まだ今月号のゴン格紹介に行ってない、というのは今月の活字格闘技界が充実してたってことなのかなー。
その前にKAMINOGE。
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2006年大晦日
“ヌルヌル事件"の知られざる真実! 桜庭和志、最初で最後の全告白!![INTERVIEW]
■桜庭和志
なぜ、これまで沈黙をしていたのか?なぜ、6年が経過したいま語るのか?“当事者であり被害者"による『2006年“ヌルヌル事件"の知られざる真実』
「周囲全体に対して疑心暗鬼の気持ちがあった。もうすべてを話すからこれでおしまいにしてほしい」
分量としてはそんなに多いわけでもない。
桜庭が今回語ったことで、新事実・・・というかそれが事実なら大きな問題になるのは「試合中、桜庭が触れて身体に移ったローションの匂いはかすかなものでなくはっきりとしたもので、(桜庭の考えでは)だれでも明白に分かるぐらいのものだった。だが、レフェリーに身体をかがせたら、3人とも『今ちょっと鼻が悪いんです、わかりません』といわれた。3人とも匂いがわからないぐらい鼻が悪いなんてありえる?」
というものだった。
それは確率論的にも、たしかにおかしい・・・。
また「若手(ジャッジだっけ、レフェリーだっけ)は1人だけこっそり、『たしかに、においます。でもそのことは、誰にも言わないでください』と耳打ちした」と・・・ますます、「?」だ。
実は自分も「ローションの匂い」の話については聞いていたが、ちょっと違う解釈をしていた。
このKAMINOGEの実物が出る前に、期待を書いたエントリーで・・・
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130320/p1
・・・本当は手についたクリームから柑橘系の匂いが立ち上り、それが証拠になったはずなのに、怒りに任せてタバコを吸ってしまい、レフェリー陣が確認に来たときはタバコのにおいで分からなくなってた・・・なんて苦笑するエピソードも読んだ記憶がある。
むかし読んだだけなので細部、というかどの本に載っていたのかもあいまいだが
時系列的に考えると
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そのときは「何ばかなことやってんの!証拠を保全しときなさいよ!そうすりゃ一発だったのに!」という感想を持ち「桜庭のうっかりエピソード」に分類していましたが・・・
どうなんだろう。「はっきりわかる」というのは程度問題だからな。なんといっても桜庭は匂い以上に実際の感触、闘った中で確信を持っていただろうから、その前提の上で匂いをかいでいたはず。
そして桜庭陣営の豊永稔も実際、試合直後に秋山の身体をさわったものの、その時は確固たるヌルヌルさを判別できなかったのも事実だ。
それに桜庭がにおいをかがせた中には、桜庭との絆はいうまでもなく、事件のあと「神様は見てます!」という名言を残した和田良覚氏もはいってるんじゃないかな(当時のサブレフェリー)。
かれも大晦日当時は
陰謀に加担したけど、
この時期には立場を変えた、・・・
とも考えにくい。
3人とも「鼻が悪い」にはたしかに大きな不自然さを感じるが、やっぱり当時の「におい」がどれぐらい明瞭で・・・またはあいまいで「気づく人もいれば気づかない人もいておかしくない」のか「確実ににおっていた。これがわからないなんてシラを切っている」かは今となっては・・・・・・やっぱり分からない、とするしかないんじゃないかな。
ただ、惜しかったのはあの当時のテレビ中継は「すっごいすべるよ!身体全体がすべる!」という桜庭の怒りで唐突に終わったのだけど、あのあと、まだ観客が注目しているリング上でマイク・・・は無理かな? リング上で「主観→客観」に切り替わる「この身体を嗅いで見てよ!なんかへんな匂いがするでしょ?」を即座にアピールできてれば・・・しかしもちろん、実際に現場でそういうことをとっさに判断できるわけもない。。
うっかりか、故意か?
桜庭の不信は秋山の行為が「撮影スタッフに対してもどうどうと行っており、意図的にやっていたわけじゃない」として、不注意として処理されたこと・・・にも腹を立てている。
さらに個人的に付け加えると
(1)・うっかり「ローションを塗った」
と仮定した場合は、
(2)・桜庭が試合後に「すべるよ!」と抗議したら「たしかに自分は乾燥肌なんでローションを塗ってますけど、それはOKですよね?えっ、違うの? あーっ、それじゃ自分の大ミスだ!ダメならばこれは問題です」と試合直後に認めて、1日で決着がつく・・・
はずなんです。これこそ(1)もうっかりで、さらにうっかり騒ぎになったあとも(1)のことを忘れて否定していた、は解せない。
これはむかし「バダ・ハリの処分と、秋山の処分の整合性」という話題があったときにちょと書いてた(なつかしい話題だなー)。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20081220/p3
・・というか個人的には、秋山は武器としてわざとクリームを塗った…か、或いは千歩譲ってそれは過失だったとしても、試合直後に問題になった時「あっ、そういえば僕はクリーム塗りましたよ。でもあれは違法じゃないですよね?」じゃなくて「僕、多汗症なんですよ」とクリームに口をつぐんだこと、これは明らかに不正の隠蔽をしようとしたと思っている。
だが、肝心なのはFEGは上のような認定をせず、過失だったと見なしている・・・
で、桜庭はこういう態度を、捕まったときだけ謝る「万引きおばさん」だと表現している・・・それが今回のインタビュー。
あと面白かったのは
「柔道で秋山の道着がぬるぬるだった相手選手(中村3兄弟の誰だっけかな?)の気持ち、本当によく分かる!いつか語り合いたい」と(笑)
「そのローションがなかったら、経験上あのタックルは決まる体勢だったと思ってる」とかなりの技術的自信を見せていたこと。
これは動画を、あとで再度見てみたいな・・・