいや、ふたつの川が、最後のひとつの流れになることもあれば、「分け登る_ふもとの道は多けれど_同じ高嶺(たかね)の_月を見るかな」ということもある。
とくに桜庭自身が言ってたのだが「別にどの国の人も、腕は2本で足も二本。相手が宇宙人でもないかぎり極め方なんて、最終的にはどのテクニックもそう変わらないよ」と・・・・・・・・・。これ、まだ外国のみなが日本の格闘技情報、桜庭の情報に飢えていた時に、アンダー・グラウンドフォーラムに投稿したら大反響を呼んだのはいいが、ここの翻訳が難しくて、どういうことを桜庭は言ってるんだ?と質問攻めにあってしまったので覚えている。(笑)
どこが正しいかとかいう話でもないが、ひとつのロマンとして考えたい、考え続けたいところです。
この記事への反響
たぶん自分はチキンウィング・アームロックが不完全なキムラ・ロックではなく、効能が違う技なのではという見立てが正しいかに関心があるので、こちらはちょっとずれるかなー。ブラジルではその技術が延ばされなかったというのは興味あります。
— タカハシ (@sand_lander) 2017年7月13日
(コメント欄より)
▲ 2017/07/11 13:18
トップでやってた格闘家って概ね我が強いから、俺の技術!を主張するのはよくあるんじゃないでしょうか
Poet 2017/07/11 22:31
このビデオに出てくる木村政彦のテクは、OFG着けてると使えなさそう。
桜庭のアームロックは、それこそOFGを着けているからでしょうが、手首関節を重視
しない印象と、特にバックを取られた状態からの仕掛けは、相手の肘関節の角度が
大きく、アームロックというより、肩関節を直接狙っている印象があります。
gryphon 2017/07/12 00:51
藁谷さんの言うてるのも「ショルダーロック」、肩関節を極めることに関する分類…らしいんだよね。
Poet 2017/07/13 10:47
桜庭アームロックは、サイドポジションからの入り方は、割と普通に見えますね。
藤原流の相手の手首は固定して、肩の後から回した腕を上げて相手の肩を起こす
ことを重視するスタイルより、機を見て手首側を後にひねる、相手の肘の角度は
重視しないという、むしろ素人には分かりやすい入り方に見えるのですが。
リアルファイトだと、相手が両手をロックしてるのを切るところからのスタート
だからなのでしょうが、どこかに細かい工夫があるのでしょうね。
鈴木みのるはビデオ教本では藤原流だったと思いますが、リアルファイトでアーム
ロックを使っている場面が思い浮かばない。
桜庭は藤原教室の出身じゃないから、もともと別系統なのかもと思って、
リンク先のビル・ロビンソンのダブルリストロックを見たら藤原とほぼ同じですね。
そもそもリアルファイトでは、サイドポジションで相手をコントロールできていて、
相手の片腕も取れている。下の選手は、腕の角度を変えて防御するけど、両手ロック
はしないという状況にならないから、キャッチ流は実戦で使えないとか?
ちなみに小川対グッドリッジは上記状況に近かったですね。