来年1月、ブルーレイで「ヒカルの碁」が発売されるそうです。
それのキャンペーン(早いな)で、当時の監督がインタビューされていました。
http://news.livedoor.com/article/detail/3808610/?p=1
CSで何度も放送された時に、時間があればときどき見ていたけど、基本的に通しでは見ていない。
ただ、自分が「ヒカルの碁」を長文で紹介した批評は自分でも満足いく内容で、自分の中でも印象深い一本。
■今年10周年の「ヒカルの碁」を再読
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080822/p3
ここに紹介したエピソードやキャラクターを、監督は「アニメの演出ではこうこう、こうやった」と語っているので、非常に興味深かった。当たり前だが・・・現在はCGで書けるらしいが・・・「当時は碁盤を描くと直線が大変だったし、碁石の丸みも描くのが難しいので盤上はあまり画面に出したくなかった」とかとか。
「コンピューター囲碁vs人間」、現在の戦況は?
ゲームの楽しさというのは、それぞれ個性があって決めかねるものではあるが、「コンピューターが勝てるか」という物差しを使うと、明白に勝ちやすいやつ、勝ちにくいやつの順番ができる。
ゲームによっては「最善手で先手必勝、後手必勝」とか証明されたりしてて・・・・・・
それで今、勇者コンピューターはどうぶつしょうぎ軍団長、オセロ参謀、チェス将軍、将棋元帥・・・などを次々と倒し、あるいは倒しつつある。
だが、宮殿の最後に控えているラスボス、「囲碁大魔王」はけたがちがう
「勇者コンピューターよ、ここまで来たのはほめてやろう。だがわしは、今までのようにはいかんぞ」
なのだ。
数学的にいうと・・・
考慮すべき局面の数はチェスが10の120乗、将棋は10の220乗なのに対し、囲碁は10の360乗とも言われる。形勢判断を数値化するのも難しい。2005年ごろのコンピューターの慈雨力は将棋がアマの高段者ぐらいだったが、囲碁はアマの初段にも達していなかった。
しかし06年に「モンテカルロ法」のプログラムが登場すると、コンピューターの実得よくは大きく前進した。
囲碁は陣取りゲームなので、ルールにそってどんどん石を置いていけば、無作為に打っても決着がつく。それをひたすら進めて多数の終局図を発生させ、そこから逆算して勝率が高かった手を選んでいくのだ。
(2012年9月15日、朝日新聞別刷「GLOBE」より)
で、今年三月に最強プログラム「Zen」が四子のハンデでプロ棋士に勝利。これはアマ有段者レベルだという。
まあ、逆にいえば「まだまだアマ有段者レベル」なのだということだ。
ところで野暮な問い、で、なんの役に立つの?にもGLOBE記事は答えている。
ここからはさっぱりわからないのだが、何でもこのアルゴリズムは、病気と遺伝子の因果関係をプログラムによって推定するという研究をしている学者も着目し、引用したいとコンピューター将棋の研究者(電通大の伊藤毅志教授)に申し出たことがあったという。
お遊び、ゲームの研究をひたすらやっていたら「病気の遺伝子的研究」というだれもが渇望する研究に役立ったという・・・なかなか痛快ではないかな??