http://efight.jp/news-20130724_20234
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130724-00000004-gbr-fight
…日本における中国武術研究の第一人者・松田隆智氏が、7月24日(水)7時39分、急性心筋梗塞のため死去した。享年75歳。(略)・・・極真空手の創始者・大山倍達に師事したほか多くの武道遍歴を重ねた後、台湾・中国大陸に渡って中国武術の修行・・・。
…「ひらけ!ポンキッキ」で数え歌「カンフーレディー」に出演し、同曲はお茶の間で人気となり、一躍有名となった。
…映画「刑事物語」で武田鉄矢に蟷螂拳(とうろうけん)を指導…。書籍では多くの中国拳法の技術書を著し、またコミックでは中国拳法漫画「拳児」を原作…
お悼み申し上げます。
訃報記事にあった「カンフーレディ」の動画はこちら。
日本(のサブカル)においては、中国拳法の”祖”である
自分は「拳児」世代なんだけど、松田氏がその世界で名前を知られるようになるのはもう少し前だったようだね。というか、兄がその前からずっと持っていた「蟷螂拳入門」の著者名をよく見たら松田氏だったんだよな。
その当時、どのように受容され、また縄張り争いか健全な競争かは知らないが相互批判(足の引っ張り合い)が激しい武道界で、どう評価されたか・・・このへんはもう少し詳しい人の報道がいろいろとあるんじゃないかと思います。
だが、上に記された
「カンフーレディ」
「刑事物語」
「拳児」
だけでも、日本のサブカルチャー、文化の中に中国拳法を位置付ける際の功績は疑うべくもないだろう。それらに接した人が「ゲーム『バーチャファイター』にその影響で八極拳を盛り込んだ」と公言しているのだから、つまりそこからまた世界に広がったのである。

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「拳児」をあらためて論じる
この前「Kindleで読める格闘技漫画」を調べたら、これも読めるんだっけ

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■「拳児」第1話 無料閲覧可能
http://websunday.net/museum/no24/no24in.html
twitter上の文章を編集してまとめてみよう
「拳児」の再評価(リアルな格闘技の観点からも、純粋なマンガとしての評価も含めて)が今必要だと思うのだけど。
手元にあればもっと正確なのだが、「拳児」を思い出してみる。少年漫画にしてはえらく「優等生」な主人公だったなあ・・・というのが第一印象。勉強もできたけど、もっと打ち込めるもの(拳法)を見つけ、教育家の親に逆らってもそっちを選ぶ…って後年の「じゃじゃ馬グルーミンUP!」「銀の匙」に繋がるような?
次々と各種の格闘技が登場し、それを主人公が吸収していく、というのが初期「拳児」の面白さだったな。カラテ、合気道、ボクシング、相撲まであったっけ。そして最終的な師匠、老師は横浜中華街にいる・・・その人のつてで台湾、香港、中国本土への修行の旅・・・って、展開すごかったな結構!
まなべる堂@comic of MMA @manabelldo
松田隆智原作、藤原芳秀作画の拳法漫画の傑作「拳児」の第一話はこちらで読めます。→http://websunday.net/museum/no24/no24in.html …
いの@大丈夫だ、問題ない @gass_o
懐かしいよー。・゚・(ノ∀`)・゚・。
まなべる堂@comic of MMA @manabelldo
始まったのが昭和ですもんね。
gryphonjapan (MMA) @gryphonjapan 8時間
初めやんちゃだったが、中高はとても真面目っこで、だが真面目に拳法を極め学校をドロップアウトしちゃう主人公。成績よかったのが当時は珍しかったがサンデー読者はむしろ共感するのかも。
いの@大丈夫だ、問題ない @gass_o
成長した拳ちゃんが組織の人間として活動する中、トニーと再度相まみえる……的なストーリーが読みたいんですぅ。
gryphonjapan (MMA) @gryphonjapan 7時間
彼は日本人だが、中国の秘密結社会員にもなってるんだよね?今なら尖閣紛争の極秘処理に動いてる可能性が高い(笑)「英雄の相」だしね。
まなべる堂@comic of MMA @manabelldo
黄河1号出動!!
Leo (「拳の眼」管理人) @Leo_thunderbolt
7年くらい前にとある人に、「今、松田さんは結社でかなり上の方にいるから、仕事しなくても食えるらしいよ」って話を聞きましたねぇ。
まなべる堂@comic of MMA @manabelldo
@Leo_thunderbolt 新聞をたくさん読んでそうですなあ…。
再論。1、2巻のころの小学生編・・・これはわんぱく坊主の正義漢で、正しいことのためなら喧嘩も辞さない、という、よく出来ているけどおなじみのキャラクターだった。ちなみに「ストレートパンチ」という、単純な技術を学ばせるだけでこどもの喧嘩では大勝ちできるという、確かにそうだよな的なエピソードもあったな(笑)。
おやっと目立ったのが中学・高校編で、拳法を学びつつ、勉強も出来て非常に礼儀正しく、真面目であるという、当時の少年漫画状況では実に”浮いた”存在だったのだよ。
ああいう展開になったのは実に不思議だが自伝的な意味合いでもあったのかな(笑)。ただ、当時の少年サンデーは・・・当時の「サルでも描けるまんが教室」に詳しいけど、ジャンプは「バトル」。マガジンは「雑誌を絞れば汗が出てくるような熱血」に対し、サンデーは「インクに活性炭を混ぜてでも汗臭さをとれ」とかかれていた(笑)。
サンデー漫画を読む層が、直接的な学校の成績とかとは別に、ちょっとした”優等生”側のメンタリティ寄りになってきていたんじゃないかという気がする。
まあ、そんな優等生でも「正義と護身のためには拳法を使う」ことはあり、それのせいで進学校にはすすめず、逆に番長や格闘技の部活が乱立するアレな高校へ進んで・・・となっていく。
さて、サンデーではその後「じゃじゃ馬グルーミンUP!」「銀の匙」と、優等生だが、もっと打ち込める別のもの(肉体・身体を使ったりする)を知り、その道へ進む・・・
という印象的な主人公が登場した・・・。ごめん、結局読んでる作品だけ論じるのは、twitterのTLを見て「○○の世論が圧倒的だ」というようなもんなのだが・・・まあ知ってることしか論じられないのだからしょうがない。
「じゃじゃ馬」「銀の匙」のような「汗と埃にまみれた現場の道を選択する学校優等生」というキャラクターは「拳児」の系譜にあるのか、ないのか。そういうキャラクターは今、リアルタイムで読んでいる漫画読者(サンデー読者と限定してもいい)に共感を呼びやすいのか、呼びにくいのか・・・
このへんは謎だけ提示して、あとは読者に考えていただく。
大槻ケンヂ・山田編集長が語った松田隆智エピソード
「中国拳法」と松田氏について語るとき
「どこまで<事実>なんだ?」「『計測可能』ですか?」「ぶっちゃけ、話盛ってない??」という話は避けて通れない・・・いや避けてもいいんだけどね。
山田編集長・・・下の名前忘れちゃった(笑)、「ザンス山田」、かつてのフルコンタクト空手の編集長・・・あ、山田英司氏だ!
あの人は「拳児」に出ている。台湾で戦った悪役だ(笑)。田英海、だっけかな・・・名前にも反映されているでしょ。
漫画家は仲がいい人ほど、逆に悪役として登場させやすいということはある。はじめの一歩の「マロン山田」、まんが道の「いじわるな同級生(実はA先生と親友だった!)」、パトレイバーでの出渕・河合がモデルのシャフト技術者など・・・
だが、山田氏はガチで関係が悪いために悪役扱いの登場となった(笑)
山田氏によると、要は悪役が主張する
「防具をつけてフルコンタクトで練習しよう」
とか
「ムエタイやボクシングも取り入れよう」
というのは、やまり松田氏から見れば危険思想だったらしい。しかし松田氏といえば一番、各種武道のいいところどりを薦めていたし、拳児の中高編では部活を利用してさまざまな武道、格闘技を拳児に体験させたから、そのへんとの整合性はよくわかんね。
山田氏が言うには、自分がモデルの田英海と、蟷螂拳マスターがスパーで戦う展開、あれは実際にあったことらしいが、結果は全然違ってたそうである(笑)
そして
大槻ケンヂが紹介する松田氏の逸話。記憶で要約する。
「ある人が、松田隆智さんに『でもやっぱり、中国拳法ってうさんくさいですよね』と言ったんですって。そのときは畳の部屋で、座布団にすわって二人で向かい合ってたんですけど、正座してた松田さがにっこり微笑んで『でもね、ぼくはこの体勢から、君を殺すことが出来る』と。言い終わった瞬間、正座の状態のままで寸分たがわず言った相手の頭部へハイキック、見事に寸止めだったそうですよ」
とステキな逸話を紹介したあと
でもね、正座の状態からハイキックできても、中国拳法が胡散臭くないことにはまったくならないんですけどね(笑)
と正論すぎるツッコミをしていた(笑)。
「大仁田厚が『プロレスが八百長っていうんなら、この傷は偽物なんか〜〜』というのと同じですよ!」とも。
過去の重要記事紹介

- 作者: 松田隆智
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- メディア: 単行本
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http://blogs.masoyama.net/?eid=252
・・・ここ(※「謎の拳法を求めて」)を読んだ感じだけだと、そんなに摩訶不思議な超能力的な何かじゃあ無いんですけど、気を集めるとか凝縮させるとかって言葉がかなりの誤解を生んだ様に思いますね。 最終的に「ドラゴンボール」のかめはめ破まで行き着いてしまいましたがwんで、当ブログ的にはここに触れねばなりませんね。 大山倍達総裁との関係です・・・(後略)
最後の最後に追悼文にならなくなってしまったが、それでも、ありがとうございました。安らかに。