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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

増田俊也「七帝柔道記」版元の角川書店が、この本を売り出すため気合が入り過ぎてる件。(既に4刷以上?)

七帝柔道記

七帝柔道記

内容紹介
青春文学の金字塔ついに刊行!

「このミステリーがすごい! 」大賞出身の小説家で、「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で人間の懊悩を書き2012年の大宅賞新潮ドキュメント賞をダブル受賞した増田俊也が、圧倒的な筆力で描く自伝的青春群像小説。
主人公は、七帝柔道という寝技だけの特異な柔道が旧帝大にあることを知り、それに憧れて2浪して遠く北海道大学柔道部に入部する。そこにあったのは、15人の団体戦、一本勝ちのみ、場外なし、参ったなし、という壮絶な世界だった。
かつて超弩級をそろえ、圧倒的な力を誇った北大柔道部は連続最下位を続けるどん底の状態だった。そこから脱出し、なんとしても七帝柔道での優勝を目指し「練習量が必ず結果に出る。努力は必ず報われるはずだ」という言葉を信じて極限の練習量をこなす。
東北大学東京大学名古屋大学京都大学大阪大学九州大学、ライバルの他の七帝柔道の6校も、それぞれ全国各地で厳しい練習をこなし七帝戦優勝を目指している。そこで北大は浮上することができるのか。
偏差値だけで生きてきた頭でっかちの青年たちが、それが通じない世界に飛び込み今までのプライドをずたずたに破壊され、「強さ」「腕力」という新たなる世界で己の限界に挑んでいく。
個性あふれる先輩や同期たちに囲まれ、日本一広い北海道大学キャンパスで、吹雪の吹きすさぶなか、練習だけではなく、獣医学部に進むのか文学部に進むのかなどと悩みながら、大学祭や恋愛、部の伝統行事などで、悩み、苦しみ、笑い、悲しみ、また泣き、笑う。そしてラストは。性別や年齢を超えてあらゆる人間が共有し共感できる青春そのものが、北の果て札幌を舞台に描かれる。
 
 
内容(「BOOK」データベースより)
「七帝柔道」という寝技中心の柔道に憧れ、二浪の末、北海道大学に入学した。しかし、柔道部はかつて誇った栄光から遠ざかり、大会でも最下位を続けるどん底の状態だった。他の一般学生が恋に趣味に大学生活を満喫するなか、ひたすら寝技だけをこなす毎日。偏差値だけで生きてきた頭でっかちの少年たちが、プライドをずたずたに破壊され、「強さ」という新たな世界で己の限界に挑んでいく。悩み、苦しみ、悲しみ、泣き、そして笑う。唯一の支えは、共に闘う仲間たちだった。地獄のような極限の練習に耐えながら、少年たちは少しずつ青年へと成長していく―。

・・・ほら、以前かいた「AMAZONの紹介文で、編集者のその本に懸ける情熱と有能さが大体分かる」という話。その実例サンプル、ひとついただきましたー(笑)。

■アマゾンの書籍紹介で、解説が短い&無い--のは「編集者の無能」の証明だろうか?
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130514/p2

ただね、何がどうなったか分からないが、気合の入った内容紹介文がamazonにある、ってレベルじゃねーぞ
なんと、・・・昨日付けのうちのブログへのコメントから。

h-mas 2013/06/21 01:14
「世界一熱い書籍PV〜『七帝柔道記』PV 熱闘編〜」←youtubuで見たこれがあまりに面白かったので、是非グリフォンさんにお礼をと(何で?!)、いちブログ読者として書き込んでしまった次第であります。どうかお許しください・・・・思いは、生き物なんじゃああああ!!

そーなの。一書籍なのにね、なぜかPVがあるの。

これを書いた人の情熱にアテられたのか、これを宣伝したい、世に売り出したいという版元の情熱もハンパじゃない

http://blog.livedoor.jp/nhbnews/archives/52335173.html

伝統競技 / 武道】 前代未聞 角川書店が俳優と百年契約! 『七帝柔道記』 PV にて < boutholic
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000088.000007006.html
株式会社角川書店は俳優・原金太郎が出演する、『七帝柔道記』(増田俊也著)の書籍プロモーション動画の出演及び配信契約において、前代未聞の「百年契約」を交わした。
(略)
宣伝プロデューサーである、角川グループホールディングス・宣伝部・菅原氏は、「『七帝柔道記』は自分の息子、孫、そしてそのまた次の世代へと、最低百年は読みつないでほしい青春小説の傑作。原さんには非常に素晴らしい演技でそれを表現していただきました。本作の仕上がりを見て、プロモーション期間も最低百年は必要であると考え契約をお願いしました」と答えている。また角川書店井上伸一郎代表取締役社長は「原さんにご出演、百年契約を結ぶことが出来、大変光栄です」と答えている。

 
出演:原 金太郎、岸田教平(監督・構成 矢崎充彦)
Youtube 角川ブックチャンネル
http://youtu.be/ra69emmv-1M

また『七帝柔道記』は重版が続々決定。発売後早くも4刷となり、漫画家・井上雄彦氏、作家・森絵都氏、万城目学氏らからも絶賛の声が寄せられている。尚、プロモーション動画の使用期間は2013年6月より2113年5月(「ドラえもん誕生」予定の翌年)までとなっている。

そして特設ページまで・・・

○単行本『七帝柔道記』特設HP
http://www.kadokawa.co.jp/sp/nanatei

本を読むのが遅い僕が珍しくあっと言う間に読み終わった。面白かった。
今もあの世界は存在しているのだろうか。
 
尋常ではないスポーツバカたちの異界。
大笑いしながらよんでいたのに、いつの間にか泣かされてました。
 
どうして彼らは、これほどまで弱いのに、誰よりも強いのか。
これほどまで地に這いつくばっているのに、誰よりも気高いのか。
 
熱いものがこみ上げてきて止まらなくなる。
私たちの知らなかった青春がここにある。
 
人生にはたった一つだけ信じることのできるものがある。
それを見つける若者の物語。

作者インタビュー

http://www.kadokawa.co.jp/sp/nanatei/contents/author.php

「僕は命をかけて伝えたい作品を生きているうちに残したいと思っています。最近ですと伊藤計劃さんや殊能将之さんが若くして亡くなっています。彼らの無念を思うと……僕は涙が出てきてしかたない……。ですから、僕はいつ死んでも後悔しないよう、書くべき作品を先に書いていこうと思っています。」


さて、この後、自分なりの読んだ感想を・・・と思ったが、ふと客観的に振り返ると(自分お進化した)、ここまでの版元のあれやこれやの紹介だけで記事分量が相当なものになったと気づいた(笑)。ここに自分の感想を付け加えたら「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」の厚みには及ばないが、記事としてバランスを欠く。
まずこの文章は、現在の同書のこの「勢い」を紹介する記事ということにして、感想は後日にしよう。

「ネットを使って本を売る工夫」はまだいろいろあるんだな。

しかし、角川書店が年に何冊本を出しているのかは分からないが、綺羅星のごとく出される本の中でこんな「特設ページ」を創る・・・という嗅覚はさすが一部上場企業(笑)。

そういえば実際、「七帝柔道記」が本になると聞いたときは・・・お恥ずかしい話ではあるが、『「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」が大ヒットした余勢を駆って、この本がついに出るか。ただテーマが「柔道とプロレス、総合格闘技」にもかかわるあの本と違って、あまりにもなじみがなさすぎるからな。前作で熱狂的なファンになった人が買ってくれれば、なんとか格好がつく部数になるかな・・・』
ぐらいに思っていたのだ。それがすでに四刷だし、書評も高評価。なかなか素人には、本のヒットを見抜くのはアベノミクスの相場を見るよりむつかしい。

あ、そうか、上の「七帝柔道記」PVも「カットノベル」のひとつか。カットノベル=「本の予告編動画」再論

ここで紹介した、これだ。

■小説(著作権消滅)作品のプロモーション動画(カットノベル)を作ろう」コンテスト
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130420/p2
 

http://cutnovel.com/
題して「カットノベル」。内外の小説を紹介する、1分のPVを募集しているサイトです。
http://cutnovel.com/about

そうそう、ドラマ仕立ても紙芝居仕立ても可能だけど、実力派の人が朗読すれば、「朗読仕立て」も可能なのである。
上の映像は「七帝柔道記」ならでは、でもあるが、もっとたくさんの書籍が、youtubeを活用したりしてこういうプロモーションビデオを作ってほしい。

そういえば、声優さんというのは志願者、予備軍がたくさんいる厳しい競争社会でもあると聞くが・・・「朗読」のyoutubeをうまく活用すれば、そういう野心的な若手が世に出るチャンスでもあるのではないかな?

むう・・・さすが日本の書籍メジャー、角川書店
「角川ブックチャンネル」とはみごとな・・・・・・
http://www.youtube.com/user/arasujich?feature=watch
数例ほど有名作品を




そして・・・ささやかに、こそっと述べるが、
「ファンの読者が、勝手に引用して作るPV(カットノベル)」も、見てみぬふりをしてもらえればなあ。