第七十五帝国議会去感(※ママ。註あり、記事の最後をご覧ください)・斎藤隆夫
吾が言は即ち是れ万人の声
褒貶毀誉は世評に委す
請う百年青史の上を看る事を
正邪曲直自ずから分明
という詩での、当ブログ来訪者がにわかに多くなりました。
これは2012年11月11日、朝日新聞のオピニオン面で曽我豪政治部長の執筆した「ザ・コラム」で引用されたからだと思います。
私は2009年の、まさに衆院総選挙直前にこの詩を引用していました。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20090830/
なぜ3年前に引用したかというと、同年の読売新聞8月28日、日本史研究家の磯田道史が書いたコラム「古今あちこち」にて、同氏が学生時代に露天商から買った色紙にこの詩があった・・・という話を書いていたからです。
そしてこのコラムは先月、新書となりました。
- 作者: 磯田道史
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2012/10/24
- メディア: 新書
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コラムによると曽我氏は、8−30日の日程で衆院憲政記念館で展示されている
「昭和、その動乱の時代−−議会政治の危機から再生へ 特別展」で斎藤氏の書いたこの書を見たとか。(磯田氏は色紙、こっちは書です)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_annai.nsf/html/statics/kensei/kenseiH24tokubetsu.htm
自分も行ってみたいなあ。
なんにせよ、この新聞での紹介をきっかけに、一緒にこの本の読者も増えればいいと思います。
おもしろさは保証つき。
詳しい情報は中公新書ツイッターでも。
http://twitter.com/chukoshinsho
注釈(コメント欄より)
大嶋
第七十五帝国議会「去感」
これは管理人の読みでしょうか? それとも磯田先生でしょうか?
いずれにしてもオリジナルをご覧になってますか? 色紙では確かに「去」に近いのですが、でも点がひとつ多くありませんか?
去感なんて言葉ありません。
これは「志感」です。「感ヲ志ルス」です。『三国志』の「志」と同じです。
齋藤隆夫先生に失礼ですのでご訂正ください。
同書(2012年10月、初版)ではやはり「去感」ですね。「達筆すぎてすぐには判読できなかった」「…と読めた」などの記述もあります。実物を確かに見ていないので、仰る内容を確認できませんから、いま現在はコメントを記事に盛り込み注釈をつける形にさせていただきます。